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『カーズ』監督、“森のシーン”は「『となりのトトロ』を意識」

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 まるで少年のように作品を熱く語るフィー監督だが、実はメガホンを取るのは本作が初めて。超人気作だけにプレッシャーはなかったのだろうか?「チャンスをもらって本当に嬉しかった。演出している期間は人生で一番幸せな時間だったよ。ただ、それと同時に、人生で一番辛い時間でもあったね」と本音がポロリ。『カーズ』の生みの親であるピクサーの恩師ジョン・ラセターからも「付きっきりでアドバイスをもらった」というフィー監督は、その中で最も印象に残ったのが、ピクサーに受け継がれる“スタッフ愛”だと強調する。

 「この作品には300人以上のエキスパートが関わっているけれど、彼らを心からリスペクトし、彼らが最高の仕事をできる環境を作ってあげること。その中で監督は、物語が破綻しないようにしっかりとコントロールし、そして、この作品を作る上でのインスピレーションをみんなに与え続けることが大切だと、改めて学んだよ」と述懐。さらに、「局面ごとの判断は監督に委ねられるけれど、ピクサーは“何でも試してみよう”という空気を大切にしている集団。“失敗しても、また取り戻せばいいんだよ”というチャレンジ精神に満ちた環境が常にいいもの生み出す血液になっているんだ」。

 最後に、これからの時代を担う若きアニメーターへのアドバイスを求めると、ピクサーで共に切磋琢磨した二人は口を揃えてこう主張する。「アニメーターとしての技術を磨くのは当たり前。でもそれは、自分のアイデアを伝えるためのツールに過ぎない。大切なのは、自分のビジョンをツールというフィルターを通してどう観客に伝えていくか、ということ」。人を感動させる作品を作るためには、その先がある。「たくさん映画やアニメを観ること。自分が感動したら、なぜ、心が動かされたのか、その瞬間を考えてみることが大切」と語るフィー監督。若きアニメーターへの激励と共に、それはまるで、自身へ向けた言葉のようにも聞こえた。(取材・文・写真:坂田正樹)

 映画『カーズ/クロスロード』は全国公開中。

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