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『この世界の片隅に』片渕監督と『永い言い訳』西川監督が対談!“原作”への想いを語る

映画

『この世界の片隅に』片渕須直監督と『永い言い訳』西川美和監督の対談が実現!
『この世界の片隅に』片渕須直監督と『永い言い訳』西川美和監督の対談が実現! クランクイン!

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 戦時中の広島・呉で生きる少女すずの“ささやかな暮らし”を描き大ヒットした『この世界の片隅に』の片渕須直監督と、本木雅弘主演の話題作『永い言い訳』の西川美和監督の2ショット対談が実現。2016年の映画賞を席巻した両監督が、互いの作品の魅力や、それぞれの制作秘話などを語った。

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 2月に行われた「第71回毎日映画コンクール」の授賞式で親交を深めたという片渕監督と西川監督。それぞれ、昨年10月~11月に小規模公開からスタートした映画ながら、口コミ等での評価が高く、大きな広がりをみせた。

 『永い言い訳』は、西川監督が自ら執筆した小説を自身の手で映画化した作品。「小説は、映画化したときに予算がどうだとか、そういうことを考えず、書きたいことを存分に描いた理想的なもの。書き上げた時点で成仏させたという考えなので、映画のシナリオを作る際は、いったんすべてを白紙に戻しました。小説と違うからネガティブに捉えるわけではなく、本木さんからしか出てこないものを借りて作ろうという思いがありました」。

 西川監督のアプローチ方法に、片渕監督が「小説と映画では同じ名前の主人公ですが、違う人物という認識ですか?」と質問すると「別物ですね。小説を読み返しても(主人公・衣笠幸夫に)本木さんの顔を思い浮かべることはないです」と即答。「でも、最終的に映画を観た人は、原作に近いと言ってくれる人がたくさんいたので、不思議な感じでしたね」と語る。

 では、片渕監督は『永い言い訳』鑑賞後、どんな印象を受けたのだろうか?「善意でできているお話だなって思いましたね。主人公は何かが足りない空虚な人ですが、その足りなさに悪意がなさすぎる。そこに気づいてきて埋めようとしているときに、本物の善意の塊である竹原ピストルさんに会う。鑑賞後感が良い作品でした」と感想を述べる。

 一方、こうの史代原作の漫画を映画化した片渕監督は「原作に出てくる人物に対して、最初に自分が抱いたイメージと別物にしてはいけないということは気をつけました」と西川監督とは違ったアプローチ方法で『この世界の片隅に』を完成させたことを明かす。続けて「もちろん作品によってアプローチ方法は違います。でも今回はあえて原作を信頼しきるというやり方、最良の読者になろうと思いました」と語る。

 物語の舞台となった広島出身の西川監督は『この世界の片隅に』について「いろいろな感想がありますが、一番印象に残っていたのが、呉が空襲にあった昼間に、空に色とりどりの煙が浮かんだ場面で、すずさんが『いまここに絵の具があったらな』と言ったシーンなんです。極限まで追い込まれている状況で、ああいったことを思ってしまう人間の業のようなものに共感をしたし、生命力も感じたんです」と述べると、片渕監督は「あのセリフは原作になかったのです。こうのさんはもちろん、あの煙が色とりどりだったことをご存知でしたが『白黒で描かなればならなかったので色はつけられないんですよ』って仰っていたんです。でも、実際、ああいう非日常な出来事が起こった瞬間って人は現実を把握できないものだと思うんです」と意図を語った。

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