木梨憲武「昔は暴れるのが僕らの仕事」 変わらぬ物づくりへの姿勢
「カメラの前を誰かが横切ろうと“目の前で起こったことを全部撮っておけ!”とか、昨日飲んだ席での話を“番組に取り入れるぞ!”とか、何でもあり。そのスピード感は今よりぜんぜん早かったし、それがテレビの魅力だった」としみじみ。「その代表が『みなさんのおかげ』だったわけですが、今、そんなことを言うと、“まぁまぁいったん冷静に”とか、“飲んだ勢いはやめてください”とか、たしなめられそうですよね(笑)。でも、物作りに対する熱い気持ちだけは変わっていないと信じたい」と胸の内を明かす。
また、「このタイミングでジジイ役をいただいたことで、再出発へのいい追風になった」とも語る木梨。このあと、画家として、6月にロンドンで初の個展を開催し、その後、日本でも15ヵ所巡回を予定しており、「この年齢でいろいろなことにチャレンジさせていただけるなんて、本当に恵まれている」と感謝しきり。「もちろん、とんねるずとしても、何か面白い企画があって、自分たちにマッチするものがあればどんどんやりますし、あとは、眠らせておくのがもったいないコーナー企画を特番でやろうか? ってなったときは、“よし、行こうぜ!”というスタンスはこれからも変わらない」。
さらに、「例えば“こんな物語の映画を作ってみたいんだけど、監督は僕で、助監督は安田成美でね”とか、できる、できない、は別にして、言うのは自由だから。今後、何が起きるかわからない。いずれ“まさかそっちへ!”と驚くような動きがあったら、“木梨、ついに来たな!”と思ってください」と含みのある発言も。ジジイ役で枯れるどころか、ますます弾みをつけた木梨。その先に、いったい何を見つめているのだろうか。新たな快進撃は始まったばかりだ。(取材・文・撮影:坂田正樹)
映画『いぬやしき』は全国公開中。