クランクイン!

  • クラインイン!トレンド

佐藤健、剣心との出会いに感謝と別れ 「剣心を胸に刻んで、囚われながら生きていく」

映画

■1作目からの驚くべき進化 シリーズ集大成のアクションに「悔いなし!」

 本シリーズの最大の見どころとなるのが、迫力のアクションシーン。佐藤は、剣心が使う“斬れない刀=逆刃刀”を使ったソードアクションとしては「できるすべてのことをやりました。悔いはありません」と自信をのぞかせる。

 さまざまなキャラクターが参戦したお祭り的なアクションもあり、さらに『The Final』のクライマックスにおける剣心と縁の戦いは、彼らの心のぶつかり合いの見えるドラマチックなアクションとして完成した。佐藤は「縁との一騎打ちとなるアクションは、 『The Final』で一番悩んだシーン」だと明かす。「 『The Final』の最大のテーマは、剣心が縁とどのように向き合うかということ。縁とのアクションにおいて、“どうやって剣心の心を伝えていくのか”ということが、ものすごく大切でした。本番ギリギリまで、縁にどのような言葉をかけるべきなのか悩みましたし、剣心の心のありようについてずっと考えていました」。

『るろうに剣心 最終章 The Final』より
(C)和月伸宏/集英社 (C)2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会

 アクションの手数も膨大なものとなるが、「エモーショナルな部分に集中することができたのは、すごくよかった。それはアクション部との信頼関係や、これまでの積み重ねがあったからこそできたこと」と継続の重みを実感。

 思えば1作目でインタビューをした際、佐藤は「アクション部の方々に、手取り足取り教えていただいた」と話していた。それが本作では、「アクション部と話し合いながら、“ぬるいアクションになるくらいだったらカットしたほうがいい”という共通認識で、動きを決めていきました。シリーズを重ねながら、“これはきれいに決まる、これは決まりづらい”といったデータもできたし、今回はこれまでの反省点を生かして、かっこいいところだけ凝縮したアクションになっています。取捨選択がバンバンできた」と驚くべき進化を遂げた。「間違いなく、アクションのクオリティはこれまでで一番のものになったと自信を持って言えます」と語る姿が、なんとも頼もしい。

■剣心と出会えた幸せ 「剣心を胸に刻んで、囚(とら)われながら生きていく」

 1作目が公開されたのは、2012年のこと。1989年生まれの佐藤は、まだ当時20代に突入したばかりだった。今年32歳となり、世代を代表する俳優となった彼だが「剣心と共に20代を歩んだからこそ、今の僕がある。この役と作品に出会わなかったら、今の僕はいない」とキッパリ。

 「剣心との旅は、僕の役者人生とニアリーイコールなものだと思います。1作目で主演を務めたときに、僕の新しい役者人生が始まったとも言える。剣心を演じてからは、いただける仕事の質も変わってきたし、周りの人たちも“剣心を演じた人”として僕を見るようになり、どこか剣心と比べられながら、歩んできた部分もあると思います」とその道のりを振り返る。


 剣心との出会いについて「ものすごく幸せで、本当に幸運なこと。関わるすべての人が人生をかけて奮闘する作品って、そんなにないと思うんです」と心を込めた彼にとって、剣心との別れも大きな意味を持つものとなる。

 「僕にとって、ものすごく大きな区切り。“剣心後”は、僕の役者人生のまた新しい章が始まる。これからは『るろうに剣心』に恥じないような仕事の仕方をしないといけないし、それを超えていかないといけないと思う。剣心以上に、人生をかけて挑めるものをやっていかないと意味がない。そう言った意味では、剣心を胸に刻んで、剣心に囚われながら生きていく。それくらい、僕の役者人生にとって、大きな作品であり、役です」とまっすぐなまなざしで覚悟を語る。代表作を生み出した役者にとって、そこから戦いが始まるのは宿命でもある。『るろうに剣心』というすばらしいライバルに励まされ、佐藤健は力強い一歩を踏み出す。(取材・文:成田おり枝)

 映画『るろうに剣心 最終章 The Final』は4月23日より、『るろうに剣心 最終章 The Beginning』は6月4日より全国公開。

2ページ(全2ページ中)

この記事の写真を見る

関連記事

あわせて読みたい


最新ニュース

  • [ADVERTISEMENT]

    Hulu | Disney+ セットプラン
  • [ADVERTISEMENT]

トップへ戻る