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『この世界の片隅に』片渕監督と『永い言い訳』西川監督が対談!“原作”への想いを語る

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 最後に両監督に“主演”はどういった経緯で決まったのか聞いてみると、西川監督は『私は以前から、男前の主人公が、七転八倒する活劇が撮れたら、本木さんにお願いしたいなとは思っていたんです。そんな中で、是枝(裕和)監督に脚本を読んでいただいたときに、主人公と本木さんが似ているって仰っていたんです。是枝監督は樹木希林さんや、本木さんのお嬢さんともお仕事をされたことがあったので、『(主人公と同じぐらい)厄介な人なんですか?』って聞いたら『厄介な部分もあるけれど、不思議と憎めない人。会ってみたらいいよ』って。それでお願いしたんです」とオファーした理由を明かす。

 片渕監督は主人公・すずの声を演じたのんの起用理由ついて「この作品の監督補というのがうちの奥さんなのですが、彼女は20代後半から4人続けて子どもを産んだんです。子育てって全人格が否定されるぐらい、自分のことが何もできない。これまで培ってきたものをすべて分断されてしまったんです。やっと仕事に復帰すると、今度は仕事だけじゃ…ということで、山に行ったり、海に行ったり、そして、イルカと潜るためにダイビングを習ったんですが、そのダイビングのインストラクターが、『あまちゃん』で海女さんの指導をしてロケ現場にも行っていた人だったんです。そこで聞いた撮影時間外ののんちゃんの感じの中に映画の主人公のすずさんと共通しているものを見つけることが出来て意識し始めたんです。そこからは彼女しか思い浮かびませんでした」と、思わぬところで接点があったことを話してくれた。

 さまざまな出会いや縁で出来上がった両作品。これまでも作家性の強い作品を世に送り出してきている二人だが「映画って作り手の思いだけでは成立せず、受け止めてくれるお客さんがいてはじめて成り立つんです。そのことを大事に映画作りをしていって欲しいですね」と片渕監督が若い世代にエールを贈ると、西川監督も「誰でも最初は“自分の話”を描こうとするのですが、観ている人のことも同時に描けていないとコミュニケーションツールとしては成熟していかないと思うんです。私も映画を作るたびにそのことを気付かされますし、受け手がいてはじめて映画になることを意識してものづくりをしていきたいですね」とメッセージを残してくれた。(取材・文・写真:磯部正和)

 映画『永い言い訳』のブルーレイ&DVDは現在発売中。映画『この世界の片隅に』はロングラン上映中。

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