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山口紗弥加、怖い役だけじゃ足りない 悩みつつ挑む等身大役で新境地

ドラマ

◆ワダ・エミから贈られた忘れられない言葉

 本作の脚本には金言があふれていると話す山口だが、自身にとっても忘れられない言葉があるという。「舞台NODA MAPに出演させていただいた時に二役を演じ、何度も早替えがあったんです。数十秒で衣装も髪型もメイクもすべて自分で変えなくてはいけない場面があり、生意気にも『不可能だ』と言ってしまったんです」と振り返る。

 「その時に衣装を担当されていたワダ・エミさんが『不可能なんてない。もし不可能だと思うんだったら、あなたが可能にしなさい』とさらりとおっしゃって。その時は『そんなこと言われても!』と思ったのですが、試行錯誤し自主練習を重ねたら…できちゃったんです! もしそんな言葉をいただかなかったら挑戦することもせず、どうにか別の形に!と、お願いしていたかもしれない。エミさんの言葉とそれを受けての自分の行動、その結果が今の自分にちょっとした勇気をくれています。

 苦しいことがあっても、善し悪しは別としてその先には何かがある。諦めなかったら、何かしらのギフトが届く。自分次第で変えられる未来は確実にある。そんな実体験も今回演じる香菜に投影しながら、見てくださる皆さんに、希望にも似た“何か”をお届けすることできたらいいなと思って演じています」。


 今回演じる香菜はバスケ部の部長だったという設定だが、自身にはキャプテン要素はないそう。「唯一中学の時に生徒会の美化委員長をやったくらい…。立候補したのもいま思えばゲーム感覚だったんですかね。無責任ですね」と恥ずかしそうに笑う。高校時代も「現場で監督に怒鳴られるということが私の青春だった」という山口。これまで26年のキャリアの中でさまざまな女性を演じてきたが、一番強く印象に残っている役は、デビュー作『若者のすべて』(フジテレビ系)で演じた心を閉ざした少女役だという。「初めての現場で何もかもが新鮮で、いつもテレビで見ていたスターたちが目の前に!というワンダーランドにいるような状態。そのせいで強く印象に残っているのかもしれません」。


 それでは、やりやすい役というのはあるのだろうか? そう尋ねると悩みつつも「自分とかけ離れている役のほうが、想像のところで演じられる。“こうなったら面白いんじゃない? こういうのもありじゃない?”と現実から離れたところに飛んでいける自由がありますし、“これは役柄だから”という言い訳がきくところもあるので、怖い役やトリッキーな役のほうが遊べて楽しいかもしれません」。

 今回は真逆なキャラクターとなるが、「怖いですね…」とぽつり。「偽らず飾らず、繊細で丁寧な感情表現を求められている気がして、勢いではごまかせないというか…。この人ってこういう人だよっていう鮮明な特徴がない分、人間を問われている。人間味というような、にじみでるものが大事な気がしています」と役をつかもうと苦しみながら対峙(たいじ)している。「香菜と同じ目線や感情でドラマの世界に入っていただけるように、私自身の延長線上で演じたい。他人事ではなくご自身のこととして見ていただけるような香菜でありたい。共感してほしいというよりも、理解していただけたらうれしいです」と語る。「香菜は、たくましくけなげに毎日を必死に生きていく。失敗したって自分の未来は自分で切り開いていく生命力がある。そんな力強い生命力を、視聴者の皆さんにお届けしたい。そう思います」。


 香菜という人物に真摯(しんし)に向き合い、これまでに経験したことのない感覚で役に挑むという山口。今まで見たことのない“女優・山口紗弥加”の姿に出会うことができそうだ。(取材・文:編集部 写真:高野広美)

 ドラマ10『ドリームチーム』は、NHK総合にて1月22日より毎週金曜22時放送。

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