飯豊まりえ、デビューから変わらない「人を喜ばせたい思い」 パワーの源は両親の存在
■「落ち込む時もありますが、すぐ変わりたいと思います」
「諦めない」という精神のもと、「いろいろなものをずっと積み重ねていきたい」と、女優、モデル、タレントとして常に前に進み続けてきた飯豊。「最初は両親に喜んでもらいたくて始めましたが、いつしか自分がこれなら続けられるなと楽しめていたんです。新しい壁がどんどん出てきて、それを乗り越えていく作業は本当にありがたくて。目標があると、続けられるんです。毎回、新しい出会いもあるので、その方々から刺激をいただいて、その中で自分の課題が見つかって。そこで、よりよい環境にするためには、どうしたらいいのかを日々模索しています」。
そんな自分を見つめ直す時間は、“ボッチ飯”など1人の時間だと言う。「いまはコロナ渦なので基本、日常の食事は1人ですね。サクっと食べられてすぐ帰れて、やりたいことに時間を使えますし。寂しさもありますが、ドラマでつぐみがお店の人と交流するように、1人でいるからこその新しい出会いや発見があるので楽しいです。また、この前は1人で銭湯に行って、デトックスしようとミストサウナと水風呂で自分と戦っていました(笑)。その後に定食屋に行って、洗濯して、21時にはベッドに入って。そういう時間はいいリフレッシュになりますね。落ち込む時もありますが、すぐ『変わりたい』と思うので」。
また、多数のキャストと共演していた『君と世界が終わる日に』から一転、『ひねくれ女のボッチ飯』の現場は、“1人芝居”の多い現場に。「半年間ずっと誰かと一緒にいたので差は激しかったですけど、1人芝居もすごく楽しくて。今回は共演者ではなく、どれだけカメラマンさんや監督さんに笑ってもらえるかというキャッチボールをしていました。私、基本的に自分がしたことで相手に喜んでもらえるとうれしくて。現場の空気が『面白い、楽しい』となったらいいなと思って演じていました」。
■「一緒にいる方々に喜んでもらえるような人になりたい」
そんな「人を喜ばせたい」という気持ちは、プライベートでも仕事でも自身の軸になっているそう。芸能生活も「両親を喜ばせたい」という思いがきっかけ。いろんな人と出会い、いろんなことに挑戦することで両親が喜び、活動の幅が広がっていった。そんな両親は今でも飯豊のパワーの源になっているそうで、「20歳の時に母親から手紙をもらったんですけど、そこに『尊敬しています。お母さんにできないことを、あなたはやりました』と書かれていて。尊敬している母に、その言葉をもらえたのはすごくうれしかったですね。続けてよかったし、見ていてくれる人がいる限りは続けたいです」と目を輝かせる。
これからの目標を聞くと、「『一緒にお仕事をしたい』といろんな人に言っていただける人間になりたい。一緒にいる方々に喜んでもらえるような人になりたいです」と爽やかな笑み。また、「私は『より少ないことは、より豊かなこと』ということを座右の銘にしていますが、今回の作品はまさにそういう感じで。SNSでいろんな人やお店とつながれて、それだけも幸せだなと思えます」と語るが、そんな人との縁を大事にし、相手を喜ばせたいという精神が温かみのある演技を生み出しているのだろう。前に進み続ける彼女がこれからどんな進化を遂げるのか楽しみで仕方がない。(取材・文:高山美穂 写真:高野広美)
『ひねくれ女のボッチ飯』は、テレビ東京系にて7月1日24時30分第1話&第2話連続放送。翌週より毎週木曜25時放送。