『anone』、映画『万引き家族』蒔田彩珠、女優への“道”

イタリア映画の巨匠、フェデリコ・フェリーニの名作映画『道』が、デヴィッド・ルヴォーの手により音楽劇となる。しかも主役のザンパノを演じるのは草なぎ剛と、注目の顔ぶれがそろった。この作品でヒロイン、ジェルソミーナ役に抜擢されたのは、16歳の蒔田彩珠。オーディションで勝ち取ったこの役が、彼女の初舞台となる。
【写真】音楽劇『道』蒔田彩珠インタビューフォト
近年、彼女のことを気になっていた人は多いのではないだろうか? ドラマ『重版出来!』や『anone』、映画『万引き家族』などの注目作で、常に印象的な役柄を演じている彼女。今年の夏はダブル主演映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』も公開、その演技が好評を博したのも記憶に新しい。
実は子役としてのキャリアは長い彼女。しかし、これまで舞台は経験したことがなかった。
「マネージャーさんからの勧めで、そろそろ舞台挑戦してみる?と言われて。それでオーディションを受けさせてもらったんですけど、まさか受かると思っていなかったので……。決定したという知らせを聞いて固まりました(笑)」。
舞台というものに対し、それまで彼女が持っていたのはやはり“恐怖心”。ドラマや映画は失敗してもまた撮り直すことができるが、舞台ではそれができない。しかし彼女が持っていた不安を払拭したのは、意外にもこの『道』のオーディションだった。
「デヴィッド・ルヴォーさんにお会いして、舞台への不安がなくなったんです。ルヴォーさんが『道』という映画をとても愛していて、どういう舞台にしたいのかというのを、オーディションの段階でたくさん私に語ってくださって…この方なら安心してお芝居をぶつけられる、と感じて。そこで一気に不安はなくなりました」。
インタビュー時は、稽古開始前。
「草なぎさんとはまだお会いしてないんですけど、とても優しそうな印象で。そんな草なぎさんがどんな形でザンパノを演じるんだろう…とか、いろいろと想像がつかないことがたくさん。でも、毎日初めて経験することばかりなのかなと思うと、そこは純粋に楽しみです」。
オーディションでの経験も大きいのだろうが、これから経験する未知の“舞台”に対して、彼女はとてもポジティブだ。その言葉からは“女優”という仕事、そして演じるということがとにかく好きで、楽しくて仕方がないという気持ちが強く伝わってくる。