『トイ・ストーリー4』監督、異色の新キャラ“フォーキー”に込めた真意
新キャラも多数登場するが、中でも先割れスプーンを使ったハンドメイドのフォーキーはひときわ異彩を放つ。「第1作目では、ウッディとライバル関係になるバズ・ライトイヤーが出てきたけれど、彼はテクノロジーの粋を集めたかっこいいおもちゃ。だから今回は、ゴミから生まれたアナログなおもちゃにして、コントラストをつけたかったんだ。それは、ウッディの心の成長にも起因する。最初は嫉妬深かったウッディが、本作では、弱きフォーキーに手を差し伸べ、『君にも価値があるんだよ』と励ましの言葉を投げかけたりするわけだからね」と真意を明かした。
(C)2019 Disney/Pixar.All Rights Reserved.
ちなみに本作には、『ファインディング・ドリー』(2016)や『カーズ/クロスロード』『リメンバー・ミー』(ともに2017)などを手掛けた日本人アニメーター、原島朋幸が参加している。原島はもともと『トイ・ストーリー』に憧れてピクサーに入ったと語っている。これに対してクーリー監督は、「僕もトモ(原島)の職人的な技術をリスペクトしているんだ。彼が作るショットはすごく目立つんだよ。例えば、ボニーが教室に入ってきて泣きじゃくるショットはトモが作っているんだけれど、本当にエモーショナルで、観ていて心を打たれるものがある」と称賛。
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さらにクーリー監督は、「ピクサーにはトモのように、『トイ・ストーリー』を観てアニメーターを志した人がたくさんいるんだ。今回は100名以上のアニメーターが参加しているけど、長年の夢を叶えた人、そしてパート1からずっと映画を支えてきたベテランがうまく融合して、本作を作り上げた。つまりこの作品は、観客はもとより、誰よりも『トイ・ストーリー』を愛するスタッフが、世代やキャリアの壁を超えて作りあげた夢の結晶なんだ」と胸を張った。(取材・文・写真:坂田正樹)
映画『トイ・ストーリー4』は公開中。