東出昌大&仲野太賀、もがき苦しんだ“桐島”で築いた絆 7年ぶり共演で実感
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そう言って当時の仲野のエピソードを語り、2人で爆笑する。今でこそ意外に思えるが、『桐島~』撮影当時は主演の神木隆之介以外、ほとんどの出演者は“無名の若手俳優”に近い存在だった。東出いわく「みんなが『どうにかなりたい』と思っていた」現場の中で、撮影にもがき、時にくだらない話で盛り上がり、作品を作り上げた日々。時にはレンタルショップに行って仲野が東出に映画を薦めたり、ということもあったという。
「その頃僕もまだギリギリ10代で、東出さんは現場の皆のお兄ちゃんというか、みんなのまとめ役だったんですよね。今思えば東出さんも映画の現場は初めてだし、いろんな思いもある中で、僕らガキンチョたちを全て請け負ってくれていた、その器のデカさというのは当時から感じていて。撮影からはもう8年? こうやって仕事で対峙できるというのはうれしいし、興奮してます。東出さんには僕の8年間はどう映るんだろう、と」と語る仲野。
改名後初の舞台出演となる仲野太賀
その言葉に照れ笑いしつつも、「でも岩松さんの舞台を最初に観に行ったのも、太賀から『岩松さんの舞台に出るから観に来て』って言われたからだよ。自分は当時、演劇の作品とか全然知らなかったから」と東出。「え、そうだっけ!?」と返す仲野だが、そんな2人の積み重ねてきた時間が、この作品へとつながっているかと思うと面白い。
「『桐島~』以降、あのときの共演者と一緒になることは度々あったんですけど、毎回特別。だから太賀と舞台、しかも岩松さんというのはすごくうれしいことだらけ。存分にやりたい」と意気込む東出。2人にとって特別な夏が、幕を開けそうだ。(取材・文:川口有紀 写真:高野広美)
取材中、おしゃべりと爆笑が止まらなかった2人
M&Oplaysプロデュース『二度目の夏』は、7月20日~8月12日まで東京・本多劇場にて公演。その後、福岡、広島、静岡、大阪、名古屋、神奈川にて公演。