林遣都「自分に自信を持ったら終わり」 “表現”と向き合う確固たるポリシー
波瑠主演のラブサスペンス『愛しい嘘~優しい闇~』で、主人公・今井望緒の初恋の人・雨宮秀一を演じ、視聴者を翻ろうしている林遣都。昨今「考察ブーム」を生むドラマ群が人気を博しているが、林は「視聴者の人をだまそうとか、ちょっと大げさなことをやってはぐらかそうといったお芝居は一切していません」と断言する。どんなジャンルであっても、役と観る者に寄り添う姿勢を貫く林。インタビューでは嘘や闇が渦巻くドラマにちなみ、林自身の“闇”も明かした。
【写真】落ち着いた佇まいで語った林遣都、撮り下ろしフォト集
◆負の感情は「たくさんある」
第1話のラストからジェットコースタードラマの様相を呈し、放送終了後には「ドロドロ過ぎ」「こんな同級会は嫌だ」とSNSが大盛り上がりを見せた本作。「“王子”」という反響が寄せられた林演じる雨宮だが、第2話では一転、疑惑が持ち上がったり、かと思えば母親思いの息子であることが判明したりと、1話分だけで右へ左へと、悪にも善にも映る林の佇まいに揺さぶられる視聴者が続出している。
自身は穏やかなオーラをまとい、ドラマの同級生たちのように負や闇の感情があるようには到底思えない林だが、そう話しかけると、「たくさんありますよ」と即答。「思うようにお芝居ができないとか、いろいろもがいて、負の感情に飲まれそうになったことがたくさんあります」と包み隠さない。「特に20代の頃は、そうした感情に悩まされることが一番多かったです」と明かす。
「自分が求めているもの、理想とするところに達していない自分自身に対して悔しさを覚えたり、ギャップにもがいていた」のはもちろんのこと、「周りを意識しすぎてしまった」と漏らす。「10代、20代というのは、どうしても他人と自分を比較してしまうものかなと。年齢の近い方々の活躍が目に入ってきますし、比較してしまうことがすごく嫌でしたが、でも間違いなく原動力にもなっていました」と口にする。
◆「自分に自信を持ったら終わり」
着実にキャリアを重ね、人々の心を打つ芝居を届ける役者として信頼を得ている林。今では他人と比較することもなくなったのだろうと思いきや、「年齢を重ねていくにつれて和らいでいってはいますが、今でも常にあります」と言う。しかし同時に「より自分自身との戦いが強くなっている」とも。
「多くの先輩方の姿や、自分に発見を与えてくれるような出会い、人間関係を通じて、最も大切にしなければと思っているのが、『満足したらダメ』『自分に自信を持ったら終わり』ということです。お芝居に限らず、おそらく表現のお仕事の多くは、自分に満足している人の表現は、人の心に響かないんじゃないかと思うんです。自分自身がもがいているからこそ、観ている人にも伝わる何かがあるというか。だから、そこは強く自分に言い聞かせています」と確固たるポリシーをのぞかせた。
◆緻密に構成された脚本に感動
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