西野亮廣が語る独自の価値観「そのとき一番面白いものをやりたい」

お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣の絵本『えんとつ町のプペル』が注目を集めている。彼自身4冊目となるこの絵本は、「はみ出しものの主人公」が属するコミュニティで辛い思いをしながらも、大切な友との友情のために、勇気をもって新しい世界に踏み出す姿が描かれている。「作っていて泣きそうになった」と自身の思いが色濃く投影されているという作品を完成させた西野に思いのたけを語ってもらった。
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過去3作の絵本は、西野自身がストーリーもイラストも作成していたが、本作は、自身がストーリーを考え、絵コンテを描き、イラストは別のクリエイターたちが担当するという分業制のスタイルをとった。「こういうスタイルだと作家性が薄れるんじゃないかと言われていたのですが、僕はそうは思わないんですよね。自分の頭の中にある景色を紙に投影するとき、自分の右腕だけでは表現できないし、色を塗る能力もない。でも絵を描く人、色を塗るプロフェッショナルがいて、僕のイメージをダイレクトに具現化してくれました」。
イラストの制作統括を務めたMUGENUPのペラン・アントワーヌ氏も「彼の頭の中のイメージをしっかり伝えてくれるし、クリエイターのアイデアや意見も引っ張り上げてくれる監督でした」と西野との仕事に満足そうな表情を浮かべる。非常に映像的な世界観をもつ絵本という印象があり、映画化等のオファーがあるのではと水を向けると「作り方も、舞台となるこの町のどこに富裕層が住んでいて、歓楽街、ゴミ捨て場などはどこにあるのかなどをまとめた地図を作り、それぞれカメラワークを意識した構図になっています。映画化は面白いと思いますが、それならば同じ手法でもう一冊絵本を作りたいですね」と西野は語った。