アンタッチャブル・山崎弘也、底抜けに明るいポジティブ力 「落ちない・悔しがらない」
■「落ちている時間がもったいない」「悔しがりもしない」
楽天的な性格だからこそ常にフラットにいれて、明るく元気。山崎のポジティブなキャラクターは多くの人を元気づけているが、緊張したり、落ち込んだりすることはないのか?「あんまりないですね。一時期、ダウンタウンの松本(人志)さんは緊張しましたが、もう慣れたし(笑)。『良くなかったな~』と思う時はありますが、落ちている時間がもったいないと思っちゃうんですよね。僕の中では、『臭いものにフタ』と言うか、ゴミとして捨てて次に進みます。悩んでいる時間より、もっと考えること、必要なものがあると思うんです。とりあえず生きるのが大事ですからね。お腹がすいたら、何か食べようとか(笑)。あと、僕は賢くないので、考えてもいい答えが見つかるタイプではなくて。出たとこ勝負の人間で、悔しがりもしない。こういう生き方はすごく楽ですよ」。
また、周りに恵まれていることを実感しているそうで、芸人としてのスキルも「単純に誰かと話すことが実になってる」とも。「人力舎で育てられましたから。同じ事務所もそれ以外も周りは楽しいメンバーがいっぱい。そんな人たちと楽しく遊んでいることが、仕事につながっている。この仕事の最高にいいところですよね。あと無茶なことを言うのは、くりぃむしちゅーの有田(哲平)さんに育てられました。あの人ほど無茶ぶりする人はいないし、それを受けてきましたから、それを誰かに伝えたいって意味で、周りから迷惑がられていますけど無茶ぶりしてます(笑)。でもある意味、無茶なことがないと生活は面白くないし、あることで刺激が出る。『無茶こそ人生』っていうね。僕はギリギリ倫理に触れない無茶ぶりを探ってます」と茶目っ気たっぷりな表情を見せる。
■芸人は僕にとって天職。これほどいい仕事はない
そうやって常に楽しさを追求する山崎。芸人としての核となる部分を聞くと、「笑いたい、笑わせたいという気持ちだけ」とキッパリ。「斜に構えてかっこつけていた時期もありましたけど、『ウケたい、笑わせたい、モテたい』という欲求があるのがお笑い芸人。常に『楽しい』と言っていたいし、それは小学校の時からそう。ひょうきん者で、映画『ロッキー』のモノマネをして笑いをとったり。怒られたこともありましたけど、そこからその精神はこびりついていたのかも。そう考えると、芸人は僕にとって天職ですね。これほどいい仕事はないです」。
そのポジティブさに話しているだけで明るい気持ちになってくるが、どうしたら彼のようになれるのか。「1回、しいては1年『悩まない』って決めて生きてみたら、何か違う世界が見えるかもしれませんよ。『悩まないと真剣にやっていない』『悩みこそ人生』という意見もありますけど、逆に『悩まず生きていく』のを無理にでもやってみたら、悩まなくても生きていけるようになるかもしれない。悩むの禁止!みたいなね」とアドバイスをくれた。このポジティブ力こそが、長年愛される『アンパンマン』のように、芸人“ザキヤマ”が長年にわたって親しまれる要因なのではないだろうか。(取材・文・写真:高山美穂)
映画『それいけ!アンパンマン ふわふわフワリーと雲の国』は6月25日より全国公開。