本田翼、迷い続けた女優への道 いまは「この道を決断してよかった」
そんな本田自身の大きな決断は、モデルとしてデビューした芸能界で、仕事を続けていこうと決心したときだった。
「正直、この道でいいのかどうか、めちゃくちゃ迷っていました。最初にお芝居をやらせていただいたときには、もうやらなくていいなと思ったんです。自分には違うかなと」と、心境を明かす。
「『違うんじゃないか』『もうちょっとやってみよう』と攻防戦を続けているうちに(笑)、オーディションに受かり始めたんです」。そこからはとにかく「がむしゃらに突っ走ってきました。あのときの支えに今も感謝していますし、自分もこの道を決断してよかったと思っています」。
本作への挑戦で、その気持ちはさらに強固なものになった。
「クライシス大作というジャンルに参加させていただいたのが初めてで、まずはそのこと自体をすごく嬉しく感じています。それに裕子のような普通の女の子というのも、実はあまりやったことがなかったんです。どこか芯が強かったりする子はありましたが、本当に平凡なフラットな女の子が成長していくという役は初めてでした。それをこうした緊張感のあるなかで臨ませて頂けたことは貴重な経験になりました」。
これからも女優業はもちろん、型にはまらず色々なことに挑戦していきたいと意欲を見せる本田が、観終わって大きく息を吐いたという本作公開に向け、最後にメッセージを送った。「とても考えさせられました。自分と同じ世代や、若い世代の方々に特に観てもらいたいです。戦争ってこんなに怖いことなんだということを強く感じられると思います」。(取材・文:望月ふみ 写真:松林満美)
映画『空母いぶき』は5月24日より全国公開。