「これは絶対うまくいく!」鬼才監督が確信、シアーシャ・ローナンの演技
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さらに、「シアーシャがこの役に興味を持っているという話は聞いていたが、彼女はアイルランド人(設定はアメリカ人)だし、すでに18歳になっていたので…」と、意外にも迷いがあったことを告白。ところが、1度セリフを読んでもらったら、全ての不安が吹き飛んだという。「あまりの完璧さに『これは絶対にうまくいく!』と確信した。若手の中で彼女の右に出る女優はいない」と、今では手放しで絶賛だ。
この映画は、核爆弾投下を境に豹変する。美しい大自然から一転、荒廃した戦場へとデイジーは放り込まれるのだ。「前半は、70年代の古いレンズを使い、温かみのある自然美をハンディカムで撮影し、後半は、ドイツ製のレンズを使って、冷たい自然の脅威や恐怖感、疎外感を固定カメラで撮影した」と明かしてくれたマクドナルド監督。
自暴自棄だったデイジーが「生きる」意欲に目覚めていく過程が、前半、後半のコントラストによってどんどん浮きぼりになっていく…背景にある世界情勢は、あくまでもメタファー的描写の一つ。少女がもがき苦しみながらも自分の居場所を見つけ出す、その生き様こそ、この映画の大切なテーマと言えるだろう。(取材・文:坂田正樹)
『わたしは生きていける』は8月30日より有楽町スバル座ほか全国順次公開。