元宝塚トップ娘役・真彩希帆、退団から半年 カルチャーショックの連続の中に充実感
◆宝塚退団から半年 毎日感じる原点に戻ったような新鮮さ
――退団から半年が経ちますが、この6ヵ月は早かったですか?
真彩:う~ん、どうなんでしょう。早い気がする! この半年、本当にたくさんの方にお会いして、カルチャーショックを受けて受けて受けて!みたいな(笑)。ラジオドラマの現場では、キャストの皆さんに出会った時に、“うわ~、声だけでこれだけ芝居できるんだ~。くー負けた~! 勉強が足りない自分!”って感じましたし、対談連載でミュージカル界の先輩にお会いして、芸の道に入ってよかったなぁって改めて感じたり。今は毎日、やりたい事の原点に戻ってきたな、“外の世界に出た。これから始まるぞ!”という気持ちを感じています。
――卒業してから、大きく変わったことはありますか?
真彩:料理の腕は上がったかもしれません。もともと自炊が好きな人間ではありましたが、宝塚時代は自宅って、帰ってお風呂に入って寝る場所になってしまっていて。今はいろいろ時間をかけてご飯を作ったり、テレビを見たり、台本読んで考えたりと、過ごす場所になっているのが、これまでなんでもないことを全然してこなかったので、すごく不思議で新鮮です。あとは、宝塚在団時は劇団から近い場所に住んでいたのですが、今はいろいろな稽古場に移動する際に、人を見る機会が増えて、“自分って、いろんな人の中で生きているんだな~”ってすごく感じます。
――来年で初舞台から10年。今後はどのような歌と向き合い、女優さんになっていきたいですか?
真彩:私、いろんな歌と出会いたい。これだけが好きとかではなくて、胸がときめく音やリズムはジャンル問わず好きなんです。なので、自分からチャレンジし続けるのは当たり前として、これを歌ってくださいと誰かに言われた時に、“あ、こう来たかー!”って想像を超えて、ダイレクトに心に訴える歌を歌える人間になりたいです。女優さんとしては、私が子どもの頃に新妻聖子さんという存在を知りこの世界を目指したので、私も自分の存在で宝塚やミュージカルを目指したいって思ってもらえたり、誰かの道になるような、恥ずかしくない存在でありたいです。
あとは必要とされる人間でありたいとも思います。必要とされるためには自分が努力しなければならない。成長し続けなければいけないなと常に思っています。“そうでなければやめてしまえよ、自分”みたいな思いでいますし。ジャンルにとらわれず、クリエイティブな人でありたいというか。創造していく人でありたい。常に上を目指して、誰かに楽しんでもらいたいという思いを一番に、これからも舞台というお仕事をメインに生きていけたらいいなと思っています。(取材・文:編集部 写真:松林満美)
ミュージカル『ドン・ジュアン』は、大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて10月7日~17日、東京・TBS赤坂ACTシアターにて10月21日~11月6日上演。