異色音楽コミック『とんかつDJアゲ太郎』 担当編集者が人気の理由を分析
「嫌なやつが出てこないのが魅力の一つではないでしょうか。作者のお二人も僕もNHK連続テレビ小説の『あまちゃん』が好きなのですが、あの作品もコメディタッチで嫌なやつがあまり出てこないので、純粋で前向きな主人公を気持ちよく見ていられます」。
村越氏によると、ウェブ漫画の考え方には「読者に刺激を与え続ける漫画」と「嫌な気持ちにならず気軽に読める漫画」の2種類があるという。本作はまさに後者にあたる。また、ギャグとストーリーのバランスにも気をつけているという。
「ギャグ一辺倒だと単調ですし、とんかつのうんちく漫画になりかねません(笑)。かといって設定上ストーリー漫画になりすぎるのも無理がある。ストーリーをやったら次はきちんとギャグ回を入れています」。
ストーリーの後には軽く読める回を入れる。これは自身が本誌で担当する『暗殺教室』などジャンプのヒット漫画でも使われているジャンプメソッド。一見するとシュールで奇抜なギャグ漫画だが、その裏には「ジャンプ」ならではのしっかりとした構成が隠されているのだ。
すでに、DJ世界大会「Red Bull Thre3Style 2015」やタワーレコードなど、様々な企業・商品とコラボを果たしている本作だが、村越氏の展望はまだまだ尽きない。「今後はグッズをたくさん出したいですね。それから、音楽業界とはもちろん、とんかつ屋さんともコラボしてみたいです」。
これからも『とんかつDJアゲ太郎』が、色々な業界を“アゲて”くれそうだ。(取材・文・写真:山田井ユウキ)
『とんかつDJアゲ太郎』コミックス第4巻は10月3日発売。