山口紗弥加、もがき苦しんだ30代後半 “毒妻”役でストッパーを外し自由に
◆もがき苦しんでいた時期に転機となった『モンテ・クリスト伯』
山口自身は38歳の時に、芸歴25年にして初の連ドラ主演作『ブラックスキャンダル』(読売テレビ・日本テレビ系)を射止めた。しかし実は、その前に出演した作品が大きなターニングポイントになったという。
(C)「38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記」製作委員会
「38歳になってすぐは、ここから何をどう表現すべきか、私に何かを求めてくれる人がいるのかどうかも分からない中で、もがき苦しんでいた時期でした。そんな時に『モンテ・クリスト伯―華麗なる復讐―』(フジテレビ系)という作品で毒妻の役に出会って。それまでの私は、演じる際に、自分で“ここから、ここまで”という可動域を決めて役柄にブレーキをかけていた部分があったのですが、この役に関してはストッパーを一切外してみよう、行けるところまで行ってみようと目標を立てました。こんなに役について悩むかな、ここまで考える必要あるかな?っていうくらい、現場を離れても役についてずっと考えてしまうような生活で(笑)。でも、気付くと、劇中の毒殺シーンをわくわくしながら想像している私もいて…役と自分との境目がよく分からなくなっていた時間でもあります」と振り返る。
「すると、思いがけず大きな反響をいただいて、想像もしていなかったまさかのギフトが届いて…停滞していたいろいろが突然、面白いように回り始めたんです。物事が動き出す瞬間の、増幅するエネルギーみたいなものを体感した年でした」。
◆「自分が動かないと誰も動いてくれない。待っていちゃダメ」
「そこで学んだのは、やっぱり自分が動かないと誰も動いてくれない。待っていちゃダメなんだということ。なんとか声をふり絞って、誰かに気づいてもらえるよう発信し続けることが大事で、自分自身に制限をかけるべきではないということ。それまではどこか保守的で受け身だった私が攻撃型になったのは、明らかにそこから。それからは、スイッチが入ったように全力で突っ走ってきました。失うものは何もない。今度こそ、本当の意味での自由を手に入れたような気がします。体ひとつで現場に乗り込む覚悟があります(笑)」と明かす。
(C)「38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記」製作委員会
「今回演じるチアキも、現状を、自分自身を変えたくて、何かを求めていたんですよね。それが何かは分からなくて、たまたま出会ったのがマッチングアプリだったんだと思うんです。それが引き金となって、天国と地獄を味わい、結果、“あ、こんなものなのかな”っていう境地にたどりつく。でも、何もせずにいろいろを諦めてその場に留まっている人には絶対に分かりえないような、ものすごく強い『生きる力』みたいなものを、経験から、確実につかみ取ったはずなんですよね。撮り終えて強く思うのは、いますごく生きづらいなとか、居心地悪いなとか、何かひっかかるものがあって、苦しんでいるような方にこそ見ていただきたいドラマです。決して浮ついただけの作品ではありません」。(取材・文:編集部)
ドラマパラビ『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記』は、テレビ東京ほかにて11月18日より毎週水曜24時58分放送。