テレ東P、新たな“Jホラー”確立へ 田原総一朗の規格外ドキュメンタリーがヒントに
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「まず、この深夜帯という枠を基点に、Jホラーの新しいスタイルを確立したいと思っています。そもそも日本は、情念に訴えかける怖さが主流ですが、そこにもっとフィジカルな怖さを融合できたら面白いんじゃないかと。今回のドラマも、まさにそこを狙っているのですが、シリーズ化して海外にも通じるJホラーの“タネ”を育てていければ」と、五箇氏は思いをめぐらす。
ところで、コンプライアンスによってテレビがつまらなくなったと言われる中で、ひときわ異彩を放つテレビ東京。五箇氏はこの現状をどう捉えているのだろうか。「他の民放が百貨店とするなら、テレ東はセレクトショップ。そういった点で、視聴者を振り向かせるためにやっていることが結果的に目立っているのかもしれませんが、百貨店でも『カルテット』(TBS系)や『ゆとりですがなにか』(日本テレビ)など、素晴らしいドラマがたくさんある。コンプライアンスは言い訳に過ぎない」とバッサリ。
「田原さんがディレクターだったころ、ハチャメチャな番組が多かったが、“面白いことをやらなきゃ誰も振り向いてくれない”という思いこそ、テレ東の源流」と語る五箇氏。本ドラマのサブタイトル『未知への挑戦』は田原氏が60年代に制作したドキュメンタリーのタイトル。あの頃のスピリットを忘れないために、このドラマにもしっかりと刻み込まれているのだ。(取材・文・写真:坂田正樹)
『デッドストック~未知への挑戦~』は、7月21日よりテレビ東京ほかにて毎週金曜24時52分から放送。