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『gifted/ギフテッド』マーク・ウェブ監督、スパイダーマンから原点に返った理由

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 メアリーの“ある”才能を伸ばそうとする母に対して、才能があるが故に命を絶った姉の遺志を受け継ぐフランク。学問よりも伸び伸び育てたいと願う彼の心は、いろんな葛藤や苦しみで渦巻いている。並みの俳優では表現できない難しい役どころ、これをクリスに託した真意とは何だったのだろう。「モデルはスティーヴ・マックィーンさ。無口でストイックな昔風の男。ファッションも、いかにも彼がオフに着そうなラフなものを選んだ」と笑顔を見せるウェブ監督。「クリスは、今どきの俳優にはない雰囲気を醸し出せる稀有な存在。心に深い傷を負っていて、まだその傷を引きずっている、そんな空気感がフランク役には必要だった。だから彼に賭けてみた」。

 ヒーロー映画のイメージが強かった分、クリスの演技は驚きに満ちている。それはまるで、シリアスドラマだけを丹念に積み上げてきたいぶし銀の佇まい。彼の才能を引き出したメアリー役のマッケナの功績も大きい。「彼女がいなかったら、この映画は作れなかった。オーディションが難航し、僕とクリスは頭を抱えていたが、800人を越えたときに、マッケナがやってきた。それはまるで、僕たちの思いをカタチにしてくれる工場がどこかにあって、理想の女の子を作り出してくれたんじゃないか? と思うくらい完璧だったよ」。

 キャット・スティーブンスの『ザ・ウィンド』をはじめ、舞台となったフロリダの長閑な町を表すような温かい音楽が全編を彩る本作。ウェブ監督の愛に満ちたメッセージが、劇場を涙で包み込むことだろう。(取材・文・写真:坂田正樹)

 映画『gifted/ギフテッド』は全国公開中。

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