オダギリジョー「本当に嘘がつけなくて」 多種多様な作品に出演するわけとは?
海外作品への出演も多い彼だが、「海外の現場って、予想もつかない問題が起きたりするんです。日本の現場は、役者が芝居のことだけを考えられる環境を作ってくれる。それは幸せなことで、とてもありがたいこと。でも、海外で毎日のように起こるトラブルや、ネガティブな要素を受け止めながら、ギリギリのところでモノ作りをすることが、すごく充実していると感じる時もあって。刺激がほしいということなんでしょうか」。安穏と立ち止まろうとしないのも、彼の大きな魅力だろう。
刺激と興味が、仕事を受ける時の大事なファクター。しかし、「キム監督に最初に会って話をしたのは、『マイウェイ 12,000キロの真実』(11)の撮影の時。『マイウェイ』のカン・ジェギュ監督とヨンファ監督は、仲が良いんです。カン・ジェギュ監督の存在がなかったら、今回の話も進んでいなかったでしょう」と、今の彼にはもう一つ、“人とのつながり”という大きな動機が加わったようだ。
「今までは、人とのつながりで仕事をするなんて考えは一切なかった」と、この心境の変化には自分でも驚いている。「昔は、出る作品を自分なりに厳選して、自分でコントロールしてきたつもりだったんです。でも、なぜか今、気がつくとテレビドラマを3本も掛け持ちしている状況になっていて(苦笑)。それは、“人とのつながり”を感じたからなんです。昔、一緒にいい仕事ができたなあと思える方から再び声をかけてもらうと、やっぱり嬉しいし、何か力になれるなら、と思うじゃないですか。昔仕事をした頃に、助監督のサードやフォースだった方が今、チーフや監督になったりして。そういう方から頼まれると、なかなか断れないというか、自分のできることは、返したいという思いもあるんです」。