尚玄「ゲームファンを裏切りたくない」 3度目の実写化『ストリートファイター』を語る
トレーニングに励んだ結果、細身の尚玄は80キロ超えのマッチョな肉体に。その身体を駆使したアクションはもちろん見どころだが、一方で違う部分にも注目してほしいと言う。
「クリスチャン・ハワード(ケン役)も、マイク・モー(リュウ役)も、子供の頃から格闘技を習い、アクションを中心にやっている人間なので、やっぱり見劣りしちゃうんです」と胸の内を明かすと「だから僕らは、剛拳、豪鬼、サヤカの深い感情を表現することに力を入れました。日本的な情緒、僕たちしか出せないシーンだと思っています」。
本作はアクションだけではなく、登場人物の葛藤や、生き様などが随所に描かれている。尚玄演じる剛拳は、清い道徳心を持ち、「運命は変えられる」という強い信念を持つが故に、多くの葛藤を抱える。「僕自身も宿命は変えられずとも、運命は変えられると信じている人間です。剛拳に近い生き方だと思います」。
また剛拳、豪鬼、サヤカの微妙な三角関係も描がかれるが、実際そういった場合はどう立ち振る舞うのだろうか。「譲るタイプですね(笑)。僕は一人っ子だったので、あまり人と争うという経験をせず、競争の立場になると引く癖があるんです。でも根は頑固なので、貫きたい想いは静かに貫きます。“孤高”という言葉が好きなのですが、自分の信じることを淡々とやっていれば、いつか好機は訪れると思っているんです」。
そんな好機が『ストリートファイター 暗殺拳』によって訪れようとしている。「この作品をきっかけに、海外作品のオファーやオーディションが増えてきています。インターナショナルに活動していけるように、これからも頑張りたいです」。剛拳のごとく実直に進む尚玄の道は、大きく開かれているようだ。(取材・文・写真:才谷りょう)
『ストリートファイター 暗殺拳』は10月2日にDVD発売。価格は3800円(税別)。