“年齢に抗わず自然に” 安達祐実、まもなく迎える40代は「すごく楽しみ」
■「理想形に近づいている」と実感できる現在の立ち位置
本作を含め、近年安達が演じる役は、非常に視聴者の想像力を掻き立てる面白いキャラクターが多いように感じる。本人役として登場し、自身のいまと過去を赤裸々に語った『捨ててよ、安達さん。』(テレビ東京系)をはじめ、『婚外恋愛に似たもの』(dTV)ではドルオタ、『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)では気風の良い姉御女性など、“かわいらしい”というパブリックイメージにプラスした引き出しの多さを見せている。
安達自身も「そういう広がりを求めていたというか、私は『こういう役がやりたい』というのはないのですが、逆に言うと、どんな役でもやってみたいと思っていました。30代に入ってから、自分の考える理想形に少しずつ近づいているという実感はあります」と手ごたえを感じているよう。
この役を安達祐実にやってもらったら面白いんじゃないか――そう思ってもらうために、自分自身の“いま”を素直に飾らず出すように心掛けた。子役としてブレークする一方、そのイメージから苦しむ時もあった。「強い言い方かもしれませんが、見向きもされない時期もあったと思うんです。でも私のことを知らないだけで、もし知ってもらえたら『安達祐実っていいかも』と思ってくれる人がいるかもしれない。だから本当の自分を発信することは意識しました」。
■迎える40歳…これから先はもっと楽しくなる
プライベートの素顔を見せたり、何気なく感じた思いをつづった安達のインスタグラムは現在約100万人のフォロワーを有し、素のままの安達の生き方に多くの女性の共感を呼んでいる。
「女性って年齢を重ねていくと、プレッシャーを感じてしまう人が多いと思うんです。結婚や出産もそうですが、肌の若さとかしわとシミとかに悩んだりするのは、世間が“いつまでもキレイでいる方がいい”と求めているという意識が浸透してしまっているから。だから私はあまりそういうことに抗(あらが)わずに生きていきたいし、それを体現していきたいと思っています。そういう私を見て、 “もっと楽に生きてもいいんだな”と思ってもらえているなら、すごくうれしいですね」。
充実した30代を過ごし、今年9月には40歳という年齢に達する。安達は「すごく楽しみなんです」と目を輝かせると「若いころは感じなくてもいい重荷を感じて全部背負い込んでしまっていたのですが、30代後半になって、女優としても本当に自由にやらせてもらい、面白く過ごせてきたので、これから先はもっと楽しくなるのでは…と期待しているんです」と笑顔を見せる。
さらに安達は「子どものころからずっと仕事をしてきましたが、コロナ禍になって、生活とか生きることをもう一度考える機会がありました。これまでは仕事に重点を置いてきたけれど、日常の生活や家庭のこと、子どものこととかをより考えるようになったので、40代はバランスよく、いろいろなことに向き合っていきたいです」と抱負を述べていた。(取材・文:磯部正和 写真:ヨシダヤスシ)
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