インタビュー 関連記事

  • 『おかあさんといっしょ』よしお兄さんこと小林よしひさ&『パント!』りさお姉さんこと上原りさにインタビュー

    よしお兄さん&お姉さん、趣味は筋トレと料理とアニメ!? 意外なプライベートを明かす

    エンタメ

     NHKで放送されている『おかあさんといっしょ』の顔として絶大な人気を誇った、体操のお兄さん・よしお兄さんこと小林よしひさと『パント!』のお姉さん・りさお姉さんこと上原りさ。2019年3月に惜しまれつつ番組を卒業した2人が、番組在任中のエピソードや、これからの活動について語ってもらった。@@cutter 14年にもわたる“お兄さん生活”を過ごしたよしお兄さん。卒業を迎えた心境を尋ねると、「自分の中では“ロス”というよりも、“ホッ”とした思いが最初にありました。風邪をひいて休むということもなく、やりきれたなという気持ちがあります。自分を褒めてあげたいなっていう、ホッとした気持ちが大きかったですね」と心情を語った。りさお姉さんも「ここまで子どもと密接に関われることはなかなかない経験なので、幸せな世界に入られたんだなって、改めて思います」と充足感を見せた。卒業で“ロス”を感じているお母さんも多いことだろうが、2人の表情はすがすがしく、言葉通り、やりきった感が感じられた。 @@insert1  よしお兄さんの言葉にあるように、お兄さん&お姉さんとしての活動では、普段からの健康管理がとても大切だったようで、よしお兄さんは「自分の中で重きを置いていたのは、食事面」と明かす。  「料理が好きなので、自炊をしていました。こだわりは、『季節の野菜や食材を食べる』こと。それが、ナチュラルに健康でいられる秘訣(ひけつ)だと思います。それから、最近は腸活もしていて、乳酸菌や発酵食品も取り入れるように気を付けていました」。 @@insert2  ちなみに、よしお兄さんにとっては、筋トレや料理がリフレッシュ法の一つでもあったそうで、「そもそも筋トレが好きだったので、やればスッキリします。逆に疲れているときにジムにいくと、むしろやりすぎちゃうくらいやってしまう(笑)。料理は、黙々と作業することでデトックスやリフレッシュになりました」と教えてくれた。@@separator 一方、りさお姉さんも「よく食べるっていうこと。食べられなくなると力が出なくなるので、食べられるときにしっかり食べるっていうのは意識してました」と当時は食事を意識していたと話す。さらに、お休みの日には、「家でアニメを観ます。『Free!』や『うたの☆プリンスさまっ♪』が好きですね」と、意外な一面をのぞかせた。  よしお兄さんといえば、変顔やコメディセンスでも人気を博してきたが、変顔をするようになった経緯を「言葉の多くない番組で、自分の居かたやポジションを考えると、言葉に対する反応や表情や動きが大切だと思っていました。子どもたちと一緒に座って、手遊びをするときなど、ワンショットで抜いてもらったときに、何かもう1アピールした方が楽しいなと思って、表情豊かにしていたら巡り巡って変顔になった(笑)」と説明。発売されるDVDでは、そんなよしお兄さんの変顔もたっぷりと堪能できる。 @@insert3  今後の活躍も気になるところだ。よしお兄さんは「体操の指導という道にプラスして、メディアのお仕事も増やしていければいいなと思っています。今までケガのことを考えてできなかったこともあるので、いろいろなことにチャレンジしていきたいです。例えばスカイダイビングとか!」、りさお姉さんは「私はもともと、ミュージカルの勉強をしていたので、ミュージカルのお仕事を目指しつつも、いろいろなことに挑戦していきたいと思っています」と語り、2人はそれぞれに新たな道へ踏み出していく。(取材・文・写真:嶋田真己)  2人の軌跡をまとめた『NHK「おかあさんといっしょ」ブンバ・ボーン!パント!スペシャル~あそびとうたがいっぱい~』DVDは、現在発売&レンタル中。 @@insert4

  • 『アラジン』を鑑賞したアンミカにインタビュー(衣装:エスカーダ)

    アンミカ、『アラジン』ジャスミンが歌う「スピーチレス~心の声」に感動!

    映画

     不朽の名作として愛され続けるディズニーアニメーションを実写化した『アラジン』がついに公開! ディズニー映画の中で一番好きな作品が『アラジン』で、主題歌の「ホール・ニュー・ワールド」はカラオケの十八番というファッションモデルのアンミカが、本作の魅力、そして新曲「スピーチレス~心の声」から感じたことなどを興奮気味に語った。@@cutter 貧しくも清い心を持つ青年アラジンと、王宮の外の世界での自由に憧れる王女ジャスミンとの身分の違いを超えたロマンス、そして、3つの願いを叶えてくれるジーニーと“魔法のランプ”をめぐる大冒険を描く本作。2017年に公開された『美女と野獣』のオープニング成績を超える爆発的なスタートを切り、全国映画動員ランキング初登場1位となった。 @@insert1  そんな本作を劇場で鑑賞したアンミカは、「アニメーションの『アラジン』は、ディズニー映画の中で一番好きな映画なんですけど、今回の実写版もすごくよかった。オープニングから最後まで本当にあったかいし、キュンキュンしました。アニメーションと比べてどうだったとかじゃなくて、実写は実写の良さがあって素晴らしかったです。キャスティングも最高でした!」と話し、うっとりした表情を見せる。 @@insert2  世界中で歌い続けられる名曲「ホール・ニュー・ワールド」は、アンミカのカラオケの十八番だそうで、こんな驚きのエピソードも。「ピーボ・ブライソンが来日したときに、彼をお仕事で呼んだ方の邸宅に呼ばれたんです。そのときにピーポと一緒にデュエットしました」。凄すぎる秘話を持つアンミカだが、今回、新たに実写で歌われた「ホール・ニュー・ワールド」にはまた別の魅力を感じたという。 @@insert3  「ピーボとレジーナ・ベルの歌には色っぽい熟成した感じがありましたが、本作の若い二人が歌う『ホール・ニュー・ワールド』は、まっすぐに歌い上げる感じが若々しくてよかった。若い人にとっては、今回の二人の曲がスタンダードになっていくのだろうから、新しい『ホール・ニュー・ワールド』を私も練習しなくちゃ(笑)。こぶしで歌い上げる感じと、素直な感じ。両パターンで歌えるようにしたいですね」とニッコリ。  さらに今回、新たなお気に入り曲も加わったという。ジャスミンが自分の気持ちを歌い上げる「スピーチレス~心の声」だ。「私、『スピーチレス~心の声』を歌うシーンが一番感動しました。民を思うジャスミンが“心の声”を歌い上げるのですが、この曲は、ただ心の声を叫ぶという歌じゃないんです。ちゃんと、自分の想いを人に届けようとしている。その“伝えたい”という気持ちに感動しました。今の時代を反映した、強いメッセージの込められた歌詞だと思います」。 @@insert4  もともと芯の強さを持っていたジャスミンだが、アラジンとの出会いによって、自分自身の“本当の願い”に気づき言動が変わっていく。この“出会いによって運命が変わる”という展開は、アンミカ自身の過去経験と重なる部分があり、強く共感したという。  「モデルとして、15歳から19歳まで売れなかったときがありました。“似合う”と“好き”の違いがわからなかったんです。そんなときにあるデザイナーさんとカメラマンさんに出会ったことで、私自身も変わることができました。それまで前髪をあげてワンレンのボディコンを着て真っ赤な口紅を塗っていた子が、『あなたの骨格と顔立ちがおもしろいからキャスティングしたんだ』と言われて、口の色を消してアイラインにシェーディングだけで、今までと全く違う服を着たら、見たことのない私がいたんです」。  この出会いによって、「外見だけでなく内面も変わりました」というアンミカは、憧れだったパリコレへの切符を掴む。「人生が開けた瞬間でした。『アラジン』を観て人との出会いというのは本当に大きなことだと改めて感じることができました」と力強く語る。 @@insert5  そして、最後にこれから観る人に向けて、「夢のような美しさに満ちている作品で、ずっとず~っとドキドキが止まりません。観終った後は、どんな人でも信じたくなる、愛に溢れた作品だと思います」とメッセージを送り、インタビューを締めくくった。 (取材・文:望月ふみ/写真:高野広美)

  • アニメ映画『きみと、波にのれたら』で声優に初挑戦した片寄涼太

    片寄涼太、自分の人生が「ただごとじゃないことに」と実感した瞬間

    アニメ・コミック

     GENERATIONS from EXILE TRIBEのメンバーとして活躍中の片寄涼太。2014年以降は俳優としても活動しており、今年1月期に放送された出演ドラマ『3年A組―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)でも印象を残した。そして今回、アニメ映画『きみと、波にのれたら』では声優に初挑戦し、川栄李奈と共にダブル主演を務める。本作では、“恋人”を自分のヒーローだと語る青年を演じた片寄だが、自身のヒーローは“両親”だという。@@cutter 『きみと、波にのれたら』は、『夜は短し歩けよ乙女』の湯浅政明監督による最新オリジナル劇場アニメーション映画。片寄は、サーフィンが大好きな女子大生のひな子(声:川栄)と恋に落ちる消防士の青年・港の声をあてた。港は海での事故で命を落とすが、ある日、ひな子がふたりの思い出の曲を口ずさむと水の中に姿を現すようになる。そして、港がいなくなったことで止まってしまったひな子の背中を押そうとする。 @@insert1  「僕にとってのヒーローは両親です」と断言する片寄。「両親からの言葉の多くが心に残っていますし、それが今の自分を作っています」と続け、特に残っているのは、“チャンスの神様は前髪しかない”という言葉だという。  「母に言われたんです。『チャンスの神様には前髪しかないから、通り過ぎてから後ろ髪をつかもうと思ってもできない。チャンスが来たと思ったそのときにつかまないと』と」。 @@insert2  チャンスをつかんだ先には、本作のタイトルにも入っており、劇中のセリフとしても印象的にたびたび登場する「波に乗る」ことが大事だ。片寄にも、「波に乗る」ターニングポイントとなった時期があった。@@separator 「2016年に、GENERATIONSとして初めてアリーナツアーをさせていただいて、初日の景色は今でも覚えています。1万人を超える方たちが自分たちの目の前にいるのをステージ上から見たとき、これは自分の人生がただごとじゃないことになってきたと実感しました。生半可な気持ちではできないし、より責任感を持ってやっていかなければと強く思いました。『波に乗る』というか、進むためのきっかけになった瞬間だったと思います」と振り返る。 @@insert3  今まさに波に乗っている片寄だが、常日頃、「準備は裏切らない」と信じているという。そしてその指針には先がある。「きっちり準備したいし、それも楽しいですが、準備をしていなかったことを求められる瞬間が好きなんです」。  そう目を輝かせながら熱く語ると、「だからといって準備をしなくていいのではなく、きっちり準備をした上で求められる対応力に、自分の可能性を試される気がします。芝居でもライブでも。逆境のほうが好きですね。どうすればいいんだろうと思うことが、たくさんあるほうがワクワクします」とほほ笑む。 @@insert4  今作での挑戦でも、多くのことを味わった。「ある程度声が乗った状態で、声のグラデーションによって感情の起伏を表現するという、歌ともお芝居とも違う感覚を知りました。今までとは違う形で人のためになったり、人の背中を押せるのであればうれしいし、また機会があればやってみたいです」。  今後は「ミュージカルをやってみたいです。何年か後に。そのためにもジャズダンスやバレエなどにも挑戦していけたらと思っています。それから、どんなジャンルのお仕事をさせていただくにしても、自分の仕事として、片寄涼太がやるからという意味合いをちゃんと持てる仕事をしていきたい。それが一番の目標です」と明かした片寄。さらなる大波を求めてまい進するその姿に迷いは見えない。(取材:文:望月ふみ 写真:高野広美)  長編アニメーション映画『きみと、波にのれたら』は、6月21日より全国公開。

  • 山本美月、『ザ・ファブル』インタビューフォト

    山本美月、“モデル上がり”に葛藤しつつ一歩ずつ上る女優の階段

    映画

     「最近、人の意見がちゃんと染みるようになってきたというか(笑)。昔は『私は私だし』みたいな感じだったんですけど、ようやく受け入れられる自分になってきました」。そう明かすのは、女優・モデルの山本美月だ。6月21日公開の映画『ザ・ファブル』で、家族のために健気に働くヒロインを演じた山本に、ファンの声を通じて成長を実感した出来事や、女優業に対する向き合い方が変わったきっかけなどを語ってもらった。@@cutter 裏社会における伝説的殺し屋・ファブル(岡田准一)が、一般社会に溶け込むために大阪へ移り住んだことを機に、暴力団の抗争に巻き込まれるさまを、激しいアクションとともに活写する本作。ファブルがデザイン事務所で一緒に働くミサキ役の山本は、役柄に感じた魅力を「けがれがないというか。病気の母のために頑張っている真っ直ぐさ」と語る。  撮影中は仕上がりのイメージが湧かなかったというが「とてもおしゃれな映画になっていたので、こういう感じになると思っていなかったなという意外性がありました」と言い「もうちょっと男臭く、泥臭いモノになると思っていた」とも。「現場がすごく熱くて、皆が頑張って作っていたのもあるんですけど、あまり蒸し暑さを感じさせないというか。熱さというよりは、ちょっとひんやりという感じ。青味がかっているというか、その感じがちょっと不思議でした」と頬を緩める。 @@insert1  劇中では、ファブルがミサキをはじめとする周囲の人々の助けを借りながら一般社会に適応していく。学生時代は演劇部だった山本は、モデルとして芸能界デビュー。その後、女優業に進出したが、その適応過程は決して平坦ではなかったそうで、葛藤は今なお続いているとのこと。「モデル上がりだって、今も言われます。評価されていないと、今まだ感じますね」。@@separator しかし、自分を応援してくれるファンの声に励まされた。「『お芝居を見て好きになった』って言ってくださる方もいらっしゃいます」と笑顔を見せる。「最初の頃は『桐島、部活やめるってよ』が、世にすごく広まって、そこから好きになりましたという方が多かったんですけど、握手会をさせていただいたときに“『刑事ゆがみ』を見て好きになりました”とか“『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』を見て好きになりました”とか、後々の作品から好きになってくれる方も多くて。少しずつだけど、階段を一歩ずつ上がっているなという気はします」。 @@insert2  最近では『モンテ・クリスト伯~』の西谷弘監督との出会いも大きかったという。「『小さな妥協、大きな収穫』という言葉をいただいて。すごく染みるというか…私はとっても頑固なので、たった一言ごめんなさいと言うだけで、すごく大きな収穫があるのに、ちゃんと謝れてなかったりとか、変にプライドを持っていたりする自分はよくないなって、最近思います。自分よりも年上の方と話していると、そういうことに気づかされますね」。  そんな山本が、今後のキャリアを歩んでいく上で目指すものとは。「明確な評価を得たいという思いも、もちろんありますけど、自分なりの幸せを築けていけたらいいなと思っています。仕事も、プライベートも。楽しいって、そのときに思えていればいいかなって思うので。余裕を持った、いい大人になりたいですね」。(取材・文・写真:岸豊)  映画『ザ・ファブル』は6月21日全国公開。

  • 映画『明治東亰恋伽』に主演する伊原六花

    伊原六花 高校卒業後、大躍進の1年に「運が強いんです」

    映画

     バブリーダンスで一世を風靡(ふうび)した大阪府立登美丘高校ダンス部の元キャプテン・伊原六花。高校卒業後は、スカウトされた芸能事務所に所属し、女優としての第一歩を踏み出すと、人気恋愛ファンタジーゲーム『明治東亰恋伽』をモチーフにしたドラマ&映画で初主演を務めた。怒とうのごとく過ぎ去った1年、彼女はどんなことを感じたのだろうか―。@@cutter 昨年3月に高校を卒業後、本格的に芸能活動を開始した伊原。そこからCMのイメージキャラクターや連続ドラマ出演、さらには写真集発売、ラジオ番組MC、そして前述した『明治東亰恋伽』では初主演と、活躍ぶりは目を見張るものがある。  「まだまだ分からないことばかりで、悔しい思いをすることも多いのですが、昔から人に自慢ができるのは、恵まれた環境やすてきな人と出会える運が強いんです」と語る。実際、初ドラマ出演となった『チア☆ダン』(TBS系)では、自らの経験を活かしたダンス部員という役柄を得たことでリラックスができ、そのとき出会った同世代のメンバーには今でも心の支えになってもらっているという。 @@insert1  『明治東亰恋伽』では、明治時代にタイムスリップしてしまったヒロイン・芽衣を演じ、歴史上の偉人たちとの恋愛模様をフレッシュな感性で演じ切った。「お芝居の経験がほとんどない中、初めての主演を務めることで、とにかく不安だったのですが、初日からスタッフの皆さんに支えていただき、キャストの方も面白い方ばかりで、変な気を使わずに役柄に没頭できました」と、ここでも環境に恵まれたことを強調する。  しかし、だからこそ自分には厳しくなる。「恵まれた環境でお仕事をさせていただいているからこそ、結果が残せなかったときに悔しい気持ちが強くなるんです。やっぱり期待以上のものを返したいじゃないですか」と強い視線で語る。一方で、結果が出ず落ち込んでしまっても、最終的にはプラスの感情にたどり着くというのだ。「私は周りの人に支えていただけるからこそ、今のお仕事ができていると心の底から思うんです。そういう人たちと一緒にいられるというのは…やっぱりうれしいです」。 @@insert2  伊原が高校3年生のとき、登美丘高校ダンス部のキャプテンを務め、日本高校ダンス部選手権3連覇を目指していた。結果は惜しくも準優勝となり、大会終了後のインタビューでは、目から大粒の涙がとめどなく流れていたが、伊原は「登美丘らしいダンスができたのでうれしかった」とコメント。どんな出来事でもプラスに持っていける思考は、伊原の大きな武器なのかもしれない。@@separator 「人と環境に恵まれてやってこられた1年」と振り返った伊原。6月3日の放送回から連続テレビ小説『なつぞら』に、広瀬すず演じるヒロイン・なつが務めるアニメ会社「東洋動画」の先輩社員“モモッチ”こと森田桃代役で登場。「私、結構エゴサーチをするんです」とはにかむと「やっぱりすごい反響で、朝ドラって国民的ドラマなんだなと改めて感じました。どんなお仕事でも丁寧に取り組んでいますが、朝ドラへの出演は大きな分岐点、変化につながる感じがします」としみじみ語る。 @@insert3  SNSでは、さまざまな意見が飛び交うが「私は褒められて伸びるタイプなので、うれしいコメントなどを見ると、素直に頑張ろうって思えます。逆に、自分では気づけなかった部分を指摘していただいたりすると『なるほど』と思うこともたくさんあります」と前向きに捉えている。  「声をかけていただけるお仕事は、一つ一つ大切に取り組んで、結果を残したいです」と目を輝かせて語った伊原。今は自らの夢と話していたミュージカル女優を目指すべく、ダンスやボイストレーニングにも抜かりはない。「もしもお話をいただいたとき、『今から準備します』ではなく『今すぐにできます』と言えるようにしておきたい」と、これからも高い意識で女優業にまい進していくことを誓っていた。(取材・文:磯部正和 写真:高野広美) @@insert4  映画『明治東亰恋伽』は6月21日より公開。

  • 映画『さよなら、退屈なレオニー』 レオニーを演じたカレル・トレンブレイ

    『さよなら、退屈なレオニー』カレル・トレンブレイ、17歳“こじらせ女子”役に込めた思い

    映画

     第31回東京国際映画祭(TIFF)のユース部門で注目された映画『さよなら、退屈なレオニー』(同映画祭では『蛍はいなくなった』のタイトルで上映)で、新人賞に当たるジェムストーン賞を受賞した主演女優のカレル・トレンブレイ。カナダ・ケベック州の海辺の田舎町で退屈な毎日を送る女子高生レオニーの複雑な心情をリアルに演じたカレルが、映画の背景にあるケベック事情を踏まえながら、本作に込めた思いを語った。@@cutter 『レディ・バード』『スウィート17モンスター』など、“こじらせ女子”を主人公にした映画が話題を集めるなか、新鋭セバスチャン・ピロット監督がメガホンをとった本作は、夢を見つけられない17歳の女子高生のひと夏の成長をつづった青春ドラマ。海辺の田舎町で暮らすレオニー(カレル)は、高校卒業を1ヵ月後に控え、「退屈な町を飛び出したい」と思っているが、自分が何をしたいのかも分からない。口うるさい母親、スカしたその再婚相手は大嫌い。離れて暮らす実の父は頼りになるけれど恋人ではない。そんなある日、レオニーは年上のミュージシャン、スティーヴと出会う。 @@insert1  2018年、東京国際映画祭の授賞式で初めて日本を訪れたというカレル。「8日間滞在したのですが、映画祭は授賞式の1日のみ。あとはいろんな名所を回ったり、おいしいものを食べたり、ゆっくりと満喫することができました。日本の方々は皆さん穏やかで礼儀正しいし、町の外観も美しく、ファッションもおしゃれ」と、日本にゾッコンの様子。ジェムストーン賞を受賞した本作への思い入れも強く、「運よく私は早くに夢を見つけられましたが、レオニーはなかなか夢が見つからない。私にとっては未経験の感情だったので、とても演じがいがありました」と振り返る。  ピロット監督は「本作は、青春ドラマの形式をとりながら、今のケベックのポートレイトを描いている」と語っているが、カレルも同意する。「少し前までは、結婚しなくてもいい、家族を持たなくてもいい、という風潮があり、離婚する夫婦も多かった。そういったことで子どもの心が不安定になってしまうことも」と、ケベックの社会的背景を指摘する。 @@insert2  さらに、「田舎へ行くと、自分のやりたいことすら見つけられないのが現状。レオニーの母親のように、再婚して、新しい家族としてリスタートする、というケースもありますが、子どもの人生はまた別問題。朝帰りして、義父に説教されたレオニーが『あなたのことが大嫌い!』ってキレるシーンがありますが、あの感情のすれ違いこそ、今抱えている問題ですよね」。@@separator 寛容な実の父と口うるさい義理の父、対照的な2人の父親との関係性も面白いが、ダイナーで出会った中年男スティーヴとの関係性もとても気になる。「自分の身の丈以上の夢を描き、結局、何も前に進まないレオニーはとてもシニカル。そんなときに、中年ミュージシャンのスティーヴと出会うわけですが、彼は夢も野望もなく、幸せなのか、不幸せなのか、自分でも分からない。『別になんでもいいや』という生き方が、周囲と完全にずれている」とカレルは指摘する。 @@insert3  夢を持ちたいと焦るレオニーが、なぜスティーヴに興味を持ったのか。ただ単にギターに関心があったのか? それとも彼とバンドでも作ろうと思ったのか? 「映画を観ている方は、恋愛関係を期待するかもしれませんが、彼女はぜんぜんそんな感情は抱いていない。もちろん、彼らの絆は強く、愛情もあるとは思いますが、恋愛とはちょっと違う。強いて言えば、2人の対照的な父親のちょうど中間にいる存在、もしかすると、『心のバランス』を彼によって保っているのかもしれません。そのあいまいさがこの映画の面白さでもあるんですよね」。 @@insert4  そういえば劇中、レオニーが突然、バスに乗るシーンが2ヵ所出てくる。1つは「現実からの逃避」、もう1つは「新たな旅立ち」を想起させた。だが、これに対してカレルは、「それも真意は分からない。もしかすると、ただ家に帰りたかっただけかも?」とニッコリ笑う。世界共通、こじらせ女子は、いろんな意味でミステリアスだ。(取材・文:坂田正樹)  映画『さよなら、退屈なレオニー』は全国順次公開中。

  • 黒沢清、『旅のおわり世界のはじまり』インタビュー

    黒沢清監督、女優・前田敦子の魅力は「一切協調せず一線を引く」

    映画

     映画『Seventh Code セブンス・コード』(2013年公開)、『散歩する侵略者』(2017年公開)に続き、黒沢清監督が女優の前田敦子と3度目のタッグを組んだ最新作『旅のおわり世界のはじまり』が公開中だ。かねてから、「誰とも交わらず、1人ぽつんとフレームに写るだけで存在感を出せる女優」として前田を高く評価していた黒沢監督が、プロットの段階から彼女をイメージしていたという本作への思い、さらにはその撮影の舞台裏を振り返った。@@cutter 本作は、日本・ウズベキスタン国交樹立25周年と日本人が建設に関わったナボイ劇場完成70周年を迎えた2017年に製作された、両国の記念すべき合作映画。テレビ番組の取材でウズベキスタンを訪れたレポーターの葉子(前田)が、異国の地でさまざまな出来事を体験しながら成長していく姿を描く。加瀬亮、染谷将太、柄本時生が葉子に帯同する撮影クルー役で参加し、ウズベキスタンの人気俳優アディズ・ラジャボフが通訳兼コーディネーター役で出演している。  もともとシルクロードに強い関心を抱いていた黒沢監督は、「ウズベキスタンの首都タシケントや古都サマルカンドなど、かつて交易で栄えた都市にとても興味があったので、僕にとってはまたとない機会だった」と笑顔を見せる。条件は、「ナボイ劇場を必ず使うこと。それ以外は自由に撮っていい」とプロデューサーから聞かされ、黒沢監督は、逆算式でプロットを構築した。 @@insert1  「まず、2時間程度で、歴史を踏まえたこの国の『今』を描くことはとうてい無理。ならば、テレビの旅番組ならどうか。しかも、バラエティー寄りの女性レポーターと撮影クルーなら、表面を上手にすくい上げて、面白い体験記ができるのではないか。そして、主人公の葉子は、体を張ったレポートをこなしながら、密かに『歌手になりたい』という夢を持ち、ある日、導かれるようにナボイ劇場にやってくる」…そんなイメージでプロットを組み立てていた黒沢監督は、いつの間にか、主人公の葉子を“前田敦子”でイメージしていたという。  「未知の国ウズベキスタンと独りで対峙できる女優は、前田さん以外に考えられなかったですね。何ともいえない『孤独感』と言うか、ある種のタフさも含んだ実存感が彼女にはある。日本の典型的な主演女優ですと、全体を大きく包み込むことが求められる場合が多いのですが、彼女はそんなことは絶対にしない。むしろ、ほかとは一切協調せず、しっかり一線を引く。そこが彼女の最大の魅力」と、前田の稀有(けう)な個性を絶賛。「今回は特に、前田さんありきの企画だったので、ほとんど彼女のドキュメンタリーを撮っているようでした。絶大な信頼をおいていたので、彼女がごく自然に演じてくれればそれがベスト。それくらい信じていました」と強調する。@@separator この映画はある意味、何でもありのノンジャンルの映画。いわゆるレンタル店に行って、どこを探していいか迷ってしまう多面的な異色作だ。「起承転結もなく、主人公1人の視点に絞ったいろんなエピソードが串団子のようにつながっている物語。だから、何が起こっても唐突に感じられると思います。でも逆に、その唐突感を楽しんでいただけるとうれしい」と黒沢監督はアピールする。  さらに、「僕自身も、近年、映画祭を含め、いろんな国へ行く機会があるので、そのときのエピソードも、かなり脚本に盛り込みました。バスに乗って迷子になったり、現地のテレビニュースで日本の災害映像を見てパニックになったり…。実際、フランスで東日本大震災の映像を観たときのショックは、計り知れないものがありました。劇中、葉子もそれに近い経験をしますが、遠く離れた外国で災害や事件を見ると、日本にいるとき以上にネガティブに捉えてしまうんですよね」と述懐した。 @@insert2  ウズベキスタンという未知の国で、約1ヵ月間にわたりロケが行われた本作。「今振り返ってみると、思いのほか自分が素直に表れた作品になった」としみじみ語る黒沢監督。「自分の旅の経験がいくつか入っていることも大きいですが、一番の決め手は、『撮影クルーを撮影している僕たちも、撮影クルー』という構成で映画を撮れたこと。出演者とスタッフが自然に渾然一体となってくるんですが、ふと気がつけば、僕がまだ、8mm自主映画を撮っていた学生時代の気分に戻っていた。あのころはまさに、俳優も監督もスタッフも関係なく、自分がやれることは何でもやっていましたからね」。そう目を細めながら、懐かしい日々に思いを馳せていた。(取材・文・写真:坂田正樹)  映画『旅のおわり世界のはじまり』は公開中。

  • 早見あかり、映画『女の機嫌の直し方』インタビュー

    早見あかり「これまでの恋愛とは全然違った」 “わがまま”になれた夫との関係

    映画

     女優の早見あかりが主演する映画『女の機嫌の直し方』が6月15日に公開される。AI研究者・黒川伊保子による同名書籍を原案にした本作は、結婚式場で巻き起こる男女のトラブルを解決していくハートフル・コメディ。男女の話題だけに和気あいあいだったという撮影現場の雰囲気から、本作を「もっと早く知りたかった」と思ったという自身の結婚、仕事観について語ってもらった。@@cutter 「まず思ったのは、『面白い』と、『勉強になるなあ』でした」。最初にこの作品の脚本を読んだときの感想を聞くと、早見は笑いながらそう答えた。演じるのは大学でAI(人工知能)を研究し、データ収集のため結婚式場でアルバイトを始める理系女子・真島愛。松井玲奈と佐伯大地が演じるカップルの結婚式を担当するものの、さまざまなトラブルが勃発。愛がそれを「男女脳の違い」をもとに解決していくという物語だ。  作中には男女の考え方の違いや、なぜそこから男女間のトラブルが起こってしまうのか…という知識がぎっしり。そのため、撮影中は出演者もスタッフも、作品について常に和気あいあいと話し合っていたのだとか。 @@insert1  「男性も女性もみんな、『これはこうだよね』とか、『分かる』『いや、分からない』って話をしていて。こんなにみんなが共通して話せるテーマってなかなかないし、人によっては過去の恋愛事情だったりとか、『こんなこと、初対面の人には話さないよね』みたいなことも話していたり。だから撮影期間は短かかったんですけど、すごく深いところまでみんなのことを知ることができた気がします」。 @@insert2  劇中では結婚式のために奔走する役柄だが、早見自身は昨年末に結婚したばかり。この映画に出てくるような“男女のぶつかり合い”について「最近はそういうのもなくなった」というが、「(本作を)もっと早く…一番ケンカが多くてイライラしてる時期に知りたかったです(笑)」とも。「4年間お付き合いしてから入籍したんですけど、最初の2~3年はケンカすることもやっぱり多かったです。本当にぶつかることがありすぎて、『違う人間同士が同じ価値観にすり合わせることは無理』だと分かった上で結婚したので…」と明かす。@@separator こう聞くと、物事をはっきり言うタイプに見えるかもしれない。しかし意外と、“内”と“外”があるようだ。「恋愛でも日常生活でも、家族や身近な人だけに自分の気持ちをぶちまけるタイプです。そういう相手にはすごくわがままになるし、逆にそれ以外の人とはぶつかったり、揉めることはほとんどないんですよ。『面倒くさいからいいや』って飲み込んじゃう。恋愛も、とにかく相手に尽くすタイプだったんです」と自己分析する。  ただ一方で「でも今の夫に対しては、最初からわがままになれて、これまでの恋愛とは全然違ったんですよね」と夫との関係性を明かす。 @@insert3  その表情から、公私ともに充実している雰囲気が伝わってくる。こうなってくると気になるのは、家庭と女優業のバランス。ただ、彼女自身は「自分で働きたいタイプです。家にずっとこもっているのは本当に無理」ときっぱり。「お芝居がすごく大好きで、女優という仕事がとにかく楽しい。この仕事は出会った人と3ヵ月ぐらいでお別れが来て、また新しい人と出会って、ずっと新しいことに挑戦し続けないといけない。それがまた私にとっては楽しいんです。飽きないですよ!」。 @@insert4  女優として飛躍していく彼女の姿が、今後も観られそうで一安心。まずは今作で生き生きと走り回る、彼女の魅力を確認しようではないか。(取材・文:川口有紀 写真:高野広美)  映画『女の機嫌の直し方』は6月15日より全国順次公開。

  • 前田敦子、『旅のおわり世界のはじまり』インタビュー

    前田敦子、子育てという新たな“世界のはじまり”に胸弾ませる

    映画

     女優の前田敦子が、映画『Seventh Code セブンス・コード』(2013)、『散歩する侵略者』(2017)に続き、黒沢清監督と3度目のタッグを組んだ最新主演作『旅のおわり世界のはじまり』が6月14日より公開される。主人公・葉子に自身を重ね合わせながら、新たな挑戦に全身全霊を捧げた前田が、AKB48時代の葛藤から母になった現在の心境までを赤裸々に語った。@@cutter 本作は、日本・ウズベキスタン国交樹立25周年と日本人が建設に関わったナボイ劇場完成70周年が重なった2017年、その記念プロジェクトとして実現した両国の合作映画。テレビ番組の取材でウズベキスタンを訪れたレポーターの葉子(前田)が、異国の地でさまざまな出来事を通して成長していく姿を描く。そのほか、加瀬亮、染谷将太、柄本時生が葉子に帯同する撮影隊役として参加し、ウズベキスタンの人気俳優アディズ・ラジャボフが通訳兼コーディネーター役で出演している。  演じる役柄について、「愛想笑いをしないでほしい」と撮影前に黒沢監督から指示を受けたという前田。ところが、大勢の人々が行き交う賑やかなバザールのシーンでは、ゲリラ的な撮影が多く、エキストラも一般の方も混在する中で撮影するため、カメラの中央にいる前田へ注目が集まってくる。この状況について前田は、「道ゆく人に見つめられたり、声をかけられたりすると、つい反応したくなります。葉子を演じているときは、声をかけてくるかたを拒まなければならないので、申し訳ない気持ちになりました」と振り返る。 @@insert1  前田が演じる葉子は、過酷なリポートをこなしながら、その一方で、「歌手になりたい」という胸に秘めた熱い思いがある。劇中、前田は、ナボイ劇場と標高2443mの山頂で、エディット・ピアフの名曲『愛の讃歌』を歌うことになるが、しばらく歌手活動から遠ざかっていたため、不安で仕方なかったと告白する。「黒沢監督から『歌を歌ってほしい』と言われ、しかもそれが、『愛の讃歌』と聞いたときは、『難しい曲だな』と、正直思いました。さらに歌詞の内容をより深く理解したときは、胸にずっしりくるものがあって、この曲のすごさに、負けそうになりました…というか、完全に負けました(笑)」。とはいえ、山頂では5、6時間で8テイク、撮影が終わるころには、すっかり日焼けしていたという前田は、「今の自分を100%出し切るところまでやりきった」と晴れやかな表情。その仕上がりは大いに期待できる。@@separator 歌手を夢見ながらリポートに全力投球する葉子の姿に、女優を志しながらアイドル活動をしていた自分が重なって見えたという前田。「当時、同世代の俳優さんたちと共演すると、皆さん、演技だけに没頭しているので、どんどん進んでいくんですよね。もちろん私は、アイドルとしていろんな経験をさせていただいて感謝はしているのですが、やりたいことが『これだ!』と明確に決まってくると難しくなってくる。私は1つのことにしか集中できないタイプなので、葉子が抱えているモヤモヤした気持ちは、すごくよくわかるんです」と心を寄せる。「当時、10代だったというのもありますが、AKB48時代はすごく生き急いでいたというか。もうちょっと落ち着いていればよかったと、今はそう思いますね。ただ、私自身が先へ先へと考えるクセがあるので、『落ち着いて』と言い聞かせながら、今は自分の一番いいペースを探しています」。 @@insert2  本作を通して、「新しい挑戦は、成長につながる」ことを改めて実感したという前田。ちなみに今挑戦していることを尋ねると、「子どもが生まれたことによって、日常の全てが初挑戦。この経験も含めて、将来、自分が女優としてどうなっていくのか、すごく楽しみ」と声を弾ませる。さらに今回、前田が演じる葉子は、日本にいる恋人が心の拠り所で何度も連絡を取り合うシーンも描かれているが、母親となった今、「家族を見送る側になるとすごく心配。だから、これから子どものことを考えると怖いですね。私が見送らないといけないことがいっぱい出てくるんだなぁと思って」。そう語る前田の顔は、完全に子を思う優しい母親の顔だ。  しばらくは育児に女優に多忙な日々が続くと思うが、「新しい挑戦」を糧にして、また一皮むけた女優・前田敦子の姿を見せてほしいものだ。(取材・文:坂田正樹 写真:高野広美)  映画『旅のおわり世界のはじまり』は6月14日より全国公開。

  • ドラマ『デジタル・タトゥー』に出演する唐田えりか

    唐田えりか、“エゴサーチ”を復活 SNSの怖さを役作りに

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     ファッション誌「MORE」の専属モデルを務める一方、高い演技力が評価されている若手女優・唐田えりか。そんな彼女が、現在放送中の土曜ドラマ『デジタル・タトゥー』(NHK総合)で、インターネット上の誹謗(ひぼう)中傷に悩まされる女子大生・岩井早紀を好演している。自身もSNSを活用しているという唐田が、作品に込めた思いや芝居に取り組む際の姿勢について語った。@@cutter 本作は、インターネット上での誹謗中傷や個人情報の拡散に苦しむ人たちが受けた傷=デジタル・タトゥーをテーマにしたサスペンス。インターネットにまったく疎いアナログを地でいく元東京地検特捜部検事で現在は弁護士の岩井賢太郎(高橋克実)と、人気ユーチューバーであるタイガ(瀬戸康史)が手を組み、デジタル・タトゥーに苦しむ人たちを救い出していく姿を描く。  唐田は、岩井の一人娘で大学3年生の早紀を演じている。彼女は大学生活を満喫しミスコンを受賞、さらにテレビ局のアナウンサーへの内定が決まっているキラキラ女子だが、あることがきっかけで、インターネット上でバッシングされることになる――。 @@insert1  「台本を読んでSNSの怖さが繊細に描かれているなと感じました。私も普段からSNSを使っているので、その危険性も意識はしているつもりでしたが、日々の中で、どこか他人事になっている部分も否めませんでした。その意味では身につまされる思いだし、しっかり活用しなければと改めて感じました」。  簡単に使えるということは、逆に落とし穴も多い。特に早紀は第4話で、その穴にすっぽりとはまってしまう。これまでキラキラしていた女子大生が、苦悩の日々を迎えることになってしまうのだ。  「今回のお話をいただいたとき、キラキラ女子大生を演じられることがすごく楽しみだったんです。でも一方で、SNSの危うさに直面し、自身の中にある多面的な部分が出てきます。早紀の表面的な部分と、内面にあるギャップ。そこはしっかり表現できるように意識しました」。 @@insert2  唐田の言葉通り、物語のメーンとなる第4話で見せる早紀の苦悩や葛藤は大きな見どころだ。父親役の高橋、そして早紀と同じ大学に通う奥村ミサ役の久保田紗友とのシーンでは、唐田の芝居に対するスタンスが垣間見える。  「以前は、台本を読んで『こうしよう、ああしよう』と考えていたのですが、『寝ても覚めても』(2018年)という映画で濱口竜介監督と出会ってから、お芝居は一人でするものではないと学びました。もちろん、演じるキャラクターの気持ちの芯は作っていきますが、現場に入って、対峙する演者さんの気持ちをしっかり受け取って返していこうと心掛けています」。@@separator こうした芝居の変化によって、これまで「苦しいことが多かった」という撮影の現場も「まだまだ自分に納得いかないことが多く(女優業は)向いていないなと思うこともありますが、すてきな出会いも多いですし、貴重な時間を過ごせているんだなと思えるようになりました。今はとても前向きに臨めています」と笑顔を見せる。  さらに唐田は「せっかくこういう仕事をしているのだから、誰か一人でもいいので心に刺さるような作品を作りたい」と強い視線で語る。そのためには、自分自身もしっかり役柄に向き合い、もがくことが大切だと実感した。こうしたアプローチ方法は本作でも活かされている。 @@insert3  「第4話はとても濃厚な台本だったので、すごく苦しかった。最近はエゴサーチしなくなったのですが、SNSの怖さを再認識するために、またやってみたんです。やっぱり知らない人が自分のことについていろいろ書いているという現実には怖さがありました。撮影中はとても疲れました(笑)」。  「まだ女優としての覚悟が定まってはいない」と苦笑いを浮かべた唐田。しかし一方で「先のことは何も分からないけれど、きっとどこかに行ける」という自信もあるという。そんな彼女が「同世代の人はもちろん『SNSって何?』という世代の人にも観てほしい」と語った本作。唐田と一緒に仕事をした演出家や監督が、女優としての素質を絶賛する彼女の演技に注目したい。(取材・文:磯部正和 写真:高橋ゆり)  土曜ドラマ『デジタル・タトゥー』はNHK総合にて毎週土曜21時より放送中。全5回。

  • アラン・メンケン、『アラジン』インタビュー

    『アラジン』作曲家アラン・メンケンが明かす「ホール・ニュー・ワールド」誕生秘話

    映画

     1992年に公開されたディズニーアニメ『アラジン』は、ディズニー・ルネサンスと呼ばれるディズニー黄金期に作られた名作であり、全世界で大ヒットを記録した。その黄金期を支えたのは、同作の「ホール・ニュー・ワールド」をはじめとする数々の名曲たち。それらを生み出した最重要人物こそが、作曲家アラン・メンケンだ。現在公開中の実写版『アラジン』のプロモーションで来日した巨匠が、実写版の魅力、そして名曲「ホール・ニュー・ワールド」誕生秘話を語った。@@cutter 27年の時を経て、ついに実写化された『アラジン』。完成した映画を観たアランは「うれしいという言葉に尽きます」と感慨深げ。「非常に満足しました。新たなアプローチがあり、新曲もあって、新鮮で現代的なストーリーになっている」と実写版の出来に太鼓判を押す。 @@insert1  主人公のアラジンとヒロインのジャスミンには、新星メナ・マスード、若手女優ナオミ・スコットという、フレッシュな2人が起用されたが、「2人の相性がとてもいいんです。自然に惹(ひ)かれ合っている雰囲気がある」と絶賛。アニメ版での故ロビン・ウィリアムズのイメージが強いランプの魔人ジーニーを演じるのは、ハリウッドスターのウィル・スミスだ。ウィルが演じると聞いたとき「まさに“完璧”だと思いました」と明かすアラン。「ウィルはジーニーを演じるに必要なすべてを持ち合わせていた。だから今回、彼にこうしてほしいとか注文することなんて何ひとつなかったんだ。本当だよ」と感心しきりの様子だった。  『アラジン』を語る上で欠かせないのが、ディズニーアニメの楽曲として唯一グラミー賞最優秀楽曲賞に輝いている名曲「ホール・ニュー・ワールド」の存在。実写版でも大きな見せ場になっているこの名曲は、いかにして誕生したのだろうか。 @@insert2  当時アランは、ともに楽曲制作を続けてきた盟友ハワード・アシュマンを亡くし、すでにミュージカル界では有名だった作詞家ティム・ライスと初タッグを組むことになる。「ティムに初めて会うときにこの曲を作って持っていったんだ。まだ『ホール・ニュー・ワールド』になる前だね。それで歌詞で韻を踏みたい場所や、こんなトーンにしたいというのが分かるように、ダミーの歌詞を入れておいたんだよ。そこからティムが自由に歌詞をつけていくという作業だった。ティムはとても紳士的で、素晴らしいパートナーだった」と振り返る。  「あの曲は、ティムがそれまでに作詞したミュージカル『エビータ』のラテンな感じや、『ジーザス・クライスト・スーパースター』の曲を意識しながら作ったんだ。そして空を自由に飛びまわるイメージも重要だった。“A Whole New World”という歌詞だけど、完成前に僕がダミーでつけていたのは“The World at My Feet(足元に広がる世界)”だった。この世界ではなんだって可能なんだ、という意味を持たせたんだ。でも、ティムの『ラブソングに足というのはふさわしくないかな』という賢明な判断によって、“A Whole New World”という素晴らしい歌詞とタイトルになったんだよ(笑)」と名曲誕生の裏話を披露。@@separator さらに、完成時の手ごたえを聞くと「(ゆっくり親指を立てて)もちろん!『これはいいものが出来た』という実感があったね。当時のディズニー映画音楽部門のトップだったクリス・モンテーンが、『これは名曲だよ!』と言ってくれたことをよく覚えている。自分でいい曲だと思っていても、実はわかった気になっているだけということも多いからね。でもそうやって他の人の評価を聞いて確信したんだ」と当時の気持ちをうれしそうに語った。  本作以降も、『リトル・マーメイド』などアランが関わった作品の実写企画が控えている。2年前の『美女と野獣』に続き、本作のプロモーションでも世界中を飛び回り多忙を極めているが、7月に70歳を迎えるアランの仕事へのモチベーションはどこから来るのだろうか。 @@insert3  「その質問は…タイミングが悪いかもしれないね。今回のプロモーションは本当にハードでね…。ヨーロッパを回って、今東京にいて、このあとはロサンゼルス。そこからまたニューヨークに戻るんだよ。まだまだ先は長いし、さすがに疲れてきたよ(笑)」と少々お疲れのご様子。  「でもやっぱり自分の仕事が好きなんだと思う。曲を作ることで、逆にエネルギーをもらっているからね。そして、いい家庭生活を送ることも大事。僕がエゴイストにならないようにしていられるのは妻や娘たちのお陰だよ。家でのんびり作曲していたいけど、せっかく作った曲だから、こうやってプロモーションしてみんなに聞いてほしいし。でも疲れるよね(笑)」と、世界的人気を誇る巨匠の葛藤を吐露してくれた。 @@insert4  そんなアランに対し、最後に「まだまだあなたの曲を聞きたいです」と伝えると、「わかった! まだまだがんばるよ!」と力強く応えてくれた。(取材・文・写真:稲生稔)  映画『アラジン』は公開中。

  • ウィル・スミス、『アラジン』インタビュー

    ウィル・スミス、自身の自由を奪うのは“ウィル・スミス”というイメージ 葛藤を吐露

    映画

     ディズニーの名作アニメを実写映画化した『アラジン』でランプの魔人ジーニーを演じた俳優のウィル・スミスが、約1年半ぶり15回目の来日を果たし、合同インタビューに応じた。時おりジョークを交えながら撮影秘話を楽しそうに語るその一方で、ウィルは、常にスーパースター“ウィル・スミス”でいることへの葛藤も吐露。囚われの身であるジーニーに自身を重ね合わせながら、人生を自分らしく、そして自由に楽しむことの大切さを訴えた。@@cutter 本作は、世界中の人々に愛され続けるディズニーの同名アニメを、『シャーロック・ホームズ』シリーズなどのガイ・リッチー監督が実写映画化した冒険ファンタジー。清く美しい心を持つ貧しい青年アラジン(メナ・マスード)と自由に憧れる王女ジャスミン(ナオミ・スコット)の身分違いのロマンスや、魔人ジーニー(ウィル)が願いを叶える魔法のランプをめぐる冒険を壮大なスケールで活写する。  ジーニーといえば、ディズニー作品の中でも最も人気の高いキャラクターの1つ。1992年のアニメ映画版で声優を務めた故ロビン・ウィリアムズ氏のイメージが強烈に残っているが、これに対してウィルは、「最初はすごくナーバスになったけれど、ロビンが演じたジーニーにオマージュを捧げること、そして自分なりに新しいジーニー像を作り上げること、この両方を成し遂げてみたい、という気持ちがだんだん芽生えた」と胸の内を明かす。 @@insert1  ウィルの心を前向きにさせたのは、なんといっても音楽だ。ラッパーとしてもグラミー賞最優秀パフォーマンス賞を獲得するなど超一流のキャリアを積み重ねているだけに、「音楽を追求することが、新たなジーニーを創造する助けになる」と自身を鼓舞したという。「ジーニー役を引き受ける前に、プロデューサーとスタジオに行って、『フレンド・ライク・ミー』をちょっとやってみようということになって。試しにオールドスクール・ヒップホップのドラムを入れてみたら、予想以上にゴキゲンでね。最初に録音したものがそのまま劇中で使われていると思うけど、これなら行ける! と確信したんだ」と振り返る。@@separator “青すぎるウィル・スミス”で話題になった風貌も、マッチョなウィルらしさがフル回転。当然、青塗りした本人が演じていると思いきや、「実は、青いときのジーニーに関しては100% CGなんだ!」と衝撃告白。「みんな僕だと思っている人が多いようだけどね。おかげでものすごく自由度が高くて、セリフもアドリブで何度も録り直し、愉快で人間味あふれるジーニーを徹底的に作り上げることができたよ」とご満悦。ただし、ご安心を。人間に変身したジーニーは、もちろんCGではなくウィル本人。アラジンと共に繰り広げるド派手な冒険シーンやミュージカルシーンでは、“生身”のウィルがスクリーン狭しと弾けまくる。「なんてったって、千年もの間、ジーニーはランプの中に閉じ込められていたからね。それはもう外に出たら、ドレスアップしてパーティーを楽しみたいって思うよね。そんな気持ちが全身からあふれ出るような最高のシーンになったと思うよ」。 @@insert2  囚われの身から“自由”を手にした解放感…ウィルは、そんなジーニーの立場と自身が置かれている現況を照らし合わせ、ちょっぴりため息をつく。「ジーニーは、主人に仕える身として金の腕輪で自由を奪われたけれど、僕にとっては、“ウィル・スミスでいること”が、時として自由を奪うことがある。常にスーパースターであり、成功者であり、主演作は全てNo.1ヒット…といったパブリックイメージが固定化し、時として本来の自分を抑えつけ、自由に振る舞えないようにしてしまうんだ。だから今は、そこからどうやって脱却するか、真剣に考えているところ。だって、人生で大切なのは、自分らしく自由に楽しむことだってジーニーが教えてくれたからね!」。 @@insert3  ウィルは、ハリウッドスターの中でも突出して“いい人”だ。常にフランクで、ユーモアにあふれている。今回も、スマホで音源を聴かせてくれたり、ノリノリでフォトセッションに応じてくれたり、自ら距離を詰めてくれる神対応。それはもしかすると、ウィル・スミス=スーパースターという近寄り難いイメージを払拭し、「僕も君たちと同じさ、仲良くやろうぜ!」という意識の表れなのだろうか? いずれにせよ、ファンはもとより取材する記者さえも虜(とりこ)にするウィルの人柄は、作りものではなく、本物であることだけは、間違いない。(取材・文・写真:坂田正樹)  映画『アラジン』は公開中。

  • 『町田くんの世界』で主演を務める細田佳央太、関水渚

    “大型新人”細田佳央太&関水渚 石井裕也監督からは「何度もダメ出し」

    映画

     映画『舟を編む』の石井裕也監督が、コミック原作の映画化に挑んだ最新作『町田くんの世界』。岩田剛典、高畑充希、前田敦子、太賀、池松壮亮、戸田恵梨香、佐藤浩市、北村有起哉、松嶋菜々子と豪華な出演陣が話題だが、その中心に立って主演を務めるのが、1000人を超える応募者の中からオーディションで選ばれた新人俳優だということも、高い注目を集めている。その細田佳央太と関水渚が、石井演出や現場の雰囲気、先輩俳優たちとのとっておきのエピソードを語ってくれた。@@cutter 細田と関水が演じるのは、特別な取り柄もなく見た目も目立たないが、周囲のすべての人を分け隔てなく愛することのできる“人が大好きな”町田くんと、“人が大嫌い”な猪原さん。2人の出会いは“初めての感情”を生み、やがて周囲を巻き込みながら奇跡を起こす。 @@insert1  共に演技経験がほとんどない2人は、1ヵ月以上を、石井監督との演技レッスンに費やしてからクランクインを迎えたが、撮影前も撮影中も、石井監督は「ずっと厳しかった。何度もダメ出しされた」と声をそろえる。  「もちろん愛のある厳しさですけど、僕がすごく印象に残っているのは、関水さんと一緒のお芝居もあった最後のオーディションのときのことです。その場で町田くんに決まったのですが、監督から『手を抜くなよ』と真顔で言われて。その瞬間に僕の中でスイッチが入りました」と細田。  関水は、もともと石井監督と原作コミック、両方のファンだったこともあり、回数を重ねた本作オーディションの初回で、石井監督を前に自己紹介を始めたと同時に、感極まって泣き出してしまったのだとか。「引くくらいの大泣きでした」と苦笑いの関水が、特に印象に残っているのは撮影初日。  「カメラがたくさんあって、人が大勢見ている中で初めて演技をするということで、めちゃくちゃ緊張してしまって、小さくなっていたんです。見かねた監督に、『堂々としていないと負けちゃうよ』と言われて。まず形からでも堂々としなくてはと思いましたし、猪原さんは私しかいないんだ、私がしっかりしないとダメなんだと思って臨んだのをよく覚えています」。 @@insert2 @@separator 撮影中も緊張は続いたが、先輩たちが優しく接してくれたと感謝する。  細田は「岩田さんや太賀さんは、いっぱいいっぱいになっている僕に、『学校はどうなの?』と話しかけてくださったりして、緊張していた糸をほぐしてくださいました」と振り返る。また、芝居を通じての刺激も。「池松さんと2人でのシーンがあったんです。そのときに『お芝居って楽しい!』と思えました」。 @@insert3  関水も「皆さん、気さくに話しかけてくれました」と感謝するが、中でも、もともとアイドルが好きだという関水にとって前田との共演は特別だった。「アイドル時代の活躍もそうですし、映画にも好きな作品に出ていらして、憧れでした。ずっと楽しくお話してくださって、前田さんとお芝居させていただいたときが、一番心が楽になりました」と振り返り、さらにはこんなエピソードを教えてくれた。  「『すごく日焼けしやすいんです』というお話をしたら、『じゃあ、日焼け止めを持ってきてあげる』と言って、翌日に、前田さんが自分のために買ったものを私にくださったんです! 本当に優しくて。前田さんと高畑さんと3人でのシーンもあったのですが、おふたりが仲間に入れてお話してくださって、本当にうれしかったです」。 @@insert4  映画デビュー作で監督にも共演者にも、作品にも恵まれた2人。しかしそれは2人が呼び寄せたものでもあるだろう。その証拠に、究極の人たらしの町田くんとして、そしてそんな町田くんを翻ろうする猪原さんとして立つ2人は、本当にキラキラと輝き、観る者を惹(ひ)きつける。  これまでに多少の演技経験はあった細田は、今回、「お芝居の自由さを知った」といい、演技レッスンすら受けたことのなかった関水は「たくさん怒られましたし、大変でしたが、本当に楽しかった。『町田くんの世界』をやれたことでちょっと強くなれたかなと思います」と笑顔に。大きく羽ばたいていくに違いない2人のこれからが楽しみだ。(取材・文・写真:望月ふみ)  映画『町田くんの世界』は全国公開中。

  • ジャスミンをイメージした色の衣装がとっても似合う大友花恋にインタビュー

    大友花恋、大好きな『アラジン』を語る!「ディズニーランドに行ったようなワクワク感」

    映画

     ディズニーアニメーション不朽の名作を実写映画化した『アラジン』。美しい映像と音楽はもちろん、キャラクター造形も実写版ならではの魅力が溢れている。そんな心踊らされる作品をいち早く鑑賞した女優の大友花恋が“アラジン愛”を熱く語った。@@cutter 貧しくも清らかな心を持つ青年アラジンと、王宮の外の世界での自由に憧れる王女ジャスミン。まったく住む世界が違う2人が出会ったとき、心に秘めていた“本当の願い”が大きく動き出す――。 @@insert1  幼少期からディズニー作品が大好きだったという大友。『アラジン』の実写映画も本当に楽しみにしていたそうで、「小さい頃にアニメーション版の『アラジン』を見て、ジャスミンに憧れていた当時の自分に一瞬で引き戻されたような気持ちになりました。鑑賞中は、物語と美しい映像に感動して、ずっと鳥肌が立っていました」と興奮気味に語る。  『アラジン』と言えば、魔法のじゅうたんで夜空を駆け巡るアラジンとジャスミンのシーンはあまりにも有名だが、このシーンをはじめ、圧倒的な映像美にも心を奪われたようだ。「アグラバー王国の街並みや、色あざやかなジャスミンの衣装、さらに魔法のシーンや、ミュージカルでの躍動感……どれをとっても美しく、映画館にいながらにして、まるでディズニーランドに行ったようなワクワク感がありました。劇場で夢の国が体験できるなんて、本当にすごい!」とアラジン愛が溢れだす。 @@insert2  また、「『アラジン』はもちろん『リトル・マーメイド』や『塔の上のラプンツェル』などアラン・メンケンさんの楽曲が大好きなんです」という大友は、「今回『ホール・ニュー・ワールド』や『フレンド・ライク・ミー』を新たな映像と共に堪能できたことはとても嬉しかったです。また実写版のオリジナルである『スピーチレス~心の声』をジャスミンが振り切って歌うシーンは最高に素敵でウルっときました」と楽曲についても熱く語る。 @@insert3  そのジャスミンは、アニメーション版でも強い意志を持つ女性として描かれているが、実写版では、国民を幸せに導きたいという強い思いのもと、非常に自立した現代的な女性像として存在している。「プリンセスというと、悲劇が起きても耐え忍び、王子さまに守ってもらうというイメージが強かったのですが、ジャスミンは自らの道を自分で切り開いていこうとします。私自身はどちらかというと周囲の声に左右されてしまう性格なので、ブレずにポジティブに前に進もうとするジャスミンの姿には憧れますし、自分もそうなりたいと強く思いました」。 @@insert4  ジャスミンが、より強く自らの思いにまい進しようと思えたのは、アラジンとの“出会い”がきっかけとなる。大友も女優としての気持ちが変化した“出会い”があったという。「私は中学一年生のときに初めてドラマの現場を経験させていただいたのですが、撮影前までは、ドラマって楽しい世界だと思っていたんです。でも、実際現場に入ると、楽しくて素敵な世界ではあったのですが、一方でプロフェッショナルな方たちの集まりで、ただ楽しいだけではありませんでした。作品をよりよいものにしようという思いを全員がもっていて、私も参加するだけではなく、与えられたことにしっかりと結果を出せるような人間になりたいと思いました。その現場での出会いや経験で気持ちが変わりました」と“出会い”の大切さを語る。 @@insert5  そして、最後に「小さい頃に『アラジン』を観た時は、キレイな衣装やキラキラと輝く魔法など『私もジャスミンみたいになりたいな』という羨望の眼差しだったのですが、今回の作品ではアラジンやジャスミンを見て『もっと頑張らないと、こんなじゃダメだ』と鼓舞している自分がいました」と語り、続けて「アラジンとジャスミンから大きな刺激を受けました! しっかりと自分に自信を持てる女性になるように、これからも努力してきたいです」と抱負を語った。 (取材・文:磯部正和/写真:高野広美) ■プロフィール 大友 花恋(おおとも かれん) 99/10/9生まれ。群馬県出身。映画「君の膵臓をたべたい」(17年)、ドラマ「チア☆ダン」(18年・TBS系)など話題作に多数出演。今年3月にはFOD「いつか、眠りにつく日」で連続ドラマ初主演を務めた。その他、「王様のブランチ」(TBS系)やラジオ「クラスメイトは大友花恋!」(文化放送)パーソナリティーなど、多方面で活躍している。

  • 芦田愛菜

    芦田愛菜、“芦田愛菜”ではなく、役として感じさせたい

    アニメ・コミック

     NHK連続テレビ小説『まんぷく』での優しさあふれる語りも記憶に新しい芦田愛菜。女優としての活躍は言うに及ばず、声のみでの映画、ドラマへの出演はすでに十数本を数え、それぞれの作品で、いい意味で“芦田愛菜”を感じさせず、表現力の幅広さを見せている。そんな彼女の最新作が五十嵐大介の人気漫画をアニメ化した映画『海獣の子供』。思春期のヒロインのみずみずしさ、もどかしさを表現し、キャラクターに命を吹き込んでいる。@@cutter 『鉄コン筋クリート』のアニメ化で知られるSTUDIO 4℃制作による本作。中学生の琉花が、ジュゴンに育てられたという不思議な少年“海”と“空”と出会い、交流を深めていくさまを緻密で美しいアニメーションで描き出す。 @@insert1  物語自体は決して複雑ではないが、海という生命の源が壮大なスケールで描かれ、自然と人間の関わりなどが哲学的に語られている。「明確な答え、これが正解というものがあるわけじゃなく、それぞれに観た人が感じることがあると思う」と言う芦田だが、自身は“生と死”について考えさせられたという。  「命あるものには必ずいつか死が来る。空くんと海くんは、自分たちの命が短いことをどこかで知っていて“死”の方から『生きるってどんなことだろう?』と見ているけど、琉花は逆に自分が生きていることを実感しながら『死ぬってどういうことか?』を見ている。生と死は正反対じゃなく、隣り合わせにあるものなのかなと感じました」。 @@insert2  琉花という少女について「心の中で思っていることがたくさんあって、いろんなことを感じているのに、それをうまく言葉に言い表せなかったり、誰かに自分の思いを分かってほしいのに、それを言えずにもどかしさを感じたりしている女の子」と語り、自身と重なる部分があるとも。  「プラスのことに関しては『こうした方がいいんじゃない?』とか『こうしたいな』と割と言えるんですけど、悔しいことだったり、ネガティブなことに関しては、素直になれない自分がいたりします(苦笑)」。  映画の中のある人物のセリフで「人は言葉にしないと、思っていることの半分も伝えられないけど、クジラたちはもしかしたら歌で感じたことをそのまま伝え合っているかもしれない」という意味の言葉が語られる。言葉以外の部分で感じられることが確かにあると感じつつも、改めて「“空気を読む”のではなく、言葉にして言わなきゃどう思っているのか伝わらないこともある。自分の気持ちを素直に言葉にすることも大切だなと思いました」とも語る。@@separator 昨年の『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』に朝ドラの語り、そして本作と、まさに“声”だけで伝えなくてはいけない仕事が続いた。  「今回もそうですが、アニメのお仕事は、声で全ての気持ちを表現しなければならない。この子はどんな声でどんな気持ちでしゃべっているんだろう? どんな子なんだろう? と想像しながらキャラクターを作り上げていくのは、難しくもあり楽しいところでもあります。『まんぷく』のような語りは、俳優の皆さんのお芝居があるので、その雰囲気を壊さず、でも第三者として見守れるような存在でいられるようにと心がけていました」。 @@insert3  今回、予備知識なしで観る多くの観客は、琉花の声を芦田が演じているとは気づかないのではないだろうか? それくらい、芦田愛菜の存在を感じさせずに琉花という役を体現しているが、それは芦田自身、声の仕事のみならず実写での演技でも目指すところだという。  「見ている人に“演じている”ってことを忘れさせるくらい、役にハマれる役者になりたいです。違和感なく(役柄として)アドリブが出るような…芦田愛菜ではなく、役としてそこにいると感じさせられる役者でいたいと思います」。(取材・文:黒豆直樹 写真:松林満美)  映画『海獣の子供』は6月7日より全国公開。

  • マイケル・ドハティ監督、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』インタビュー

    監督抜てきは「ゴジラへの愛の深さが決め手」 夢中になった少年時代、夢が現実に

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     子どもの頃、毎週土曜日、親友2人を家に招いて、ケーブルテレビで放送していた『ゴジラ』のアニメや実写映画を食い入るように観ていたというマイケル・ドハティ。時は流れ、ゴジラマニアとしてすくすくと成長したドハティは、「いつかゴジラ映画を作りたい」という野望を抱き、45歳を迎える2019年、ついにその夢を具現化させた。本日公開されたハリウッド超大作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』がまさにそれだ。ゴジラを生んだ日本に対しても、「移住したいほど大好きな国」とラブコールを送るドハティ監督が、あふれるゴジラ愛を胸に、本作に込めた思いを熱く語った。@@cutter 本作は、2014年に公開され、全世界興収約530億円の大ヒットを記録したハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』の5年後を舞台とした続編。モスラ、ラドン、キングギドラら続々と復活を遂げる神話時代のモンスターたちがゴジラと世界の覇権を懸けた戦いを繰り広げる中、それによって引き起こされる地球の破滅を阻止しようと死力を尽くす未確認生物特務機関・モナークの活躍を壮大なスケールで描く。  1954年、日本で誕生した『ゴジラ』シリーズも今年65周年。この記念すべき年に、ギャレス・エドワーズ監督の『GODZILLA ゴジラ』のあとを受け継ぐことになったドハティ監督は、「プレッシャーを感じるよりも、とてもハッピーで、エキサイティングな気持ちの方が大きかった」とニッコリ。さらに、監督として自身に白羽の矢が立てられた理由については、これまでの映画実績はもとより、「ゴジラへの愛の深さが決め手だったのでは?」と推察する。  「ゴジラほど巨大ではなかったけれど、『クランプス 魔物の儀式』(2015)などモンスターが登場する映画の監督経験もあり、『X-MEN2』(2003)や『スーパーマン リーターンズ』(2006)など超大作の脚本家として成功している点も評価されたと思う。ただ、一番の決め手は、やはりゴジラに対する愛情の深さ、造詣の深さだと思うんだ。僕がゴジラマニアだということは、ハリウッドではかなり知れ渡っていたけれど、“まさかここまで好きだとは!”と、みんな驚いていたからね(笑)」。 @@insert1  エドワーズ監督版の続編という位置付けとなる本作。前作から受け継いだこと、そして、新たにチャレンジしたことも、ゴジラマニアならでは発想が随所に。「ギャレス版は、とてもリアルなアプローチでゴジラを描いていた。それこそ、この部屋の窓を覗いたらゴジラが出現するんじゃないか、と思うくらいにね。純粋なSF映画に徹していた素晴らしい作品だったが、そこに私は『神話性』を取り入れたいと思ったんだ。昔の東宝のゴジラ映画に強く惹(ひ)かれたのも、SF映画ではあったけれど、モンスターを『神』として崇拝する島の話が出てきたり、そういう要素がとても気に入っていたからね」。@@separator その一方で、「これまでゴジラ映画に登場したモンスターに敬意を払いつつ、アップデートをしたかった」とも語るドハティ監督。今回、モスラやラドン、キングギドラなど、神話時代のモンスターが登場し、監督自らがデザインしたモンスターも登場するが、その造形にはこんな思いが込められている。「自然の素晴らしさ、生き物の存在の大切さを強く訴えているところもゴジラ映画の魅力。だから、自然界から生まれたものとして、例えばトカゲだったり、ヘビだったり、鳥だったり、昆虫だったり…実際にいる生き物の特徴を取り入れたモンスターを描きたかった」と思いを明かす。  さらにドハティ監督は、庵野秀明監督作『シン・ゴジラ』についても言及。「もう何度も観ているよ。とても融和性があって、今風でスマートな印象を持った。美しさと恐怖の両方を兼ね備えたバランス感覚は、日本人ならではの特徴のような気がするし、ユニークな方向へ大胆に持っていく勇気も、ゴジラの母国である日本人だから持ちえるものかなと。ハリウッドは、大作や重要な作品になればなるほどマーケットを意識したフォーマットがあって、それから逸脱してはいけないというルールがある。だから、独自路線を貫いた『シン・ゴジラ』には驚かされたよ」と脱帽した。 @@insert2  なお、本作には、科学兵器オキシジェン・デストロイヤーが再登場したり、ゴジラ、モスラのオリジナルテーマ曲が使われていたり、武器やロケ地、キャラクターなど、細部にわたり、1954年の初代『ゴジラ』へのオマージュが捧げられているのだとか。「これは、長年ゴジラを愛し続けてきた皆さんへのサプライズ。それを発見する楽しさもこの映画の魅力」とアピールするドハティ監督。とっておきのサプライズは、少年時代、共にゴジラに夢中になった親友2人の名前をエンドクレジットに明記したことだそうだが、「これは僕らにしかわからないサプライズ。さりげなく気付いてくれて、喜んでくれたらうれしいな」と、懐かしい日々に思いを馳せていた。(取材・文・写真:坂田正樹)  映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は公開中。

  • 『わたし、定時で帰ります。』第7話場面写真

    『わたし、定時で帰ります。』プロデューサーが明かす、ヒロインへの思いと仕事観

    エンタメ

     女優の吉高由里子が主演する火曜ドラマ『わたし、定時で帰ります。』(TBS系/毎週火曜22時)。「働き方改革関連法」が施行された平成から令和への移り変わりのタイミングに、“定時で帰る”ことをモットーとするヒロインや、さまざまな立場でそれぞれの“仕事観”を持った登場人物の姿が描かれ、毎回放送後には大きな反響が寄せられている。そんな本作の新井順子プロデューサーに、物語やヒロインへの思い、後半に向けての見どころなどを聞いた。@@cutter 朱野帰子の同名小説を基にする本作は、過去のトラウマから“残業ゼロ、定時で帰る”をモットーとする32歳の独身OL・東山結衣(吉高)が、くせ者の同僚社員たちの抱えるさまざまなトラブルを解決していくさまを描く。  今回のドラマは、これまで『アンナチュラル』や『中学聖日記』などを手掛けてきた新井プロデューサーにとって、初の「お仕事ドラマ」となる。「(原作は)タイトルからして今の時代を象徴していると思いました。特に大きな事件は起こらないのですが、日常のささいな出来事で人間ドラマが作れるなという印象でした」。  当初は「定時に帰るなんて勇気いるな」とヒロインの結衣についても感じていたというが、取材を進めていくと、「定時で帰ることは当たり前の人も多いんだと目が覚める思い」だったという。「“テレビ局は特殊な世界だから”とか“分かってないな~”と言われるのは嫌だったので、新人やワーキングマザーなど、さまざまな立場の人に取材を重ねました」。 @@insert1  「結衣のような30を過ぎたくらいの年代は、上からは“下をなんとかしろ!”と言われ、下からは“あの上司なんとかしてください!”と言われる。どっちの気持ちも分かるし、どっちともうまくやりたい。中間で大変な年代なんです」と話す。結衣という人物を描くにあたっては、「定時に帰っていくのに嫌みがないようにしよう。あとはおせっかいになりすぎないように」気を付けたそう。  そんなヒロインを演じる吉高は「“結衣=吉高”なんじゃないかというくらい、せりふを自分のものにして話している。アドリブも『え? 本当にそう思ってるの?』と吉高さんに聞きたくなるくらい、結衣としての言葉なのか、吉高さん自身がそう思って話しているのか分からないほど、ハマって演じてくれています」と太鼓判を押す。@@separator ドラマも後半に差し掛かり、物語はさまざまな観点で大きく動き出す。ユースケ・サンタマリア演じるブラック上司・福永と結衣の対決を軸に、第6話で向井理演じる晃太郎の弟だと判明した柊(桜田通)の動き、結衣、巧(中丸雄一)、結衣の元婚約者・晃太郎の三角関係…。「晃太郎の“今でも好きです”宣言から、結衣と巧の関係に変化が。そんな中、結衣は仕事でトラブルが重なり、何かと晃太郎と一緒にいる時間が増えてきて…。結衣は巧と晃太郎の関係はどうなっていくのか…。さらにそこに圧をかけてくる福永の存在。後半は、チームワークを大切にし始める結衣の変化にも注目してほしいです」。 @@insert2  「仕事とプライベートは直結している。仕事があくせくしてくるとプライベートにも影響してくる。仕事とプライベートは“イコール”なものだから、どっちかに偏りすぎてもダメだと思うんです」と語る新井プロデューサー。「働くって支えあい。困ったときはお互い様ですもんね」とも。  各局特番が顔をそろえた平成最後の4月30日にも、“定時”に平常通りに放送され“平成最後に放送された連続ドラマ”となった本作。遅くまでの撮影やロケが続いたりなどはなく、「連ドラを撮影しているのに、きついっていう瞬間がない」と語るように、現場でもテーマに沿って「働き方改革」が行われているそうだ。終盤に向けて、仕事でもプライベートでも、令和に生きるヒロインがどんな選択をするのか、引き続き視聴者から大きな反響が寄せられそうだ。(取材・文:編集部)  火曜ドラマ『わたし、定時で帰ります。』は、TBS系にて毎週火曜22時放送。

  • 『パラレルワールド・ラブストーリー』に主演する玉森裕太

    玉森裕太、4年ぶり主演映画で感じた「壊れてしまうかも」という恐怖

    映画

     Kis‐My‐Ft2としての活躍はもちろん、俳優としての活動も広げている玉森裕太。『レインツリーの国』以来約4年ぶりとなる主演映画『パラレルワールド・ラブストーリー』では、東野圭吾原作のミステリーで、2つの世界に翻弄される主人公に扮したが、1ヵ月半にわたった撮影期間中、「ずっとイライラしていた」という。@@cutter 目覚めるたびに変わる2つの世界の中で、何が真実なのか分からず追い詰められていく青年・崇史を演じる玉森。行き来するのは、大学時代から想いを寄せてきた麻由子(吉岡里帆)と自分が恋人同士の世界と、麻由子が親友・智彦(染谷将太)の恋人である世界だ。  役が決まったとき、森義隆監督(『宇宙兄弟』『聖の青春』)から「役にすべてを捧げる覚悟で臨んでくれ」と言われた玉森。その際の心境を「もちろんそうした思いでしたが、でも具体的にはどういうことだろうと。『はい、わかりました』と言えばすぐに終わってしまうけれど、より深く考えたとき、どこまでどうするんだと。いろいろなハテナが出てきましたが、死ぬ気でやるしかないなと。これまでにない役ですし、全力でぶつかっていきました」と振り返る。 @@insert1  不安やプレッシャーも感じていた。それは崇史を演じるということ以前に、2つの世界を行き来する、『パラレルワールド・ラブストーリー』という世界に入ることへのものだった。  「この世界が、純粋に怖いと思ったんです。経験したことのない感覚と対峙しますし、崇史を演じた後、自分がどうなってしまうのか、壊れてしまうかもしれないという恐怖がありました」。  そんな難しい作品で、監督はさらに、「まずは自分自身と向き合い、見つめ直してほしい」とリクエストした。玉森は「生い立ちから性格から、全部、箇条書きにしていきました。そのなかで崇史と、ここは似ている、ここは違う。違うところはなぜ違うんだろう。どういう生活を送ったら、それぞれにそうした違いが出るんだろうと。どんどん自分と崇史について深めていきました。考えれば考えるほど、自分って何なんだろうと迷宮入りしましたけど…」と苦笑しつつ、「すごくいい機会をいただけたと思っています」と感謝する。@@separator 撮影期間中は、崇史と作品の世界に浸かり続けた。「つらかったです。崇史として。1ヵ月半の間、ずっとイライラしていました。親友との関係とか、麻由子への想いとか、いろんなことに追い詰められて、自分自身を見失いそうになるくらい、崇史と一緒にいました」。  クランクアップ後は、「魂を吸い取られたようだった」といい、「今まで生きてきて、初めて味わった」感覚だったそう。「張りつめていたものが一気になくなって、なんにもやる気がなくなる」ほどだったが、「にぎやかなメンバーたちに囲まれて、ちょっとずつパワーをもらっていけたのかな」と、今は普段通りだと笑顔を見せた。そして「楽しかったです。自分の内面を初めて見つめられた。とても大きな経験でした」と言葉をかみしめるように語った。 @@insert2  “自分を見つめ直した”ことで役へと没頭した本作は、大きな財産になったはず。真実を求めて苦悩していく崇史は、本編が進むにつれ、どんどんやつれていく。玉森は痩せるために何かしたわけではなく、「自然とやつれていった」という。「作品がそうさせたのでしょうか」と質問すると、「そういうこと言ってみたいですね」と照れ笑いを見せたが、実際、作品に深く染まった証と言えるだろう。(取材・文:望月ふみ)  映画『パラレルワールド・ラブストーリー』は、5月31日公開。

  • 映画『初恋』でカンヌ国際映画祭に初参加した窪田正孝

    窪田正孝、ハードな肉体作りも二重跳びができず「三池さんに殴られました(笑)」

    映画

     俳優の窪田正孝が主演を務め、三池崇史監督が完全オリジナルストーリーで挑む2020年公開予定の映画『初恋』が第72回カンヌ国際映画祭2019「監督週間」で上映された。主演映画のワールドプレミアのため初カンヌ入りしながらも「自分とは全然縁のないものだと思っていました」と謙遜する窪田に、自身の役柄や役作りについて話を聞いた。@@cutter 負けるはずのない相手にKO負けを喫したことから人生の歯車が狂ったボクサー・葛城レオを主人公に、アンダーグラウンドの世界で巻き起こる人生で最高に濃密な一晩を描いていく本作。窪田演じるレオは、たぐいまれな才能を持つプロボクサーという設定だ。  これまでさまざまな役柄をこなしてきた窪田だが、プロボクサー役の身体作りについて「特別身体を大きくしようとか思っていたわけではなく、毎日ひたすらトレーナーの方とボクシングの打ち込み練習をしていたりしたのですが、筋肉痛を超えるくらいやればいいかといった程度で考えていましたね」とコメント。毎日しっかりとトレーニングし、食事もキチンととっていたとのことで「撮影時はあまり思わなかったのですが、完成した作品を観て、思っていたより自分の身体が大きくなっていたのでびっくりしました(笑)」と、身体作りの成果に笑顔を見せる。  さらにボクサーならではの動きについて「縄跳びなんかは結構入念にやりました」と語ると「ただ、二重跳びはできなくて…できないと打ち明けたら三池さんに殴られました(笑)」と撮影時のエピソードを明かした。ハードなトレーニングは肉体的なしんどさもあったようだが、「体力的に厳しい部分はありましたが、その肉体的な疲労が、撮影では精神的な面とリンクする部分があったと思います」と演技への好影響につながったようだ。@@separator 主人公のレオについて、窪田は「中身がすごくピュア」としつつ「でも、ピュアというより、人との関係を閉ざしているんだと思います。それはボクシングのスタイルにも表れているし、人と接することよりも、拳で語り合いたい感じ。周りから見ると接しづらいタイプかもしれないです」と印象を述べる。そんなレオの人間性を「死を近くに感じた時に、危機感だったり、すごく人間っぽさ出てくる」と話し、「そんな感性の持ち主だと思って演じていました」と撮影を振り返った。  今回、三池監督の作品に主演するのはドラマ『ケータイ捜査官7』(テレビ東京)以来、10年ぶり。実は、「また三池さんと一緒にやりたいと言っていたんです。いつになったら呼んでくれるのかとずっとマネージャーに愚痴ってました(笑)」という窪田。念願の再タッグとなった作品で、初のカンヌ入り。現地記者発表では、「カンヌという聖地に連れてきてもらい感無量です」と話していた。  「自分が生きている幅が、自分の中の可能性が、少し広がったように感じます。日本という場所でドラマや映画に出演して生きていきたいと決めてからは、しがみついている感覚があったのですが、その幅を大きくしてくれたように思います」と、カンヌという地を踏んだ手ごたえを語った窪田。「映画やドラマをやらせていただいていますが、純粋に映画が好きだと再確認できました」と力強く語った。  映画『初恋』は2020年全国公開。

  • 『プロメア』で声優を務める松山ケンイチ

    松山ケンイチ、大人もヒーローを観て「ちゃんと影響されるべき」

    アニメ・コミック

     中島かずきが座付き作家を務める劇団☆新感線の出演キャストである松山ケンイチ、早乙女太一がW主演を務めるオリジナル劇場アニメーション『プロメア』。監督は今石洋之。TVシリーズ『天元突破グレンラガン』『キルラキル』の監督・今石と脚本・中島のコンビが新たに描くのは、全世界の半分が焼失した世界で、新たな脅威に立ち向かう、燃える火消魂を持つ、高機動救命消防隊<バーニングレスキュー>の新人隊員ガロが戦うヒーロー譚だ。ガロの声をあてた松山が、「もっとみんな影響を受けていい」とヒーローものへの思いを語った。@@cutter とにかく叫ぶ場面が多いガロ。「テンションをあげて臨むだけでした」という松山は、「おかげでアフレコの1日目と2日目が終わってから、3日目の休みの日に寝込みました。声を出して寝込むんだってビックリしました。でも主人公に熱がないとダメですから。僕は『グレンラガン』も『キルラキル』も好きなんですが、やっぱり熱が特徴的。だから最初からテンションマックスで行きましたけど、改めて声優さんたちのすごさを感じました」と振り返る。 @@insert1  そして「ガロにはブレない強さがある」と明言し、「ブレないって、よっぽど体力がないと無理だなと思いますけど、でもだからといって無理だと諦めちゃったら、それまで。ガロの生き方を見て、自分も曲げちゃいけない部分があるんじゃないかと感じましたし、観ている人にもぜひ考えてもらいたいと思いました」と語る。 @@insert2  「自分を曲げない生き方」の大切さ。同時にガロはかたくななわけではない。それまで自分が見えていなかったこと、見てこなかったものを知ったときには、きちんと目を向ける。「ガロの真っすぐさは子どものようでもあるんですよね。子どもって、大人が押し付けるものや、ルールうんぬんではなく、無意識のうちに、自分自身でいいことや悪いことを感じ取ることができる。でも本当は大人こそがそういう部分を持っていないといけないと思います」と松山。@@separator さらにヒーローものの観方に関しても、もっと子どものようであっていいと続けた。  「子どもってちゃんとヒーローになって戻ってくるんですよ。たとえ短い時間であったとしても。それって本当に大事なことだと思うんです。こういうまっすぐなヒーローを観て、子どもだけじゃなく大人も、ちゃんと影響されるべきだと思います。『こんなのになれないよ』ではなくて、『なれる』んだと。自分の気持ち次第で。みんな、普段からヒーローみたいなものをもっと演じるべきだと思うんです。そこから身に付いたり、実感できるものがあるんじゃないかと思います」。 @@insert3  確かにみんながもっとヒーローを演じれば、世の中はほんの少しよくなるかもしれない。そして世の中なんて大げさなものではなくても、ヒーローの“熱”は、弱気になった自分を奮い立たせるきっかけには十分なる。松山も、気持ちを引っ張り上げることが大変で、「この役をちゃんと表現できるだろうか」と不安に襲われるときがあった。劇団☆新感線の舞台『蒼の乱』に立ったとき。そのとき、松山を押し上げたのが今石×中島作品だった。  「『蒼の乱』は主演が天海さんで、百戦錬磨の舞台の役者さんたちが勢ぞろいしていました。僕はそのとき2作目の舞台。素人みたいなものですよ。すごく不安でした。そんなとき、ずっと観ていたのが『グレンラガン』だったんです。『グレンラガン』を観て、気持ちを引っ張り上げてもらって、そのまま舞台に上がっていた。それを繰り返して千秋楽まで乗り切ったんです」と明かした松山。そんな松山が寝込んでまでそそいだガロの熱が、今度は誰かの背中を押すに違いない。(取材・文・写真:望月ふみ)  劇場アニメーション『プロメア』は5月24日より全国公開。 @@insert4

  • 『ドキュメンタル』に初参戦した霜降り明星のせいやにインタビュー

    霜降り明星・せいや、先輩たちに挑んだ強気の“ものまね”は「リスペクトとボケ」

    エンタメ

     松本人志が企画・プロデュースを務める実験的バラエティ、『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』(Amazon Prime Videoでシーズン0からシーズン7まで全話独占配信中)。10人の芸人たちが参加費100万円を自腹で用意して密室で笑わせ合い、勝ち残れば優勝賞金1000万円を手に入れることができる。この番組のシーズン7に、『M‐1グランプリ』チャンピオンの霜降り明星からせいやが初参戦。ベテラン芸人が多く集う中、若手のせいやはどのように戦ったのか?@@cutter 松本から招待状を受け取るところから始まる『ドキュメンタル』。「やっぱり招待状が届いた時はうれしかったです。すごく好きな番組だったし、天下の松本さんから芸人として認められた気がして。これまでの出場者を見ても、『ドキュメンタル』には真の芸人ばかりが呼ばれていますからね」と、出演が決まった時の喜びを振り返るせいや。だが少しすると、ゆっくりと恐怖がこみ上げてきたという。「『ドキュメンタル』を楽しみにしている人たちの期待にどう応えればいいのかと悩みました。普通のお笑い番組とは全然違って、『ドキュメンタル』はファンが待望している人気映画シリーズのようだと思うんです。その映画を自分のせいで盛り下げてはいけないというプレッシャーを強く感じました」。 @@insert1  ベテラン芸人の中に混じって緊張したかどうか尋ねると、「普通のバラエティ番組だったら、先輩が後輩をいじって笑いが起きるものなんです。僕は26歳なので、出演者の中で基本一番年下だから、先輩からいじられて笑いにもっていくノウハウは身についています。でも、『ドキュメンタル』ではそれは通用しない。年下だから後輩だからと、いつものようにいじってもらえないのが『ドキュメンタル』なんです。上下関係を気にしていたら企画が成り立たない。大先輩たちを前にもちろん緊張はしましたが、少しでも緊張した様子を見せたら笑ってもらえなくなる。だから、大きな壁を感じつつも気力を振り絞って、緊張を見せないようにしました」と、この番組ならではの難しさを明かした。  『ものまねグランプリ』でも優勝するほど、ものまねが得意なせいやは、『ドキュメンタル』の中でも坂田利夫などのものまねを披露。坂田になり切り、先輩芸人たちに強気で物申す一幕も。「あれを見ると『せいや、先輩によく噛みつけるな』と言う人もいるけど、あの芸は毒舌ではないんです、的が外れているから。だって、坂田師匠があんな風に芸人に厳しいことを言うわけがないですからね(笑)。“ものまね+リスペクト+ボケ”なんです」。この芸はシーズン7の中でかなり盛り上がり、せいやが場をコントロールすることも。果たして誰かを笑わせることができたのかは、ぜひ本編を見て確認してほしい。 @@insert2  『ドキュメンタル』への出演は周囲からの反響が大きく、「芸人はみんな『ドキュメンタル』を見ているんじゃないですかね。僕が出演したのを見たと、いろんな人から言われます。すでに出演経験のあるサバンナの高橋さんからは『お前、すごいな。初参戦でよくあれだけできたな』と褒めていただきました。相方の粗品も『すごい、すごい!』と喜んでくれて、『メッチャ笑ったよ』と言ってくれました」と、この番組の注目度の高さを実感していた。  視聴者にとっては、松本やスタッフの笑い声が聞こえ、笑わせ合いにも大爆笑する楽しい番組だが、「芸人たちがいる部屋はシーンとしてますからね。その上、みんな笑わないようにしかめっ面してるから、『先輩たち、今ほんまに怒ってんのちゃうか?』と怯えましたよ(笑)。何度も心が折れそうになりながら、極限状態を耐え抜くしかありません。『ドキュメンタル』は、まさに“メンタルのドキュメント”ですね」と解説。 @@insert3  最後にシーズン7の見どころを聞くと、「僕が個人的に好きなのは、何ともない会話で笑いそうになっている場面です。『ドキュメンタル』ファンも好きなところだと思います。フットボールアワーの後藤さんは、何ともない会話で急に突っ込みを入れたりするのが上手いですよね。あれ、僕大好きなんですよ!何も仕掛けていないのに笑いそうになるという。今回もそれが結構あるので、楽しみに見てほしいです」と教えてくれた。もちろん、シーズン7の最年少出場者、せいやの健闘ぶりも必見だ。(取材・文:清水久美子/写真:ナカムラヨシノーブ)

  • 中田秀夫監督、『貞子』インタビュー

    Jホラーブームから20年…中田秀夫監督、自身の作品を観返し「いい距離ができた」

    映画

     1998年公開の映画『リング』で、日本にJホラーブームを巻き起こした中田秀夫監督の最新映画『貞子』が、いよいよ明日公開を迎える。あの“貞子”が私たちの前にまたもや現れるのだ! 第1作目から20年を経た今、どんな想いで再び“貞子”と相まみえたのだろうか? 中田監督に話を聞いた。@@cutter 「“貞子”というものに対して、いい距離ができたんだと思うんですよ」。  本作のオファーを引き受けたことに対し、中田監督はそう語った。『リング』シリーズはこれまでハリウッド版を含め9作品が作られた。その中で中田監督がメガホンを取ったのは、初代『リング』と1999年公開の『リング2』、そして2005年のハリウッド版『ザ・リング2』の3作。そして前述の言葉の裏には、ハリウッド版『ザ・リング2』を撮ったときの“後悔”がある。  「ハリウッドの『ザ・リング2』を撮っている時、この演出は既にやったよな……と思うことが多々あったんです。そう思ってしまうと変に違うことをやろうとしたり、『同じことはやめておこう』と、やるべきだったことをやらなかったり。自分へのブレーキをかけてしまっていたんです。アメリカでは撮り方や編集の仕方も色々違ったし、自分の生理に合ったものとは違うものになってしまった。そんな反省や、自分に対するふつふつとした怒りがありました」。  そんな『ザ・リング2』からも14年という月日が経った。監督自身、また新たな気持ちで自分の過去作、そして“貞子”という存在を振り返ることができるようになったことが、前出の言葉につながるのかもしれない。そして今回、『貞子』の撮影を始める前には、自身が撮ったホラー作品をほぼ全部観返したのだという。 @@insert1  「なかなかやらないことなんですけどね。観返して思ったのは、自分で言うのも何なんですけど、1998年の『リング』はよくできてるな、と(笑)。やっぱり画もいいし、ストーリーも無駄がない。翌年の『リング2』はハチャメチャやってますけど、あれはあれで僕は好きで。とにかく、“貞子シリーズ”では、自分はこういうことをやってきたんだな……と、その作業で再確認することができましたね」。  最新作では、観客が思う“貞子らしさ”は保ちつつも、時代に沿った新たな表現を取り入れる“挑戦”も行われている。過去作を改めて観直したことが、本作の撮影に関してはプラスとなったようだ。@@separator また、本作で注目すべきは、主演をつとめた池田エライザだ。映画単独主演2作目にして、堂々たるスクリーミング・ヒロインぶりを発揮している。中田監督が池田を主演に選んだのは、ある意味“直感”だったとか。 @@insert2  「結局ホラー映画って “怖がる人”を見るのが怖いんです。特に貞子については、観客が見慣れてしまっている。だとしたら観客は、池田さん演じるヒロインが貞子に迫られる様子を見て怖がるんですよ。そこで重要なのが“目”。僕のホラー映画に出てもらった歴代ヒロインは、思い切り恐怖に目を見開いてもらってきた。そして、それを観る側の人たちは彼女達の不安や恐怖に乗ってホラー映画を怖がり、楽しむわけです。池田さんは元々、目の表現力がとてもいいんですよね」。  ヒロインとして大きな信頼を寄せる池田について、「ここからどんどん、ポスターの真ん中に立つ人になっていく」と言い切る中田監督。思えば、松嶋菜々子の映画初主演作が『リング』であり、その後の飛躍はご存知の通り。この作品はある意味、池田エライザという女優が大きくステップアップしていく瞬間を切り取ったものとも言えるかもしれない。 @@insert3  今や世代を超えて誰もが知る存在になった“貞子”だが、監督は、「名誉なことですよね。僕もそんなふうになるとは思ってなかったし、そもそも『リング』を作ったときはそこまで期待されてなかったと思うんです」と笑って明かす。なぜ貞子は、Jホラー屈指のホラーアイコンとなりえたのか? 監督の分析によると、理由は「シンプルさ」だ。  「例えば、日本の江戸時代に描かれた幽霊画とかも、白い死に装束を着て水辺に立っていますよね。実は『リング』で最初に貞子の衣装合わせをした時、よく見ると小さな花柄が入った衣装も用意されていたんです。でも結局、アップになったときのことを考えて真っ白なものを選んだ。これが結果的に、徐々に幽霊画に近づいていった。クセがない、シンプルなキャラクターだからこそ、時代を超えて受け入れやすいのかなと思います」。  本作の貞子はビデオデッキとテレビではなく、動画サイトから“呪い”が伝染していく。『リング』から20年を経て、“いい距離感”を得た中田監督が生み出す新たなる恐怖を、スクリーンで堪能しようではないか。(取材・文・写真:川口有紀)   映画『貞子』は5月24日より全国公開。

  • 映画『空母いぶき』に出演する本田翼

    本田翼、迷い続けた女優への道 いまは「この道を決断してよかった」

    映画

     女優、モデル、さらには趣味を活かしてゲーム実況のユーチューブチャンネルを開設するなど、さまざまな顔を見せている本田翼。なかでも来年、8年目を迎える女優業では、現在放送中のドラマ『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』(フジテレビ)を含め、8年連続地上波ゴールデン・プライム帯ドラマへの出演を果たしている。さらに最新出演映画の『空母いぶき』で、自身にとって初めてのクライム大作に挑戦。飛躍を続ける本田だが、女優業に踏み出した当初は「自分には違う」と感じていたという。@@cutter 『沈黙の艦隊』『ジパング』といったヒット作で知られる漫画家かわぐちかいじの原作を、『沈まぬ太陽』の若松節朗監督が映画化した『空母いぶき』。本田は、ネットニュースの記者の裕子を演じる。航空機搭載型護衛艦《いぶき》での取材中に、日本の領土が国籍不明の武装集団に占領されるという、戦後日本最大の危機に居合わせることになる、映画オリジナルのキャラクターだ。  本田は裕子を「普通の女の子」だと捉えた。「なんとなく今の職場に受かって、なんとなく先輩について行ったりしている子。かといってだらしないわけではなくて、真面目にやってはいるのだけれど、強い正義感があるわけでも、意欲があるわけでもない。平凡な女の子。若松監督とも、そうした裕子がどう動くのかを大事にしていきましょうと、お話しました」と語る。 @@insert1  そして裕子は、“いぶき”での体験を通して、成長していく。「こんな非常事態が起きたら、帰りたいと思うのが普通ですよね。裕子も“いぶき”を後にしようとします。でも残ると決めるんです。ジャーナリストとしての意識というか、義務感みたいなものが芽生えた瞬間だったのだと思います」と裕子の決断を振り返った本田。@@separator そんな本田自身の大きな決断は、モデルとしてデビューした芸能界で、仕事を続けていこうと決心したときだった。  「正直、この道でいいのかどうか、めちゃくちゃ迷っていました。最初にお芝居をやらせていただいたときには、もうやらなくていいなと思ったんです。自分には違うかなと」と、心境を明かす。 @@insert2  「『違うんじゃないか』『もうちょっとやってみよう』と攻防戦を続けているうちに(笑)、オーディションに受かり始めたんです」。そこからはとにかく「がむしゃらに突っ走ってきました。あのときの支えに今も感謝していますし、自分もこの道を決断してよかったと思っています」。  本作への挑戦で、その気持ちはさらに強固なものになった。  「クライシス大作というジャンルに参加させていただいたのが初めてで、まずはそのこと自体をすごく嬉しく感じています。それに裕子のような普通の女の子というのも、実はあまりやったことがなかったんです。どこか芯が強かったりする子はありましたが、本当に平凡なフラットな女の子が成長していくという役は初めてでした。それをこうした緊張感のあるなかで臨ませて頂けたことは貴重な経験になりました」。 @@insert3  これからも女優業はもちろん、型にはまらず色々なことに挑戦していきたいと意欲を見せる本田が、観終わって大きく息を吐いたという本作公開に向け、最後にメッセージを送った。「とても考えさせられました。自分と同じ世代や、若い世代の方々に特に観てもらいたいです。戦争ってこんなに怖いことなんだということを強く感じられると思います」。(取材・文:望月ふみ 写真:松林満美)  映画『空母いぶき』は5月24日より全国公開。

  • 『デジタル・タトゥー』に出演する瀬戸康史

    瀬戸康史、連ドラ続きで“大忙し”も「全然苦じゃない」

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     “デジタル・タトゥー”とは、インターネット上に書き込まれた誹謗(ひぼう)中傷などの“傷”を、タトゥー(刺青)に例えた言葉。この言葉がタイトルとなったドラマ『デジタル・タトゥー』で瀬戸康史が演じるのは、動画サイトで荒稼ぎする20代ユーチューバーだ。NHK連続テレビ小説『まんぷく』や、現在放送中の『パーフェクトワールド』で演じている好青年イメージからは、またガラリと違う役柄だが「役の振れ幅が大きい方が、観ている方も面白いですよね」と笑う。@@cutter 今作はインターネットに疎い50代の「ヤメ検弁護士」岩井堅太郎(高橋克実)が、ひょんなことから知り合った人気ユーチューバー、タイガ(瀬戸)とバディを組み、インターネット上に書き込まれて消せない中傷や、個人情報の拡散により苦しむ人たちを救い出す姿を描く。  瀬戸が演じるタイガは、登場時はいかにも“今ドキの若者”という印象だ。しかし実は父親が政界の重鎮であり、岩井とも因縁がある人物。また、慕っていた兄の自殺という過去も大きく彼に影を落としており、内面に抱えているものが物語の展開とともに徐々に明かされていく。 @@insert1  「タイガの発する言葉には、常に裏の意味があるんです。でもそれを隠そうとしてもまだ子どもの部分があるから、どうしてもにじみ出てしまう。そこはすごく切ないな、と僕自身は思っていて。人間の感情って、1つの面だけじゃなく、複雑なものが混じりあっていますよね。例えば悪意だとしても、そこに悲しみが入っていたりするかもしれないし、怒ることでリフレッシュをしている人もいるかもしれない。じゃあタイガの心はというと、今はめちゃくちゃなんですよ。でも強がったり、冷静ぶったり、大人ぶってしまう…そんな役です」。 @@insert3  若さと、ユーチューバーとして成功者であるという自信と。短絡的に調子に乗る姿も見せつつ、内側には繊細な感情を抱えていることをにじませる。実は脚本のほとんどはキャストが決まってから書き上げられたらしく、ほぼ“あて書き”。瀬戸自身は記者会見で初めてこの事実を知らされ、驚いていた様子だった。  「そうだったんだ! と思いましたね。でもそれでこういう役!? と(笑)。でも、ちょっとイラついていたり、攻撃的だったり、そういう一面も僕に感じてくれたんですかね」。 @@insert2  そんな尖った部分も持つタイガというキャラクターだが、作品の撮影自体は、瀬戸にとってはかなり楽しいもののようだ。それは今回バディを組む、高橋克実の存在。実は意外にもこの2人、今回が初共演。2人がガッツリと演技を戦わせる場面も多いのだが、瀬戸いわく「克実さんとのシーンは大好きです! エチュードでもいいからずっとやっていたい」とのこと。  「本当に“合う”んですよ。何なんですかね、すごく感覚的なものなんですけど…緊張感が決してないわけではないんです。でも、演じている自分自身はリラックスしているという。なかなかないですよ、こういう感覚は。僕自身も1年半に1本くらいは舞台をやるようにはしていますし、克実さんも演劇人ですから、演劇の感覚に近いのかもしれないですけどね。監督のこだわりで、シーンをあまり止めずに“通し”で撮ることが多いんです。だからそこも舞台っぽいのかな。でも本当に演じていてストレスがないので、『いいのかな』と思うくらい」と笑う。@@separator 2018年は『海月姫』(フジテレビ系)からスタートし、ドラマ『透明なゆりかご』(NHK)、『まんぷく』と話題作への出演が立て続いた。そして今も出演ドラマが2作が同時に放送中。相当に忙しいはずだが…。  「僕、“演じる”って発散だと思っていて。もちろんストレスが溜まるときもありますけど、基本的には役の言葉に乗せていろんなことを発散していると思うんです。だから演じることがとても楽しいし、自分の中にあった小さな悩みみたいなものも、一緒に吹っ飛んでいってるような感覚があるんですよね。だから、忙しくても全然苦じゃないんです」。 @@insert4  演じることが楽しいのは、俳優を初めた頃からずっと。でもキャリアを重ねていく中で少し出てきた余裕が、より演じることへの楽しさへとつながっているという。特にここ6~7年は、自分の視野が広がってきていることを実感しているとか。  「いろいろな人との関係性ができてきたから、というのもあるんでしょうね。この仕事が天職だな、って思いだしたのも6~7年前頃から。今回の克実さんみたいに、まだまだすてきな出会いもありますし。楽しいです、本当に」。  演じることを心から楽しんでいるからこそ、役柄の魅力へとつながっているのだろう。今作では親子ほどの年の差の“バディ”で、生き生きと輝く彼を堪能したい。(取材・文:川口有紀 写真:高野広美)  土曜ドラマ『デジタル・タトゥー』はNHK総合にて毎週土曜21時より放送中。全5回。

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