黒木華、前妻への嫉妬にも向き合う『西郷どん』の妻は「強い女性」
自身が演じた糸について「どちらかというとお龍さんの影響を受けているのかなと感じる部分はあります」と述べると「私は結婚をしていないのではっきりとしたことは言えませんが、多分、私は旦那さんを支えるというタイプではないと思うので、より糸という女性の成長を強く感じるんです。お龍さんに会ったことにより(吉之助の前妻で二階堂ふみ演じる)愛加那さんへの嫉妬に向き合うようにもなりましたし…」と理由を説明。
吉之助にとって、愛加那という女性は、自身に生きる力を蘇らせてくれた特別な存在だ。当然、糸にとっても気になる女性であるが、時代的な背景を考えれば、気になりつつも、夫になる男性に気持ちをぶつけることは並大抵のことではない。
「糸はお龍さんの生き方を知り、愛加那さんのことを聞くことこそが、夫婦としてしっかりと向き合うことだと思ったんでしょうね。それまでは自分には子どもができないと思っていたし、後ろめたさもあったと思うんです。吉之助さんの人柄もありますが、しっかり向き合って、夫婦になれた糸は強い女性だと思いました」。
大河ドラマ『真田丸』でも、堺雅人演じる真田信繁の妻・梅として母親になり、本作でも、愛加那の子どもを引き取り母親として育てる場面がある。「梅さんのときは、子育てをしつつ、自分も戦いに出るような女性だったので、今回とは距離感が違いますが」と前置きしつつも「少しずつ母親役をやることが多くなってきているので、自分のなかでも『子どもと向き合うということはどういうことなのだろう』とか『母親はどういう気持ちになっているんだろう』ということを考えることは増えています」と“母親”というキーワードは意識のなかにあるという。
『西郷どん』第1話では、上野公園隆盛像除幕式に出席した糸の姿が映し出された。黒木は「きちんとつながるのかな」と、糸という女性の半生をしっかり演じきれるか不安に思ったという。まずは、久々に吉之助と再会した糸がどんな表情を見せるのか…楽しみに注目したい。(取材・文:磯部正和)
大河ドラマ『西郷どん』はNHK BSプレミアムにて毎週日曜18時、総合テレビにて20時放送。