山口紗弥加、怖い役だけじゃ足りない 悩みつつ挑む等身大役で新境地

昨年ドラマ『共演NG』(テレビ東京系)で狂気と純粋さを併せ持つ、主人公のクセが強い妻を演じ大きな話題を集めた女優・山口紗弥加。ここ最近怖いと言われる役の続く山口だが、1月22日にスタートする主演ドラマ『ドリームチーム』(NHK総合/毎週金曜22時)では夫の不倫で“ステキ主婦”の仮面が剥がれた女性役に挑む。念願の等身大の役柄を演じる山口に、新作に込めた思いを聞いた。
【写真】役柄を離れた素の山口紗弥加は笑顔がキュート
◆怖い役だけじゃ足りないという欲が膨らんできた
どん底に転落した元バスケ部の3人の女性たちが、恩師の言葉「最後まで攻めろ!」に後押しされながら、逆境を乗り越え新たな人生へと一歩踏み出していく姿を描く本作。山口が演じる香菜は、周囲から羨望(せんぼう)のまなざしを向けられるセレブ妻だったが、実は夫からモラハラを受けており、あることがきっかけで必死に繕ってきた自分、家庭、人生のすべてが壊れてしまうという女性だ。
ドラマ10『ドリームチーム』場面写真 (C)NHK
『モンテ・クリスト伯―華麗なる復讐―』(フジテレビ系)、『ブラックスキャンダル』(読売テレビ・日本テレビ系)などアクの強い役で見るものに強烈なインパクトを残してきた山口だが、「そういう役柄に魅力を感じ嬉々として演じさせていただいてきたのですが、なんだかそれだけじゃ足りないっていう欲が私の中でどんどん膨らんできていました」と明かす。「怖いと言われる役は自分とかけ離れたところが多くあり、想像で演じるところが多いのですが、想像することよりも現場で感じたこと、相手の役者さんとのやり取りの中で生まれてきたものを誇張せず、足したり引いたり計算することもなく、この身ひとつで臨めるような役を演じてみたいという願いが湧いてきていた」。そんな中で挑む本作は、「その瞬間をすべて出し切る。私を使い切るということに集中して現場にいる感じ」で撮影に臨んでいるという。
ドラマ10『ドリームチーム』場面写真 (C)NHK
香菜と共に母校の女子寮で生活を始める事情を抱えた仲間には、財前直見、桜庭ななみと世代の異なる女優陣が顔をそろえる。「これは当て書きだなって思ってしまうくらい皆さん適役で。居心地がよすぎて楽しい現場」だという。「3人の女性たちの掛け合いが面白くて。それぞれの世代の違いを背負ったようなセリフや、年代によって感覚がこれほどまでに違うかというような、ケンカにも似た会話のやりとりがあるんです。女性同士って思ったままを直球で言い合うじゃないですか。そこが爽快です」と笑う。
ドラマ10『ドリームチーム』場面写真 (C)NHK
ちなみにバスケットボールは苦手だそうで、合同練習のほか「『スラムダンク』を読んだり、ボールを抱いて寝たり(笑)」とイメージトレーニングを重ねたそうだ。