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「個の力信じてる」増幅する “心の壁”、パレスチナ人俳優が語る平和への糸口

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映画『オマールの壁』で主人公の青年オマールを演じたパレスチナ人俳優アダム・バクリ
映画『オマールの壁』で主人公の青年オマールを演じたパレスチナ人俳優アダム・バクリ クランクイン!

 パレスチナの今を生き抜く若者たちの青春や厳しい環境下での葛藤を描いた映画『オマールの壁』が公開中だ。本作に登場する巨大な分離壁は、イスラエルとパレスチナの境界であるグリーンラインに沿って建てられているのではなく、パレスチナ自治区内を分断するように建っている。友人や恋人に会いに行くためには、危険を冒して壁を越えなくてはいけない。そんな不条理な日常を変えるために奮闘するパレスチナの青年・オマールを演じたのが、イスラエル生まれのパレスチナ人俳優アダム・バクリだ。初来日を果たした彼に作品に込めた熱い想いを聞いた。

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 パレスチナ人自治区であるガザや、ヨルダン川西岸地区にそびえたつ分離壁。それはパレスチナの人々にとって“占領されている”という象徴だという。「この映画はすごく強いメッセージ性を含んだ悲劇的なラブストーリーです。占領されている状況というのは、シンプルな恋愛すらできない異常なことなんです」とバクリは語る。「占領下にあると普通の生活ができません。そうすると人々は反抗します。それによってさらに暴力が生まれる。この映画は占領されることによって起こる副作用が描かれているんです」。

 バクリ演じるオマールは、パン屋で働きながら、恋人との結婚に夢を馳せる普通の青年だ。しかし恋人や幼馴染に会うためにイスラエル軍の監視を避けながら壁をよじ登ったり、イスラエル兵に不当な暴力を受けたりと、ささやかな幸せすら望むことが難しい状況なのだ。バクリはオマールという人物を演じることを熱望したという。「具体的に何に惹かれたかというと、明確な答えが私の中にあるわけではないんです。ただ私は彼にとても愛着を持っています。それは、彼がとても良心的で親切、そして愛する心がいっぱいあり、そのためには自己犠牲もいとわないという人間だからです」。

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