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中村蒼、“俳優として”高良健吾から「いろいろ刺激を受けています」

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 ほぼ順撮りで行われたという撮影。佐々部監督の現場は常にいい意味での緊張感が持続していた。「まったく隙を作れないというか、油断できない。どうしても毎日同じ人たちと仕事をしていると、多少の慣れというのは出てきてしまいがちですよね。でも、この現場には一切それがなかった。毎回毎回、背筋を伸ばして現場に行かないといけなかった。『東京難民』では、特にそういう姿勢が必要だったと思うので、本当にありがたいと思っています」。

 出来上がった本編をまだ客観的には観られないとはにかむ中村。特に、転落していく様子をじっくり見せる前半部分は、ほぼ中村ひとりで物語を引っ張る形となっている。「大丈夫かなって思っちゃいました。お客さん、僕の顔ばかりこんなにずっと見ていて、帰っちゃうんじゃないかって(笑)。でもあれがないと後半が生きないと思うし、孤独にポツンといる姿とか、社会から切り離されたような空間で、パソコンを叩く音だけが響いている感じとかは、すごいなって思いました。僕個人の問題としてはもっとできたんじゃないかとか、どうしても考えてしまいますが、でもそのときの自分は一切手を抜いてはいないので、後悔はしていません」。

 もともとジュノン・スーパーボーイ・コンテストで、グランプリに輝き芸能界入りした中村。最初は役者になりたかったわけではなかったという。しかし現場で怒られることが多かった『ひゃくはち』(08 )が完成したときに、純粋に作品自体にとても感動し、その瞬間、「あ、これに出られてよかった」と大変だった出来事がすべてチャラになり、それどころか、「こういう嬉しさを感じられるなら、今後も俳優を続けていきたい」と思えるようになったのだとか。

 その『ひゃくはち』でも共演した高良健吾とは今でも親交が厚く、「頻繁に会ったりはできないですけど、いろいろ刺激を受けています」とのことで、会うと話が“俳優として”の方向に行くことも多いと教えてくれた。

 最後に本作を待っている人に向けてメッセージをもらった。「今日を生き抜くのが大変な人たちがたくさんいて、そういう中で僕らは普通に帰れる家があって、普通にモノを食べられている。それってとても幸せなこと。これを観る方にも、同じ気持ちを抱いてもらえたり、前や後ろだけじゃなくて、右も左もちゃんと見て、周りにある幸せをしっかり感じてもらえたらなと思います。それと、辛い話ではありますが、きっと最後には希望が感じられるはずです」。(取材・文・写真:望月ふみ)

 『東京難民』は2月22日より全国公開。

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