俳優・長瀬智也は“唯一無二の人” ――名作タッグ・宮藤官九郎&磯山晶Pが魅力を語る

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主演・長瀬智也×脚本・宮藤官九郎×プロデュース・磯山晶。数々のヒット作を世に送り出してきた黄金チームによる金曜ドラマ『俺の家の話』(TBS系/1月22日より毎週金曜22時)がいよいよスタートする。約11年ぶりにタッグを結成し、“親の介護”をテーマにしたホームコメディーという斬新作に挑む宮藤と磯山に、俳優・長瀬の魅力や本作に込めた思いを聞いた。
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◆“介護”は立ち向かうべき価値あるテーマ
本作は長瀬演じるピークを過ぎたプロレスラー“ブリザード寿”こと観山寿一が、能楽の人間国宝である父の介護のため現役を引退、名家の長男として家族と謎の女性介護ヘルパーを巻き込みながら、家族と一致団結し一家をまとめていく、まったく新しい形のホームドラマ。長瀬×宮藤×磯山のタッグは『池袋ウエストゲートパーク』(2000年)、『タイガー&ドラゴン』(2005年)、『うぬぼれ刑事』(2010年・いずれもTBS系)以来、4度目となる。「長瀬くんが“子どもを持つ親”を演じたことがないと言っていた」(宮藤)こともあって、本作の構想がスタートしたという。
宮藤は「僕の周りにも、親の介護をしている人が多い。誰もが直面する問題なのに、その割にドラマで扱われることは少なかったように感じる。それを長瀬くんと僕が作ってきた作品のテイストで、ふさぎこんでいるばかりではない介護のドラマができたら面白いなと」と思いを明かす。
ここ5年に両親を見送ったという磯山も実体験を交え、「このつらい状況がいつ終わるんだろうと考えたら、親が死ぬまでだと気づく自分がいて。身近な中にある一番ドラマチックな出来事が、意外と親の生き死にや余命だと感じました。“介護のドラマなんて見たくない”という反応もあるかと思いますが、避けては通れないことですし、辛気くさくやるつもりはありません。立ち向かうべき価値あるテーマだと思っています」と語る。
金曜ドラマ『俺の家の話』メインビジュアル (C)TBS
◆長瀬智也による“プロレスラー”へのこだわりが随所に
“プロレス”と“能”という振り幅の大きい設定もあるが、「家業が嫌で家を飛び出した普通の42歳の男性の悲哀を描いたお話です。今回長瀬さんが演じる寿一は『池袋ウエストゲートパーク』のマコト、『タイガー&ドラゴン』の虎児、『うぬぼれ刑事』の“うぬぼれ”よりも、一番リアリティがあって地に足が着いている人物。長瀬くんも42歳になり、いい意味で“おっさん”になって、普通の人が感情移入しやすい人物像になっていると思います」(磯山)。
“寿一像”には長瀬の意向もかなり反映されているそう。特に「プロレスにはこだわりがあって、どういうコスチュームで、どういうタイプのレスラーなのかというイメージを気にされていました」(宮藤)、「“ヒールのつもりでいたのに、アイドルレスラーとして売り出されてしまった”という設定にしようと貴公子風のコスチュームを想定していたのですが、“ブロディに憧れていた人は貴公子風にはならない”ということで、ワイルドでこわもてな方向に。体づくりやコスチュームに関しても、先手先手で準備してくださっています」(磯山)と長瀬の強い思い入れを語る。
「(長瀬は)割と形から入っているように見えて、その『形』が本質を突いている。髪型やコスチュームに関しても、本人にとってはそれがキャラクターの核心につながる。それはほかの作品でもそうですね。おかげさまでプロレスのシーンは本物のようなプロレスラーの仕上がりになりました」(宮藤)。