大野拓朗『西郷どん』人斬り半次郎の役作りのテーマは“ピューマ”
こうした役作りの助けとなっているのが鈴木の存在だ。「亮平さんも神です」と笑顔をみせると「すごいです、あの人は。器が大き過ぎますし、何でも相談できる方。シーンごとにアドバイスを頂きながら、半次郎と先生の関係を作っています」。
そんな鈴木からのアドバイスで印象に残っているのが、半次郎の内面だという。「『姿勢が良いのは大切なことだけれど、いい子に見え過ぎる』と言われたんです。小さいころの厳しい環境を生き抜いてきた荒々しさや、西郷先生以外信じないという狂気性みたいなものを出していった方がいいというアドバイスを頂きました」。
半次郎に対して“勇ましかわいい”というキーワードを掲げただけあって、“かわいらしい”は「得意技」と語る大野。今作は「敵に対して冷酷な部分を表現することが新しいチャレンジ。今までの好青年とは違う、狂気じみた部分をどれだけ出せるか」と課題を挙げ、その役作りのヒントにある動物をイメージしているという。
「いろいろ調べていて、普段甘えている顔の可愛らしさと、敵を見つけたときの獰猛な顔。ピューマは『まさに半次郎だ!』と思って参考にしています」。
半次郎は「禁門の変」が描かれる第27話(7月22日放送)で吉之助と運命の再会を果たす。大野が「半端なかったです」という、そのときの吉之助の笑顔にもぜひ注目だ。(取材・文:磯部正和)
NHK大河ドラマ『西郷どん』はNHK BSプレミアムにて毎週日曜18時、総合テレビにて20時放送。