スピルバーグも絶賛!女性同士の愛を描く『アデル、ブルーは熱い色』監督インタビュー
本作でエマとアデルのふたりは運命的に出会い、愛し合うようになる。劇中、ふたりの官能的で美しい性描写も話題となっているが、監督はどのようなアプローチを行っていったのだろうか。「私にとってセックスシーンは食事をするシーンを撮るのと同じアプローチなんです。ほんとにお腹がすいていないと食事はおいしく食べられません。人間の欲望というものは本当に正直なんです。ひとりひとりの欲望がないとああいうシーンは作れないし、自分自身を解放しなければならないシーンだからタイミングも考え、撮影スタッフも極力少ない人数で撮るようにして、ふたりの気分が乗るまで、時間をとってじっくり少しずつ撮影していきました。美しく撮るために光源の選択にも時間をかけました」。また、撮影中は監督がジョークを言ったり、和やかな雰囲気になるように務めたという。
そして、本作はタイトル(邦題)にもあるように、“ブルー”が様々なシーンにおいて印象的に登場する。ふたりが出会うときのエマの髪色、ふたりが語り合うベンチの色、アデルが水着で青い海に浮かぶシーンなど、全てがブルーなのだ。アブデラティフ監督に、率直に“ブルー”について訊いてみたところ「主張には“ブルー”かな、と思った」とコメント。アブデラティフ監督の持つイメージから決まった色だったらしい。だが、色を決めることは「簡単なことではなかった」とも。“ブルー”に決めたあとも「ブルーに何を合わせようかと悩みつつ、色の組み合わせを研究しようという思いで撮影していきました」と明かした。
最後に、次回作について質問すると「いくつかアイデアはあります。日々意見は変わっていくけれど、“自由”をテーマにした作品になると思います」と語ったアブデラティフ監督。どんな作品なのか、次回作を楽しみに待ちたい。(取材・文・写真:福住佐知子)
映画『アデル、ブルーは熱い色』は4月5日より全国公開。