アンタッチャブル・山崎弘也、底抜けに明るいポジティブ力 「落ちない・悔しがらない」
明るいキャラクターと、周囲への的確なつっこみとボケで笑いを生み出していく山崎弘也(アンタッチャブル)。2003年の『M‐1』をきっかけにブレイクして以来、常に芸人として第一線を走り続け、プライベートでは2015年に結婚、今では2児のパパと、公私ともに順風満帆だ。そんな山崎が、映画『それいけ!アンパンマン ふわふわフワリーと雲の国』にゲスト声優として出演する。芸人としてのこれまでの話を聞くと、「天職」「常に楽しむ」「悩まない」との言葉が飛び出し、アンパンマンのような心のぶれなさ、底抜けに明るいポジティブ力が垣間見えた。
【写真】アゴの割れ方がそっくり!? 山崎弘也演じる雲の長老
■娘との関係はドキンちゃんのわがままを聞くばいきんまんのよう
本作は、雲の国で生まれた“雲の子・フワリー”とアンパンマンたちが雲の国を救うために大奮闘する物語。山崎が演じるのは、雲の子たちと一緒に、真っ白な雲をいろいろな町や星に配りながら旅をする雲の長老だ。
子どもと毎週見ているという『アンパンマン』。話を聞いた時は、「夢のようで1週間記憶がないみたいな。フワフワして“フワリー”って感じですね」とニヤリ。以前出演した作品と同じスタジオでアフレコ収録したこともあり、「ある意味ホームグラウンドですね」とドヤ顔を見せ、「監督さんにすごくのせていただいて。ジャムおじさんが僕に話しかけているという感動をかみ締めながらやらせていただきました」と満面の笑み。
映画『それいけ!アンパンマン ふわふわフワリーと雲の国』より
(C)やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV (C)やなせたかし/アンパンマン製作委員会 2020
山崎が声を務めることになり、長老のキャラクターデザインが変更になったそうで、「アゴを割っていただき、感謝ですね。また長老は僕だと思って見ていただいてもおかしくないぐらいまんまっていう(笑)。ザキヤマ感を入れつつ、本当に楽しく演じました」と手応えを明かす。
娘たちとはアンパンマンごっこが日課だそう。「アンパンマンの人形を持つ娘に、ばいきんまん役の僕がいたずらすると、叩かれて『ハヒフヘホ~』と飛んでいくのを繰り返していて、いい運動です(笑)。娘はドキンちゃん好き。僕と娘の関係は、ドキンちゃんのわがままを聞くばいきんまんそのものですね。育児は奥さんと手が空いている方がやるようにしていますが、子どもたちはやっぱりママが好きで『ママにチェンジ』のようなことは言われますよ(笑)。オムツ替えもサクサクする妻は本当にたくましいし、頑張ってくれているのでありがたいです」。
■芸人としての転機は『M‐1』と『アメトーーク!』
1994年にプロダクション人力舎養成所に入所、同期の柴田英嗣とコンビを組み、アンタッチャブルとして活動を始めた山崎。芸人になってからの10年は「週休6日制度を取り入れてた」と苦笑いするほど仕事がない時期が続いたが、転機は2003年の『M‐1』と2009年に放送された『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の「後輩の山崎に憧れてる芸人!!」だという。「『M‐1』で敗者復活し3位になった時から、圧倒的に仕事が増えました。あれは分岐点ですね。また、『アメトーーク!』のおかげで個人として周りの見る目が変わった気はします。東野(幸治)さんが注目してくれて、本当に助かりました」と感謝する。
そんなブレイクのきっかけを生かし、さまざまなことがありながらも人気芸人として常にテレビに出続けてきた。成功の要因に迫ると「『売れたのは努力の結晶』みたいな気持ちは1mmもない」との意外な言葉が。「変な話、10年も仕事がなかったので、売れてない状況の方が当たり前で、仕事が増えたのはあぶく銭みたいな感覚で。仕事ができる喜びはありましたけど、ついているだけだと思っていたので、逆に力が入り過ぎなかったんですよ。『頑張ったから成果を出したい』っていう気持ちも分かるんですけど、僕は仕事に関して頑張ったっていう意識がなくて。そもそもネタ合わせもあんまりしないし(笑)。もしかしたらそれが良い方に転がったのかもしれないですね。その場その場を楽しんでいるだけなんです」。