長谷川博己「シキシマ役を自由に演じた」 “トラウマを与えるような『進撃』”に大満足
前篇が公開となった今でも、謎の多いキャラクターだ。後篇ではエレンとシキシマの関係性が大きな鍵を握り、「壁を破壊し、世界の真実を知りたい」というテーマに向かって突き進むこととなる。二人の関係性については、どのように捉えて演じたのだろうか。「シキシマはエレンの影のような感じもある。エレンの純粋さとはまた違った方向から、世界を見ているということを意識していました」。後篇ではエレン役の三浦春馬と殴り合いとなるシーンもあるが、「マジでやり合いましたね。春馬くんも本気でくるので、こちらも本気で返して。いいシーンになったと思います」とガチンコの掛け合いに大満足の表情を見せる。
賛否両論を巻き起こしている本作だが、実写として登場した巨人の迫力には誰もが驚いたはず。長谷川も「とにかく面白かったですね。最初の20分ですでに心の中で拍手をしていました。特撮とCGがプラスされた映像。さらに生身の人間が演じる巨人。手作り感を残しつつやった方が、これだけ怖いものができるんだということが再確認できた。僕らが子どもの頃に虜になった、レイ・ハリーハウゼンの世界が蘇ったよう」と樋口真嗣監督の手腕に舌を巻き、「あんなにバリバリと人を喰べるなんて、樋口監督は相当、嫌なことでもあるのかな。いろいろ溜まっていたのかも」と笑う。
「僕は、子どもが観てトラウマを与えるような映画に出たい、作りたいと思っていたんです。そういう意味でも本当にこの映画に参加できてうれしいんです」と役者人生においても、宝物のような作品となったそう。「僕も、3、4歳の頃に(スティーヴン・)スピルバーグの『インディ・ジョーンズ』を映画館で観て、人が溶けたりするのを観てしまって。ものすごく怖くて眠れなくなってしまうくらいだったのに、それが気になって仕方がなかった。結局、そのトラウマのおかげで映画の虜になってしまったわけです。何かを観て、変わっていくというのはすごく大事なこと。そういう力のある作品になったと思います」。(取材・文・写真:成田おり枝)
『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』は公開中。『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』は9月19日より公開中。