インタビュー 関連記事

  • 『映画ドラえもん のび太の月面探査記』水田わさびインタビューカット

    水田わさび、ドラえもんとの14年 年を重ねて気付いた責任の大きさ

    アニメ・コミック

     国民的アニメの映画シリーズ最新作『映画ドラえもん のび太の月面探査記』が3月1日から公開される。ドラえもんの大ファンという直木賞作家・辻村深月が脚本を担当。声を演じる水田わさびは、辻村が描く本作を「(原作者の)藤子・F・不二雄先生の要素が全て分かりやすく組み込まれている」と太鼓判を押す。水田に本作の魅力、そして声を担当して14年目を迎えたドラえもんへの思いを語ってもらった。@@cutter 月を舞台に、ドラえもんやのび太らが謎の転校生ルカや、エスパルという不思議な力を持つ子どもたちと出会い、冒険を繰り広げる本作。もともと辻村の小説を愛読していたという水田は、脚本を読んだときに「ゲストキャラの登場の仕方が新鮮だった」という。「通常だとのび太くんの部屋に何かの拍子でやってくることが多いんですが、今回はルカが転校生として学校にやってくる。辻村先生の作品は学校ものが多いので、“辻村あるある”を感じた部分です」と語る。  そんな辻村の脚本について、水田が一番強く感じたというのが「藤子先生の『映画ドラえもん』だ」ということ。「藤子先生の要素がかなり多いんです。藤子先生の作品には絶対うそのない科学の説明があるのですが、それがちゃんとあります。そして、冒険での出会い、挫折から結束し、仲間を意識して、助けて戦って、そして別れがある。藤子先生の『映画ドラえもん』の要素が、全て分かりやすく組み込まれています」と絶賛する。 @@insert1  そんな脚本を八鍬新之介監督が映像化。38歳の八鍬監督も『ドラえもん』を子どもの頃から見てきた。水田は「『映画ドラえもん』って、親子3世代が安心して見られるもので、安心の中にも“ワクワクしたアドベンチャー要素”が詰まってるんです。監督もそういった意図を汲んで演出されています」と熱弁する。  作品によっては斬新な試みもある『映画ドラえもん』。水田は「それもそれで好き」としながら、「今回の“ザ・藤子ワールド”が大好きです。小説好きな私から見ると、今作は“本を読んでる感覚と似てる”と思いました。毎年見てらっしゃる方はもちろんですけど、ご無沙汰している子どもの頃にドラえもんを見ていた大人の方にこそ見てほしい作品」 と胸を張る。@@separator 2005年に大山のぶ代からドラえもんの声を引き継いだ水田。すでに14年以上の歳月が経ち、26年務めていた大山の折り返し地点を超えた。引き継いだ当時のことを聞くと「最初は何もかも分からなさすぎて逆にプレッシャーがなかった」と意外な答えが。「『ドラえもん』って風邪を引いても休めない。年を重ねるごとに、責任の大きさに気付いてきて、今はプレッシャーがすごくて。インフルエンザの予防接種を受けたことがなかったんですけど、ここ十数年は受けてます」と笑う。 @@insert2  そんな水田にとって、ずばりドラえもんとは? 「ライフワークだと思ってやっています。正直ご先祖様や実家には悪いですけど、私にとって『映画ドラえもん』はお盆、正月より大きいことで、1年の中で中心ですね」と笑顔を見せる。  劇中では「想像力は未来だ」というドラえもんとのび太のセリフがある。「想像が無理なら妄想でもいいし、ツライことがあったらいいことを妄想することで、いい未来につながるのでは」という水田。次世代のクリエイター陣がつなぐ藤子・F・不二雄の意思が詰まった『映画ドラえもん』は、大人になった私たちが忘れがちな大事なものを思い起こさせてくれる作品なのかもしれない。(取材・文・写真:高山美穂)  『映画ドラえもん のび太の月面探査記』は3月1日より全国公開。

  • 『九月の恋と出会うまで』に出演する高橋一生&川口春奈

    高橋一生&川口春奈、初共演で「くだらない話も一緒に」

    映画

     高橋一生が初の恋愛映画主演に挑むことで話題の『九月の恋と出会うまで』。本作で、高橋が恋心を寄せる隣人女性を演じたのが、こちらは恋愛映画に多数出演している川口春奈だ。互いに映画、ドラマと出演作品が多い2人だが、共演は初となる。タイムリープにまつわる切ない恋の物語…共演した2人は互いにどんな印象を持ったのだろうか――。@@cutter 松尾由美の人気恋愛小説を映画化した本作。ちょっと不思議なマンションに引っ越してきた志織(川口)と小説家志望の平野(高橋)は“未来からの声”がきっかけで交流を深めることになる。タイムリープというミステリー要素はあるものの、2人の男女が織りなす恋の物語は非常に切ない。高橋は「まさか僕がやらせていただけるなんて…」と恋愛映画初主演の感想を述べると「これだけ王道のラブストーリーは、年齢的にもやりづらくなってくると思うので、ここでお話をいただけたことは、とてもありがたいです」と笑顔を見せる。    川口も「今の年齢でなければできないことがあると思う」と恋愛映画に対してポジティブに取り組んでいることを明かすと「高橋さんとは、一緒にお芝居してみたいと思っていた俳優さんだったので、長い時間対峙できる作品でお仕事ができたことが、とてもうれしかった」と目を輝かせる。 @@insert1   高橋との共演を望んでいたという川口。高橋に対して「すごく物静かで寡黙なイメージだった」と撮影前の印象を語るが、実際現場を共にすると「すごくお話をしてくれて、しかも聞き上手。すごくくだらない話も一緒に乗ってくださるんです」と自身が持っていたイメージとのギャップにやられたようだ。そんな川口の発言に、高橋は「単純に話をしていて楽しかったんです」と、スムーズな会話ができたのは、川口が最初からオープンマインドで接してくれたからだという。    また俳優として対峙した印象を問うと、高橋は「とても柔軟なお芝居をする方」と即答する。「芝居をする上で、自分の行動に対して迷いがあることを見せないようにしていても、見えてきてしまう人が多いのですが、川口さんは、若いのに対応力があって、迷いがないんです。とても真面目にお芝居をされるし、こちらの芝居にも真面目に返してくれる。年下ですが尊敬できる方でした」と絶賛する。 @@insert2   一方、川口は高橋に対し、「職人みたいで緻密な計算の上でお芝居をされている感じがしました」と語ると、川口が意識していない部分の動きや感情までも考えながら芝居をしていることに驚きを覚えたという。「現場での居方も、常にいろいろな人に気を配っているので、皆さん『また高橋さんと仕事がしたい』と感じるんだと思います」と演技だけではなく、現場での居住まいにも感銘を受けたようだ。@@separator 本作では“時間”が物語に大きな影響を与えるが、高橋は「最近、時間について考えることが多いんです」とつぶやくと、ギリシャ神話に登場する「クロノス」と「カイロス」の時間概念について話し出す。クロノスとは「1日は24時間」という誰にでも平等に訪れる時間。一方のカイロスは、人が体感する時間。例えば物事に熱中しているときの10分と、暇でボッとしているときの10分では、感じ方がまったく違うという相対的な時間のこと。高橋は「僕は、年々カイロス時間を意識するようになってきています。同じ24時間でも、人によってはその長さは違う。年々1日は短く感じるし、基本的には主観的な時間の流れが大切だと思っているんです」と持論を展開する。 @@insert3   そんな高橋の発言に、川口も「私も年々、1日24時間では足りないと思うようになってきているのかな」と語っていたが「でも『早く時間が過ぎて!』と思うシチュエーションもあるので、時と場合によるのかも」と思いを巡らせていた。    高橋、川口共に、山本透監督の「脚本やセットなど細部にまでこだわったモノづくりに対する姿勢」を称賛。この言葉通り、ストーリーラインの魅力だけではなく、物語に派生するさまざまなプロフェッショナルを堪能できる映画になっている。(取材・文:磯部正和 写真:高野広美)  映画『九月の恋と出会うまで』は3月1日より全国公開。

  • 『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』に出演中の今田美桜

    今田美桜、女優を夢見て福岡から上京3年目「今は充実感でいっぱい」

    エンタメ

     俳優の菅田将暉が主演を務める連続ドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系/毎週日曜22時30分)で、何事にも動じない勝気な女子高生・諏訪唯月(すわ・ゆづき)を熱演している女優の今田美桜。第5話では、菅田が演じる教師・柊一颯(ひいらぎ・いぶき)と本気でぶつかり合い、胸の内をぶちまけながら泣き叫ぶシーンが話題となった。肝のすわった“攻め”の演技で物語に命を吹き込む今田が、自身の原点でもある故郷・福岡への愛をにじませながら、女優としての覚悟を語った。@@cutter 今田が演じる唯月は、読者モデルとしてクラスで一目置かれる女王様的存在。役づくりにおいて特に外見にこだわったという今田は、「目つきと声のトーンは意識しましたね。髪型も、前髪を下ろした方がいいか、かき上げる感じがいいか、それともポニーテールがいいか、かなり迷いましたが、気が強くて動じない性格をより強調するために、顔をしっかり出そうということで、あの髪型に落ち着きました」と経緯を語る。視聴者から「怖い」「近づき難い」という感想が多く届いているが、これに対して今田は、「そう思っていただけたのなら、とてもうれしい。私の意図していたことが伝わった証拠だから」とニッコリ。 @@insert1  ただ、唯月というキャラクターに「共通点をなかなか見出せていない」という今田は、第5話で本心を見せるまでずっと胸が苦しかったという。「唯月は心の底で、自分のやってきたことを間違っていると思っていたのに、ブッキー(柊の愛称)に“お前の過去は間違っていない、恥をかかずに強くなれると思うな!”と言われ、初めて動揺します。でも、私的にはようやく本心を見せることができて、実はホッとしたんです」と本音を吐露。さらに今田は、「菅田さんは常に本気でぶつかってくるので、それに負けちゃいけないといつも必死です。ブッキーが吐く1つ1つの言葉がリアルに胸に突き刺さって…クールな表情をしていますが、毎回、泣きそうな気持ちをグッとこらえているんですよ」と胸の内を明かした。     視聴者から「唯月は怖い」と評されることを女優冥利(みょうり)と捉える今田。リスクを怖れぬチャレンジングな演技には驚かされるばかりだが、お気に入りの映画に『愚行録』(2017)を挙げるなど、人間の心理を洞察する作品に「強く惹かれる」というのだから、その潔さも納得だ。「社会性やメッセージ性が強く、観ていて深く考え込んでしまうような人間ドラマが好きなんです。そういった意味では、『3年A組』はすごく手応えを感じていますね。ここまでメッセージ性の強いドラマは初めてといっても過言ではないので。今後もこういった作品にどんどん出られる役者になりたい」…この言葉からも女優としての覚悟がうかがえる。 @@insert2@@separator 福岡から上京して3年目、早くもネクストブレイク女優として名乗りを上げた今田だが、彼女を支えているものは、やはり自分を育んでくれた故郷への思い。「福岡はタレントの宝庫と言われていますが、やはり、土地の力というか、狭い地域の中にいろんな才能が集まって、情報を共有しながらお互いに刺激し合い、高め合っている。そこが大きな強みかな」と郷土愛が溢れ出す。さらに、「福岡から“女優になりたい”という夢を持って上京しましたが、こちらで徐々に映画やドラマのお仕事をさせていただくようになって、改めて役と向き合うことの難しさ、そして楽しさを実感しています。ますます女優というお仕事が好きになったというか、今はもう充実感でいっぱいですね」と大きな瞳を輝かせた。 @@insert3  平成最後の年に花開いた福岡生まれの可憐な花…。作品を彩るヒロインとして、スクリーンで、あるいはお茶の間で、大輪の花を咲かせる日もそう遠い話ではないだろう。(取材・文:坂田正樹 写真:高野広美)  ドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』第8話は2月24日、22時30分より日本テレビ系で放送。

  • 『ビール・ストリートの恋人たち』バリー・ジェンキンス監督インタビュー

    『ビール・ストリートの恋人たち』監督が明かす製作秘話 チャンスをくれたブラッド・ピットに感謝

    映画

     映画『ムーンライト』(16)で第89回アカデミー賞作品賞・脚色賞ほか数々の賞に輝いたバリー・ジェンキンス監督が、敬愛する黒人作家ジェイムズ・ボールドウィンの同名小説を映画化した最新作『ビール・ストリートの恋人たち』を引っ提げ初来日。いち早く本作のプロデュースに名乗りを上げたプランB(俳優のブラッド・ピット率いる製作会社)に感謝の意を表しながら、本作に込めた熱い思いを真摯に語った。@@cutter 1970年代、N.Y.ハーレムが舞台の本作は、19歳のティッシュ(キキ・レイン)と22歳のファニー(ステファン・ジェームズ)という若い黒人カップルの純愛を描きながら、差別的な社会への抵抗と怒りを浮き彫りにするラブストーリー。第76回ゴールデン・グローブ賞では、ティッシュの母親シャロンを熱演したレジーナ・キングが助演女優賞を獲得し、今月25日に開催される第91回アカデミー賞授賞式では、ノミネートされた脚色賞(ジェンキンス監督)、助演女優賞(レジーナ)、作曲賞(ニコラス・ブリテル)の3部門で結果を待つ。 @@insert1  2年前、アカデミー賞作品賞の発表で、読み違いのアクシデント(受賞作を『ラ・ラ・ランド』と誤って発表)に見舞われたジェンキンス監督。「とても初歩的なミスが一番大切な場面で起きてしまったことは残念に思うけれど、個人的には誰も恨んではいない。間違えたら、やり直せばいいだけのことだからね。それよりも、自分のセクシャリティに思い悩む黒人青年の物語が作品賞を受賞したことはとても歴史的な出来事なのに、読み間違いばかり注目されたことが何よりも悔しかった」と苦笑いを浮かべる。  そして再びアカデミー賞発表の日を迎えるが、「今回は1人の映画ファンとして気楽に参加したい」と語るジェンキンス監督。『ムーンライト』に続き、またしても脚色賞にノミネートされているが、そもそも数あるボールドウィン小説のなかで、なぜ『ビール・ストリートの恋人たち』を映画化しようと思い至ったのか。「彼の小説は、主人公自らが招き寄せてしまう悲劇的なものが多いのですが、この作品は若い2人がただ純粋に愛し合っているだけなのに、それを滅ぼそうとする理不尽な力がのしかかってくる。恋人たちの美しい愛の姿と黒人に対する不当な扱い、2つの声を見事にブレンドしている描写に強く心を奪われたんだ」と述懐する。@@separator そして、ジェンキンス監督の情熱にいち早く共感し、製作者として名乗りを上げたのがブラッド率いるプランBだった。同社は、ジェンキンス監督の才能に惚れ込み、長編映画デビュー作『Medicine for Melancholy(原題)』から3作連続でプロデュースを行っている。「ブラッドは誰もが認めるハリウッドのトップスターだが、同時に才能を持ったクリエイターに道を拓いてくれる優れた製作者でもある。彼が立ち上げた「プランB」は、私たちのような資金不足に苦しむ映画人にチャンスを与えてくれるだけでなく、作品に対して一切口出しせず、自由に創作活動できる環境を整えてくれる。普通、あれだけのスターパワーを持っている人なら、監督をコントロールしようとするものだが、彼にはそういう考えが全くない。本当に最高の男だよ」と称賛の言葉を惜しまない。 @@insert2  人種差別への抵抗と怒りを内に秘めながら、美しい純愛が情感豊かに描かれる本作。ウォン・カーウァイ監督の作風にも通じるその映像美は、ラブストーリーを好む女性の心にも優しくスーっと沁み渡る。「確かに、『ムーンライト』では『ブエノスアイレス』の影響を受けていたし、本作では『花様年華』を想起させるシーンもある。ただそれは、同じメディアの中で無意識のうちにインスパイアされていることが多く、完成した作品を観て“なるほど”と気づくこともよくあるんだ。新作を撮るときは、なるべくオリジナルなものを追求したいからね」とニッコリ。  今回、人間の豊かな表情を映し出すためにALEXA 65(デフォルトサイズが2:1)というカメラで撮影されたそうだが、「この物語に私はポートレートのような要素が必要だと感じた。表情の積み重ねによって生まれる、映画と写真の間にある不思議な世界観もぜひ味わってほしいね」とアピールしていた。(取材・文:坂田正樹)  映画『ビール・ストリートの恋人たち』は2月22日より全国公開。 @@insert3

  • ローサ・サラザール、『アリータ:バトル・エンジェル』インタビュー

    『アリータ』主演女優、オーディションでロバート・ロドリゲス監督を泣かせる

    映画

     巨匠ジェームズ・キャメロンが長年にわたり熱望していた木城ゆきとのSFコミック『銃夢』の実写映画化がついに実現した。『アリータ:バトル・エンジェル』と名付けられた本作の主人公、圧倒的な戦闘能力を誇るサイボーグ少女・アリータを演じたのは、映画『メイズ・ランナー』シリーズのローサ・サラザールだ。パフォーマンス・キャプチャーを使った最先端の映像技術と、エモーショナルなローサの演技の融合によって圧倒的な存在感を見せるアリータ――。その舞台裏をローサに聞いた。@@cutter 映画『アバター』『タイタニック』という世界興収1、2位を独占している映画を手掛けた稀代のクリエイターであるジェームズ・キャメロンが、構想25年を費やした本作。スケジュールの関係で、キャメロンは監督こそ務めることができなかったが、脚本・製作を担当し、映画『デスペラード』や『シン・シティ』のロバート・ロドリゲスがメガホンをとった。  世界中で注目を集める本作のヒロイン、アリータをオーディションで勝ち取ったローサは、「ちょうど3年ぐらい前になりますが、オーディションのことはよく覚えています」と笑顔を見せると「ロバートは私の演技を見て涙を流したんです」と裏話を披露する。  オーディションでは、1~2シーン程度の台本で演技をすることが普通だそうだが、この作品では5シーン、11ページにも及ぶ長い場面が用意された。「シーンが少ないと、あまり幅のない演技を見せることになるのですが、このオーディションでは、アリータに必要なさまざまな感情を見せることができました。すごくありがたかったですし、私の演技で彼を感動させることができたということは、すごく思い出深い出来事でした」。 @@insert1  オーディションの最中は、あまり多くを語らなかったというロドリゲス監督だったが、机の上にあった大勢の女優の写真の中から、ローサを探すと「僕の友達が、君と仕事をするべきだと言っていたんだ」と語りかけてきたという。そのとき、ローサは「私もそう思うわ」と発言。部屋を出たあと、ローサは「なんて生意気なことを言ってしまったんだろう」と一瞬後悔したが、「でもアリータというのは、こういう発言をする一面もあるから」と思い直したという。結果は合格。「これが運命というものなのかも」と述懐した。  大役を射止めたローサ。キャメロン&ロドリゲス監督というタッグについて「2人とも大きな結果を残してきた偉大なる人たちなのですが、まったく自分たちが上の立場だということを主張しないんです。とてもオープンで愛を注いでくれる。特にロバートは俳優を一番に考えてくれる監督。私の意見を尊重し、輝かせてくれる。とても学びの多い現場でした」と大いなる実績だけではなく、人間的にも尊敬できる人物だと強調する。@@separator@@insert2  “くず鉄町”に捨てられたサイボーグのアリータは、そこから周囲の人々との触れ合いによって“心”を宿していく。「何もないところからスタートする彼女の気持ちはすごく理解できます。私もゼロからのスタートだったし、自分が取るに足りない人間だと思うことや、不安な気持ちになることもあります。若いころって、誰でも大きな世界のなかで、自分が小さな存在だと思うことがある。そんな中、アリータの持つ強さや理想主義的なところはとても共感できます」。  アリータが繰り広げる“自己発見の旅”。ローサは自身に重ね合わせ、丁寧に、そして感情的にアリータを作り上げていった。パフォーマンス・キャプチャー(三次元の人間の動作に、表情の変化もデジタルデータとして映像に取り組む技術)による人物造形についても「この技術によって、私はサイボーグにもなれたし、14歳の少女にもなれた。普通だったらできない役を演じられるというのは、俳優としてはとても魅力的」と語る。  「違う人間になるとき、普段ならヘアメイクや衣装も大きな助けになるけれど、今回はまったく違うプロセスを経験できました」と語ったローサ。映画作りの最先端での撮影は、彼女の知的好奇心をくすぐったようで「常に挑戦すること、新しいことに触れることが私の目標なんです」と目を輝かせていた。(取材・文・写真:磯部正和)  映画『アリータ:バトル・エンジェル』は全国公開中。

  • 大原櫻子『あの日のオルガン』インタビューカット

    大原櫻子、戸田恵梨香との共演で得た“経験したことがない感覚”

    映画

     映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』(2013)でスクリーンデビューを飾る一方、本作でアーティストとしてCDデビューも果たした大原櫻子。その後も、歌手として日本レコード大賞・新人賞や、『第66回紅白NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)への出場、女優としてもドラマや映画、ミュージカルなどを精力的に行い、表現者としてさまざまな可能性を示してきたが、いま彼女はどんな思いで芸能活動を行っているのだろうか―胸の内を聞いた。@@cutter 「もっと映画がやりたい」と目を輝かせて語った大原。彼女がそんな思いに駆られた現場が、戸田恵梨香とダブル主演を務めた映画『あの日のオルガン』だ。本作は、太平洋戦争末期、日々激化する空襲から子どもたちを守るために行った「疎開保育園」の実話を描いた感動作。大原は、厳しい状況の中、明るく元気に子どもたちと接する保母・野々宮光枝を演じた。  本作で監督を務めたのは、平松恵美子。長年、山田洋次監督の元で共同脚本と助監督を務めてきたベテランだが、大原は「キャリアもあり、大先輩、大御所の方なのですが、私と同じ目線に立ってくださり、こちらが思っていることを受け止めていただけました」と撮影を振り返る。 @@insert1  これまでの撮影現場では、芝居をしていて疑問に思ったことや、役への考え方などを、あまり監督やスタッフに伝えることがなかったというが、この作品では、感じたことはストレートにぶつけた。「お互い思ったことを言い合えたのは大きかったです。失礼な言い方かもしれませんが『戦友』のような関係性を築けたと思います」。  こうした取り組み方の変化には、大原の歩んできた道が大きく影響を与えているのかもしれない。彼女は昨年、多くの映画人を輩出している日本大学藝術学部の映画学科を卒業した。「少しばかりですが、モノづくりの過程を学ぶことができましたし、その場で生まれた瞬間を映像に切り取っていき、監督の編集によって出来上がったものを見たときの感動や達成感はなにものにも代えられないぐらい好きなんです。学校を卒業し、また新たにちゃんと映画と向き合っていきたいと思っているんです」。@@separator 自身が演じた光枝という役については「台本を読んだとき、すごく自分に近い役柄だなと思った一方で、そのまま演じるのではなく、光枝の喜怒哀楽をしっかり色濃く表現していきたいと思いました」とアプローチ方法を語った大原。そんな彼女が目指すのは「なにもしていない芝居で存在感を出せる俳優になること」だという。「古田新太さんは、その場に佇んでいるだけなのに、そこにしっかり意味があるし、存在感がある。例えば、人の目を見ないでそっぽを向いていても、しっかり話を聞いている芝居を見せることができるような、そんな人になりたいんです」。 @@insert2  さらに、今回共演した戸田に対しても対峙して不思議な感覚を得られたという。「平松監督が『戸田さんの間は戸田恵梨香にしかない』と話をされていましたが、たしかにご一緒して、戸田さんのセリフとセリフの間って、いままで経験したことがない感覚だったんです。すごく新しくて面白かったです」としみじみ語っていた。  「せっかく映画学科を卒業したのだから、いつか映画監督業にも挑戦してみたい」と演じるだけではなく、作り手への興味も増してきたという大原。これからもさまざまな形での“表現方法”を追求していく姿勢には大きな可能性が感じられる。(取材・文:磯部正和 写真:松林満美)  映画『あの日のオルガン』は全国公開中。

  • 岩合光昭監督&主人公の愛猫を演じたベーコン、『ねことじいちゃん』インタビュー

    全シーンに猫を! 猫撮影の達人・岩合光昭監督の並々ならぬこだわり

    映画

     妻を亡くし、愛猫とふたりで暮らす元教師・大吉の日々を綴った人気コミックを、『岩合光昭の世界ネコ歩き』(BSプレミアム)で知られる動物写真家の岩合光昭が監督した注目作『ねことじいちゃん』が公開。映画初主演となる立川志の輔と共に、主演を張っていると言っていい猫のタマ役に抜擢されたベーコンを、「これまで見てきた何万匹という猫のなかでもベスト3!」とメロメロの岩合監督に作品と猫の魅力を聞いた。@@cutter 大吉じいちゃんを中心とした、島の人々の人生ドラマとして染み入る本作だが、岩合監督が撮るからには否が応でも猫好きが満足する猫映画としての期待も注がれる。それは監督自身も承知しており、たたき台となる脚本を読んで、こうリクエストしたという。  「猫の出演箇所が少ないと感じたんです。僕が監督するということを期待してくれる人たちの期待に応えるというと大仰だけれど、どうすればいいかと考えたとき、全シーンに猫が出てくればいいんだと思いました。日本映画では初めてでしょうが、だからこそ挑戦しがいがある。全シーンに猫を。そのことは最初にお願いしました」。 @@insert1  果たして完成作には、どのシーンにも猫が登場。人間のドラマとともに、岩合監督らしい猫に寄り添った映像が溢れる。そんなチャレンジングな作品を共にした役者陣にも監督は感謝。  「本当に素晴らしい俳優さんたちが集まってくださいましたが、本読みのときに、まず『この映画は猫の映画です』とお伝えしたんです(笑)。それでもどうして出演してくださるんだろうと思いましたが、みなさん猫がお好きなんです。それが救いでしたし、みなさんしっかりと役作りされていますから、僕がどうのこうの言うまでもありませんでした」。  さらに完成作をスタッフや役者たちで最初に鑑賞したとき、「終わってすぐ、小林薫さんが(志の輔)師匠に駆け寄って『なんにも心配することないよ』っておっしゃったんです。師匠も初主演ということでプレッシャーを感じていたと思いますが、薫さんのそのひと言で解放されたと思います。僕自身、師匠しかいなかったと思う。とても合っていましたね」と明かした。@@separator そして何より、志の輔とともに猫のタマとしてしっかりと作品の中央に立つベーコンを「きっと僕は何万匹という猫に会ってきたけれど、ナンバー3に入るくらいすごい。素晴らしい猫です」と絶賛。「物おじしなくて人懐こい。オーディションのとき、部屋に入ってきてすぐ、壁に並んでいたスタッフひとりひとりの足元に行って挨拶を始めたんです。『可愛い! もう決まりだね』と声が上がりました」と振り返り、さらに「志の輔師匠にも来ていただいていたのですが、そこで歩いてもらったら、ベーコンが一緒に歩いてくれるんです。そして師匠の顔を2回見上げました。僕は思わず、『そ、それ、本番でお願いします!』と声を上げていました」と笑顔に。 @@insert2  この愛らしい、じいちゃんの顔を幾度も見上げながら一緒に散歩するタマ(ベーコン)の姿は、本編でしっかりと確認できる。  岩合監督ならではの映像が詰まった本作だが、ステキな画ばかりで、人間ドラマと並行して取捨選択していく編集作業はさぞ大変だったのではないだろうか。すると監督は「猫優先です」と笑って即答しつつ、次のように語った。「やっぱり猫は素晴らしいです。それに猫が居心地よく感じる場所は、絶対に人も居心地がいい。そういうシンプルなところに幸せというのはあるんじゃないかと思います」。(取材・文・写真:望月ふみ)  映画『ねことじいちゃん』は2月22日より“猫の日”ロードショー。

  • 映画『サムライマラソン』に出演する青木崇高

    青木崇高、俳優として「歳相応の魅力が出せれば」 仕事を通じて見えてくるもの

    映画

     江戸時代末期に行われた、日本史上初のマラソン大会とされる<安政遠足(あんせいとおあし)>を基に、「超高速!参勤交代」の土橋章宏が書き上げた小説を映画化した『サムライマラソン』。『ラストエンペラー』のプロデューサーであるジェレミー・トーマス、『不滅の恋/ヴェートーヴェン』のバーナード・ローズ監督ら国際色豊かなスタッフが集い、佐藤健を筆頭に豪華キャストで贈る一大プロジェクトに名を連ねた青木崇高が、日本人が今まで体験したことのない時代劇となった本作を語った。@@cutter 海軍総督ペリーの黒船がやってきた時代。アメリカの狙いは日本への侵略だと疑う安中藩主の板倉勝昭(長谷川博己)は、藩士の心身鍛錬を目的として遠足を行うが、これを謀反の動きとされ、藩はピンチを迎えることに。  「冒頭から、なんじゃこりゃみたいな感じがありますよ」と笑う青木。チラシなどにも載っている、本編冒頭に登場するペリーと大老・五百鬼祐虎(豊川悦司)との会談シーンは、浜辺で行われている。 @@insert1  「海での交渉とか、ありえないですからね。日本人が撮っていたら、こういう映像には絶対にならない。絵画的な雰囲気もあるので、ひょっとしたら監督がそうした絵で見たイメージを表したのかもしれない。ここを受け入れるか受け入れないかで、先を受け入れられるかも決まってくるんじゃないですかね。僕は面白いと思いますよ。ローズ監督が、この脚本でこのキャストで撮るんだから、彼の解釈でないと意味がない」と本作ならではのポイントを説明。さらにそうした効果はキャストの配し方や演技にも及んでいると話す。@@separator 「豪華キャストと言いながらも、ネームバリューで動かさないところがあると思います。いい意味でのフラット感がある。この人が演じているから、こういう見せ場があるはずといったことが、いい意味で裏切られる。それから日本だけじゃなく、海外の方も観る作品だと思うので、演技面ではフィジカルな表現も必要だなと思ったし、意識して取り入れました」。 @@insert2  ほかにもテストなしで本番に入ったり、天候に関係なく撮影を進めたり、英語が飛び交ったりと、さまざまな刺激のあった現場を体験した青木だが、もともと「撮影現場のにおいにもどこか興奮や刺激を求めたい」タイプだそうで、本作はいい体験になったと振り返る。そしてこれからも新たなものを生み出していきたいと話す。そうした挑戦には、特別な役柄だけでなく、日常の延長も含まれている。  「僕ももうすぐ40歳になりますが、もうちょっと映画とかドラマでも、40代50代、それ以上の主人公の物語が多くなってほしいと思います。若い人のかっこいい恋愛もいいんですけど、それとは別にさまざまな人生経験をした大人たちの物語を見たいし、そうした重み、存在感を出せたらと。白髪とかも、染めずにそのままで、歳相応の魅力が出せればいいですよね。これから、僕自身も、仕事を通じて人生や生活、家族、生きがいといったものが見えてくると思うし、その解釈がまた作品に活きていく。そうした進み方をしていけたらと思います」。 @@insert3  40代以降の青木もとても楽しみだが、まずは『サムライマラソン』の公開だ。「個人的には健くんとのあるシーンに特別な思いがありましたし、面白かったですね」と含みをもたせた青木。どんなシーンなのかは、劇場で確かめてほしい。(取材・文・写真:望月ふみ)  映画『サムライマラソン』は2月22日より全国公開。

  • 映画『翔んで埼玉』益若つばさインタビューカット

    益若つばさ、「埼玉は“ダサい”」がカリスマ読者モデルの原点

    映画

     埼玉県を中心に、関東地方をフィーチャーした映画『翔んで埼玉』。壇ノ浦百美(二階堂ふみ)や麻実麗(GACKT)らが、「東京都民」から迫害を受ける「埼玉県人」の解放を目指す姿を描く本作に出演したモデルでタレントの益若つばさが、本作への思いや、埼玉県出身者ならではの埼玉エピソードを語った。@@cutter 出演オファーを受ける前に「(原作の)漫画を読んでいました」という益若。「『埼玉県をディスっている』と噂で聞いて、実際読んでみたら噂以上にディスってました(笑)。『スゴいね、これ』って友達と話していたときにオファーが来ました」と笑う。  「今回の映画は、埼玉県の方はもちろん、他県の方が見ても面白いと思います。一緒に見た友達は、大阪出身なのに爆笑してました。中でも『埼玉県人にはそこらへんの草でも食わせておけ!』とかめちゃくちゃディスっているセリフが印象的ですけど、愛のあるディスり方をしています。イヤな気持ちは全然しません」と太鼓判を押す。 @@insert1  自身が演じる麗の家政婦・おかよに関しては「最初、『髪を暗くしてほしい』と言われました。でも、衣装合わせのときに金髪で行ってみたんです(笑)」。NGが出るかと思いきや「壇ノ浦や麻実の世界観がゴージャスなので、金髪がそれにマッチしていて急きょOKになりました。洋服とかメイクとかも一緒に考えさせてもらって、麗様の横にいるときはメイクをバッチリして、東京人っぽくしています。だけど普段は髪ボサボサ、洋服ボロボロ。そのギャップを楽しみながら演じました」と振り返る。  今回は、益若にとって2回目の演技となる。今まで「演技に自信がなくて出演オファーを断ってきました」と語るが、自身の「埼玉愛」を理由に今回のオファーを受けたという。いざ演じてみた感想は、「久しぶりに演技をやってみたらすごく新鮮でした。本来の自分とは異なる人を演じたり洋服を着たりするのが面白かった。楽しい現場で、GACKTさんも二階堂さんも優しかったです。年齢を重ねると挑戦する機会が少なくなりがちなので、こういう風に挑戦できて良かったです」と満足げ。「今まで断っていたのが『申し訳なかった、逆に失礼だった』と思いました。もしまた何か出演オファーがあれば、前向きに考えていきたいです」と笑みをこぼす。@@separator そんな益若は、越谷市生まれの生粋の埼玉県民。「私も小学生のころから、東京の人に『ダサイタマ!』とか言われたり、埼玉県民同士で埼玉をディスり合ったりしてました(笑)。そのころから『なんて変な県名なんだ』と思いましたし、越谷なんて当時レイクタウン(現在同市にあるショッピングセンター「イオンレイクタウン」)も何もなかったから、プライドもない。『埼玉はダサい、ダサい』とよく言われ続けて『そっか、埼玉はダサいのかー!』と受け入れてました」。  とはいえ益若は、10代に「Popteen」の読者モデルとして活動を始めるや、若い女性たちの圧倒的な支持を受けてカリスマモデルの地位を築いた。「『埼玉はダサい』を受け入れていた一方、自分自身は『オシャレになりたい!』という思いもありました。それが良かったのかもしれません。『オシャレになりたい!』『ダサいと思われたくない!』と思ってファッションとかに興味を持ったことが、東京に出てモデルになるきっかけになったのかもしれませんね」。(取材・文・撮影:桜井恒ニ)  映画『翔んで埼玉』は、2月22日より全国公開。

  • (左から)武内英樹監督&原作者・魔夜峰央、映画『翔んで埼玉』インタビュー

    魔夜峰央「漫画は完全に完結」 武内英樹監督が描いた原作“その後”に文句ナシ

    映画

     埼玉への徹底的なディスりがインパクトを放つ、魔夜峰央の衝撃的コミック『翔んで埼玉』が実写映画となって登場。原作コミックは未完のままとなっているが、完成作を観た魔夜は「大満足。漫画の続きを描くとしても、映画に引っ張られてしまって描けない。この映画が完成したことによって、漫画は完全に完結です」と最大の賛辞を送る。ギャグと耽美性の融合した“魔夜ワールド”をスクリーンに出現させた武内英樹監督とともに、映画『翔んで埼玉』の“成功の鍵”について語り合ってもらった。@@cutter 埼玉県人が迫害されている世界を舞台に、東京の名門校「白鵬堂学院」の生徒会長・壇ノ浦百美(二階堂ふみ)と、アメリカ帰りの転校生・麻実麗(GACKT)が出会うことから物語はスタート。麗に心惹かれていく百美だったが、麗は埼玉の自由を願う“埼玉解放戦線”のメンバーだった…。  実写化の話が持ち上がった際には、「正気か? と思った」と笑う魔夜。「監督について聞くと、『テルマエ・ロマエ』や『のだめカンタービレ』を手がけている武内監督だと言うので、それならば大丈夫だと。完全にお任せして一切、口を出していません」と快諾したそう。映画では原作コミックの“その後”が大胆な解釈でつづられていくが、「自分が描いたとしてもこうなるだろうなと思った。感性が似ていると思いました」と文句ナシの“その後”だったという。 @@insert1  武内監督は「本屋さんで手に取り、読んでみたらものすごく面白かった!」と原作との出会いを告白。「僕は千葉県出身なので、埼玉だけがこんな風に扱われているのが悔しくもあって(笑)。映画では、ぜひ千葉を忍び込ませたいと思いました」と千葉を登場させたオリジナル展開について、楽しそうに語る。とりわけ気に入っているのが「千葉県民と埼玉県人が、河を挟んで対立しているシーン」とのこと。「原作を読んで、対決シーンが思い浮かんだ。桶狭間の戦いみたいなことを、埼玉県人と千葉県民で“真面目に”やったら、めちゃくちゃ面白いと思った」。武内監督曰く、この“ギャグを真面目に”ということこそ、映画化成功のキーワードで「キャストの皆さんに言っていたのは、“大河ドラマだと思ってやってください”ということ。あり得ないことを“どマジ”にやるからこそ、面白いんです」と明かす。  壇ノ浦百美役を初の男役を演じる二階堂ふみ、アメリカ帰りの転校生・麻実麗役をGACKTという、パンチの効いたキャスティングも話題を呼んだ。武内監督は「原作がぶっ飛んでいるから、キャスティングもぶっ飛んだものにしないと乗り越えられない。麗役に“GACKT”という名前が出た瞬間、これだ! と思いました。二階堂さんは、芝居のうまさが決めて。百美について、他のキャスティング案は出ませんでした」と明かすと、魔夜も「二階堂さんとGACKTさんがやってくれるなら、この映画は間違いないと思った。麗役は、GACKTさん以外ではあり得ない。くだらないことを真面目にやって、ちゃんと作品として見せられるのはGACKTさんくらいでしょう」とキャスティングに大喜びだ。@@separator@@insert2  GACKTの役者力を実感することも多かったそうで、武内監督は「撮影に入ってみると、GACKTさんは想像以上に上手だった」と驚きつつ、「最初に会ったときに、『これは(GACKTが所属していたバンド)MALICE MIZER(マリスミゼル)ですね』とおっしゃっていて。役柄について、すべてわかってらっしゃるなと思いました。またGACKTさんは、二階堂さん以外にもうお一人とキスシーンがありますが、それはGACKTさんの提案で生まれたシーンなんです。僕も確かにあった方がいいなと思いました」と原作を理解しているからこその提案だったといい、魔夜は「GACKTさんは、私の作品もよく読んでくださっていて。“大ファンです”と言っていただきました」とGACKTの“原作愛”に感謝していた。    魔夜が「作品を描く上で大事にしているのは、美しいかどうか」というように、耽美性も“魔夜ワールド”には欠かせないものだが、「百美と麗のキスシーンの美しさは完璧。完全に私の描く世界と合致していた」と太鼓判。武内監督は「あのシーンは、クランクイン初日。2人のキスを見て“この映画は行けるぞ”と手応えを感じました。ものすごく美しかった。キスをした後の二階堂さんのリアクションが、また素晴らしいんです」と熱弁が止まらず、魔夜は「私があまりに本作を褒めるものだから、『パタリロ!』の映画チームも“負けてられない”と奮起していますよ」と今後公開予定の、自身の実写化作品にもよい影響を及ぼしていることを明かしていた。(取材・文・写真:成田おり枝)  映画『翔んで埼玉』は2月22日より全国公開。

  • 映画『トラさん~僕が猫になったワケ~』場面写真

    北山宏光、映画初主演の経験は「財産」 役者業の根底にあるキスマイへの思い

    映画

     Kis‐My‐Ft2の北山宏光が『トラさん~僕が猫になったワケ~』で、映画初出演にして初主演を飾った。記念すべき作品で演じるのは、家族への愛は強いが、いい加減で能天気な“ダメ夫”の寿々男。寿々男は交通事故で死んでしまい、猫の姿で家族のもとに戻ってくる。北山は今回、猫と人間の“2役”に扮しているのだ。そんな役柄をチャーミングに演じた北山は「寿々男は“かっこいい”と言われる男じゃない。“かっこいい”をそぎ落として、人間臭さが必要になる役」と分析し、「ものすごく挑戦させてもらえた作品。自分にとっての財産になる」とダメ夫役での初主演に喜びをにじませる。新たなチャレンジを通して感じた“父親願望”、そしてKis‐My‐Ft2への思いまでを語ってもらった。@@cutter 板羽皆による人気コミック『トラさん』を実写映画化した本作。売れない漫画家・寿々男は、妻がパートで稼いできたお金をギャンブルに使ってしまうなど、お気楽な生活を送っていたが、交通事故であっけなく死んでしまう。あの世が下した判決は、猫の姿で現世に戻り、愚かな人生を挽回せよというものだった…。  猫スーツを着用し、猫役に挑んだ北山。オファー時を振り返り「“猫を演じることになります”と言われて、びっくりしました! どういうこと? って(笑)」と笑いつつ、「原作を読ませていただいて、なるほどと。めちゃくちゃやりがいあるじゃん! と思いました」と大きな笑顔を見せる。 @@insert1  いつもはキラキラと輝くようなステージに立っている北山だが、ダメ夫にして猫役へのトライは、「自分にとっての財産になる」と充実感たっぷり。「寿々男は“かっこいい男”ではない。“かっこいい”をそぎ落として、人間臭さが必要になる役。作品の中で寿々男になり切って立っていないと、感動する話にならない。そういった環境をもらえたことに、ものすごく感謝しました」と話し、さらに「寿々男の心境の変化をしっかりと見せないといけない。そういった意味でも大きな挑戦でした」と力強く語る。  「猫スーツを着ている場面写真や予告編を見ると、みなさん“コメディ映画でしょ?”って言うんです。それはちょっと“しめしめ”と思っていて。コメディだと思って家族で映画館に足を運ぶと、お父さんがものすごい泣きながら出てくる。そうなるといいなって」と話すように、コミカルな語り口ながら、寿々男の成長を通して家族への思いがあふれ出す“愛の物語”となった本作。北山自身も父性愛も芽生えた様子だ。@@separator 「寿々男と娘の実優が一緒になって、妻の奈津子の絵を描き合うシーンがあって。あのシーン、すごく好きなんです。僕はもともと“子どもがほしいな”という気持ちはあったんですが、今回演じてみたことで、ちょっと思い描いていたものがリアルになったというか」と父親願望を明かし、「子どもからあだ名で呼ばれるような関係になりたいな。あだ名は奥さんに決めてほしい!」と夢を膨らませる。 @@insert2  役者業での活躍も目覚ましい北山だが、「お芝居とアイドルは表裏一体かなと。表現力という意味では一緒で、芝居を続けていけば、グループに戻ってきたときにパフォーマンスとして返ってくると思う」と常にKis‐My‐Ft2の存在を胸に刻んでいる。「どんなことでも、グループに還元するためにやっているという意識でいます。グループを大きくするためには、どうしたらいいんだろうって。キスマイありきです」とキッパリ。「いろいろな先輩や同世代のグループも見てきている。僕らはデビュー前に時間がかかったので、“グループとしてこうあるべきだ”ということをたくさん考えてきたんです。グループに還元することが、自分を高めることにもなるし、次の仕事へつながっていく。メンバーみんなそう思っていると思います」と吐露。「だからこそもっと、“北山にこんな役をやらせたい”と思ってもらえる俳優になりたい!」と熱っぽく未来を見つめていた。(取材・文:成田おり枝)  映画『トラさん~僕が猫になったワケ~』は2月15日より公開。

  • 『検察側の罪人』原田眞人監督にインタビュー

    『検察側の罪人』原田眞人監督が語る、俳優・木村拓哉と二宮和也の“対極的”な魅力

    映画

     木村拓哉と二宮和也が夢の共演を果たした映画『検察側の罪人』のBlu‐ray&DVDが早くも2月20日よりリリースされる。これに先立ち、本作のメガホンを取った原田眞人監督が、「一度組んでみたかった」という両雄の“俳優”としての魅力を存分に語った。@@cutter 雫井脩介の同名小説を基に映画化された本作は、時効廃止前の殺人事件や捜査機関によって生み出される冤罪など、司法制度が抱えるさまざまな問題に切り込みながら、登場人物の葛藤を通して「真の正義とは何か」を洞察する社会派サスペンス。木村演じる東京地検刑事部のエリート検事・最上毅と、二宮演じる入庁5年目の若手検事・沖野啓一郎が、ある未解決事件の捜査をめぐり、師弟関係を超えて激しく対立していくさまをスリリングに描く。 @@insert1  かねてから俳優として木村と二宮に注目していたという原田監督。「木村さんは、出番は少ないけれど劇中劇の主人公を演じた『2046』や、ナチュラルな演技で時代劇に挑んだ『武士の一分』がすごく印象に残っているし、二宮さんは、何といっても『硫黄島からの手紙』の演技が素晴らしかった。ぜひ一度、2人と組んでみたいと思っていたので、本作のオファーが来たときは、素直にうれしかったですね。2人の共演は、ファンにとっても夢でしょうから」と笑顔がこぼれる。 ■木村は司令塔、二宮は天才フォワード  さらに原田監督は、木村と二宮の魅力について、「広い視野を持つ司令塔タイプの木村さんに対して、二宮さんは一歩突き抜けた天才フォワード」とサッカーに例えて表現。現場を常に客観的に捉え、映画全体を見ている木村と、役に入り込み、現場で異常な集中力を発揮する二宮は、まさに俳優として“対極的”な存在といえる。撮影中にそんな2人の個性を表すエピソードがある。「トップシーンで、木村さんが突然、“『罪を洗い流す雨はないからな』というセリフを入れたらどうでしょう?”と提案してきたんです。このセリフは第3稿辺りで台本から削除されたものだったのですが、たまたまその日に雨が降り、ハッと思い出したんでしょうね。この辺りは、映画全体を見ているからこその対応力」と感心しきり。  一方の二宮に関しては、「とにかく天才ですね」と諸手を挙げる。「一点に向かって突き進み、どんな障壁も突破する力強さがある。例えば、殺人容疑がかけられた松倉(酒向芳)を激しい剣幕で取り調べをするシーン。僕の中で“ここまで行ければいいな”というレベルをある程度設定していたんですが、彼はそれを遥かに超えてきた。(松倉の専売特許である)口の破裂音で逆に威嚇したり、“どこかで首吊って死んでくれるか?”と脅迫したり、完全に役に入り込んでいて、カットをかけて“今のよかったね”と声をかけても本人は全く覚えていない。それくらい無意識で突き抜けているけれど、そのあと瞬間的に反応し、冷静に役に戻れるところがすごい。もしかするとゲームで鍛えた脳の力かもしれないね」と目を細めた。 @@insert2 ■「何をやってもキムタク」はサービス精神の証し  また、今年に入って、“何をやってもキムタク”と言われることに気を揉んでいることを、木村自身がテレビで語ったことが話題となったが、原田監督は、「そういう意見もわかるけれど、彼の場合、“キムタク”として培ってきた独自の引き出しが多いこと、そして、ファンが期待する“イメージ”に極力応えたいというサービス精神が、長い芸能生活の中で染み付いているのでは?」と分析。それは、決して悪いことではないとフォローしつつも、「46歳になった彼は、凄まじい経験を積んできているので、むしろこれからは、何もしない方が素晴らしい存在感を発揮できると思う」と指摘する。  確かに本作の木村は、最上という役柄に沿った佇まいを見せ、追い込まれたときには人間的な弱さもさらけ出している。「サービス精神が過剰になると、“キムタク”独特の動きやクセが出てくるので、最上を演じる上で“余計だな”と思った部分が見えてきたときは現場で指摘したり、編集でカットしたりしましたが、もっと(キムタクらしさを)落としてもよかったかなと思っています。これからどんどん奥行きを増して、いい俳優になれる可能性を秘めているので、また、映画でご一緒するときがあったら、テレビドラマやバラエティで培ったもの、ファンが見慣れてきたものを、一度全て削ぎ落としてみたいですね」と抱負を語っていた。  なお、本作のBlu‐ray&DVD豪華版には、木村、二宮、原田監督の3ショットで語るビジュアルコメンタリーやメイキング映像など貴重な特典映像が満載。木村と二宮が火花を散らす師弟対決の舞台裏や、映画を支える松重豊、大倉孝二、酒向芳の3悪人ぶり、紅1点・吉高由里子の不思議な魅力、さらには『評決』(1983年/ポール・ニューマン主演)、『突撃』(1958年/スタンリー・キューブリック監督作)、刑事ドラマ『TRUE DETECTIVE』など、さまざま作品からインスピレーションを受けたという原田監督こだわりの映像美学をたっぷりと堪能できる。(取材・文・写真:坂田正樹)  映画『検察側の罪人』のBlu-ray&DVDは、2月20日(水)発売。Blu-ray 豪華版(7800円+税)、DVD 豪華版(6800円+税)、DVD 通常版(3800円+税)。 @@insert3

  • 木村多江、『後妻業』インタビュー

    木村多江、“ネチネチしたくない”下町気質の素もあらわに「脱・薄幸役」

    エンタメ

     「脱・薄幸役!」 冗談めかして笑いつつ、木村多江はドラマ『後妻業』での自らのテーマ(?)を掲げる。彼女が演じるのは、実の父に遺産目当てで近づいてきた“後妻業”の女・小夜子と対峙する朋美。木村佳乃演じる最強の魔性の女を前に、これまでに見たことのない新たな木村多江の姿を見せてくれそうだ。@@cutter 黒川博行の人気小説を原作にした本作。木村が演じる朋美は勝ち気で知的なキャリアウーマンで、内縁のパートナーと共に建築設計事務所を経営する。父の耕造(泉谷しげる)が倒れ、病院に駆け付けたことで、耕造の“妻”であると主張する小夜子と顔を合わせることになる…。  この対立構造、そして彼女のキャスティングを聞くと、強大な“魔女”に翻弄され、父の資産をむしり取られていく薄幸の…とイメージしてしまいそうだが、さにあらず。「小夜子がだまし取ろうとしてくるのに対して、その正体を暴こうという意欲、負けん気が前面に出てくるタイプです」と明かす。  「私自身、朋美ほど勝気ではないにせよ、決しておとなしいだけの人間ではないし、むしろ(これまで演じてきた薄幸の女性は)頑張ってそういう役を作り上げて演じてきたんです(苦笑)。だから、今回は私自身の素の明るさを出したり、近いところを感じて演じてます」。  小夜子と朋美は、同い年ながらも水と油ほどタイプが異なり、罵り合い、さらにはビンタの応酬まで繰り広げるが、木村は2人の関係に、不思議な友情を感じるとも。  「あくまでイメージですけど、男の子がケンカして仲良くなるってあるじゃないですか(笑)? あんな感じかなぁ? すごくムカついてるのにキライになれない…私、どういうこと!? みたいな(笑)」  自身はもともと、さばさばしているタイプで、いわゆる女子同士の嫉妬やマウンティング意識による争いにも、参戦したことがなかったという。  「ネチネチしたくないんですよね。下町気質もあって『白黒はっきりしちゃいなさい!』というのもありますが。ケンカしたくないのは、怒りじわを増やしたくないから(笑)。ほんとに時間の無駄ですからね。いかに笑いじわだけで年を重ねるかを考えて生きてきたので(笑)」。@@separator だからこそ、激しい怒りを爆発させる今回の役は「ものすごく難しかった」とも。  「すごく緊張しましたね。普段は、ほとんどセリフ合わせもしないんですけど、今回は早く来て、マネージャーさんを相手にセリフの練習をしたり。ポンポンと勢いよく掛け合いで会話することが、映像の仕事ではほとんどなかったんです。自分にないリズムで会話するって難しいです」。  @@insert1  ガツンと相手に強い言葉を発したり、バチンとビンタをかますことに快感は?  「早くその域に達したいですけど、まだまだ、その場を一生懸命にこなすので精一杯です。たいがいの役はやってきたので『ここはこう見えてるだろうな』というのが自分でもだいたいは予測がつくんですが、今回は全く予想できない。とにかく『ブサイクな顔を見せたっていいや』というつもりで、懸命にやってるんですけど、モニターチェックをすると『え? ひっどい顔だなぁ…。これオンエアしていいのかな?』なんて思ったり(笑)」。  生々しく、人間くさいやりとりの中で、新しい自分を発見することを楽しんでいる。  「佳乃ちゃんの役はどんどん仕掛けてくる役で、私の方はリアクション勝負。『そう来たか!』ってライブ感を味わいつつ、化学反応が生まれていくのが楽しいです。20代の頃から、こういうコミカルな役がやりたくて、『やりたい』と言い続けてようやく念願がかなったので、新しい木村多江をみなさんにも発見していただけたらうれしいです」。(取材・文・写真:黒豆直樹)  『後妻業』は、カンテレ・フジテレビ系にて毎週火曜21時放送。

  • 『半世界』稲垣吾郎インタビュー

    稲垣吾郎、俳優として自らを分析 今後は「需要のある俳優になりたい」

    映画

     2017年10月、「新しい地図」が“本格始動”と記してから、舞台や映画で精力的な俳優活動を続けてきた稲垣吾郎。阪本順治監督の最新作『半世界』では、無骨な炭焼き職人を演じている。本作との出会いを「大きなニュースだった」と振り返る稲垣が、個人として活動することによって見えてきたことを語った。@@cutter 番組や誌面で映画評論コーナーを担い、年間100本以上の作品を観てきた稲垣にとって、“映画”というメディアはずっと自身の中心にあるものだった。そんな彼に、「いつか仕事をしてみたかった」という阪本監督からのオファーが届く。「俳優は監督やプロデューサーから使ってみたいと思われなければ何も始まらない」と考える稲垣にとって、アイドル活動のきらびやかなイメージとは真逆とも思える寡黙で泥臭い山の男という役柄を得たことは、非常に大きな機会だった。 @@insert1  夢にまで見た阪本組の現場。三重県の山奥でじっくりと作品に向き合い、「普段の環境から離れた場所で、合宿みたいな感じ」で作り上げた時間は、「本来、舞台のように、ゆっくりじっくりとモノづくりをすることが好きな僕にとっても、『こんなにも居心地がいい場所があるんだ』という喜びを感じることができる現場でした」と振り返る。  仕事への取り組み方が変化したのは、グループから個人へと活動がシフトし、時間的余裕ができたことが大きいという。また、SNSを始めたことで届いた“稲垣吾郎”個人に対するメッセージは、「ここまで皆さんがついてきてくれるとは想像できなかった」という稲垣に、「個人としてこんなにファンの方から必要とされているとは」という驚きをもたらした。@@separator 以前の稲垣は、偉大なグループの一員という役割を何よりも大切に考えていたという。「グループにいるときも個人活動はしていましたが、それも個のためというよりグループのために何ができるかという発想だったんです。もちろんそれが悪いことではなく、そこに束縛されていたわけでもないのですが、自分のことは二の次という感覚はありました。グループとして輝くことが最も大切にすべきことなんだという思いは常に持っていたので」。  そこから新しい道へ進み、現在は草なぎ剛、香取慎吾と3人での活動はあるものの、基本的には個人での仕事が中心となった。「誰に頼ることもできないし、不安に思うことももちろんあります。でも今の僕はとても充実していて、後悔はありません。偉そうなことは言えませんが、いろいろあった過去も含めて今の自分がある。今、とても幸せなんです」。 @@insert2  「再スタートをさせてもらったことにより、より社会をしっかりと見られるようになってきています」という稲垣。特に今回の映画では、人生の半分に差し掛かり、身近な世界のしがらみの中で生きる男たちが、残りの半生をどう選択していくかというテーマにじっくりと向き合っている。稲垣は登場人物の状況が自身に重なる部分もあると言い、「大胆な再スタートを切った僕らが、今が一番楽しいと言えている。そう思える世の中っていいですよね」と笑顔を見せる。  これからの“稲垣吾郎”について尋ねると、「需要のある俳優になりたい」とひと言。「自分でプロデュースできるタイプではないので、『こういうことができます』と自分から発信するより、『こういう役を稲垣にやってもらいたい』と皆さんに思ってもらえることが重要かな。主演へのこだわりも全くないです」。  そして「30代も脇役やヒール役など、なんでもやってきました。僕は個性が強いタイプに見られがちですが、意外にどんな水槽でも泳げるタイプなんですよね(笑)」と分析し、「まだまだこれから――映画は作品数が少ないので、意欲的にやっていきたいです」と笑顔を見せる。まずは本作で“映画俳優・稲垣吾郎”の魅力を存分に堪能したい。(取材・文:磯部正和 写真:MONDO)  映画『半世界』は、2月15日より全国公開。

  • 木村佳乃、『後妻業』インタビューフォト

    木村佳乃、「身近にいたら迷惑極まりない」悪女役の魅力は“人間くささ”

    エンタメ

     「やっぱり悪いものを見たいって気持ちは私も含めて、皆さんにありますよね」――。木村佳乃は楽しそうに笑いながらドラマ『後妻業』の魅力をそう語る。朝ドラでヒロインの優しい母親を演じていた40代の立派な大人の女優が、金やプライドを巡って、同世代の木村多江と罵り合い、ビンタ合戦まで繰り広げるのだから、面白くないはずがない。@@cutter 本作で彼女が演じているのは大阪を舞台に、資産家の老人と結婚し、遺産を手に入れる“後妻業”を繰り返す、男をたぶらかす天才・小夜子。やっていることはどう見ても“悪女”なのだが、どこか憎めない魅力がある。    「もちろん、基本的には悪役であり、お金を騙し取るわけですから、やってることは犯罪です。だけど、どこか魅力があって、心に引っかかるんですよね。やっぱり見る人も、バンっと正論を言って正しい行いをするというドラマもいいけれど、悪い人たち、悪いものを見たいって気持ちは強いんだと思います。身近に小夜子みたいな人がいたら、迷惑極まりないですけどね(笑)」。  もうひとつ、木村が魅力として挙げるのは、小夜子をはじめ、登場人物たちの「人間くささ」だ。十分に“大人”とカテゴライズされるべき俳優陣がキャスティングされている本作だが、決して「大人のドラマ」ではない。別の作品では、若い主人公たちの優しく温かい両親や頼れる上司を演じているような、いい大人たちが、遺産を巡って罵り合い、掴み合う、THE 人間ドラマが展開するのだ。  「メインの4人(木村佳乃、高橋克典、木村多江、伊原剛志)の中で、42歳の私が一番若いですからね(笑)。連ドラの主役は若い俳優さんといういまの時代、なかなかないことですよ。しかも、やってることは本当に子どものケンカですからね(笑)」。   近年では『僕のヤバイ妻』『ファーストクラス』『あなたには渡さない』など、なかなかの“破壊力”を持った女性を演じる機会も増えてきた。本人は、決してイメージチェンジや役の幅を広げるといったことを意識して、作品を選んでいるわけではないという。@@separator 「楽しいですよね(笑)。でも決して『次はお母さんの役を…』とか考えてるわけじゃないんです。ほとんど、お話をいただいた時の『これ面白くなりそう』という直感でやらせていただいてます。今回の役も、原作の小説は以前から読んでいて、映画(大竹しのぶ主演『後妻業の女』)も拝見していたので、後になって『いや、これは相当大変だぞ…』って気づきましたけど(苦笑)。でも、最初の直感で『面白そう』と思って『やります』と。それだけですね。もっと言うと、お話をいただいて『面白い!』と思っても、私の方がどうしても子育てなどで時間を空けることができずに、泣く泣くお断りさせていただく場合もあるんです。それはすごく残念ですけど、ご縁がなかったということで、それも含めて巡り合わせだと思って、楽しんでやらせてもらってます!」。 @@insert1  ちなみに、そんな彼女も「今後、挑戦したい役は?」と聞かれた時に、必ず言っている答えがあるという。  「私、『ハリー・ポッター』シリーズや『マレフィセント』みたいな、魔法が出てくるファンタジー映画が大好きなんです! 魔法をかけたり、背中から羽が生えたり(笑)。言い続けてるんですけど、なかなかお話が来ないんですよねぇ…(苦笑)」。  たしかにふわりと地上から数センチ浮いているような彼女の佇まいは魔法使いのようでもある。一方、『後妻業』の小夜子からは、目からビームが発せられそうな、魔法使いに負けない強さも感じるが…。(取材・文・写真:黒豆直樹)  『後妻業』は、カンテレ・フジテレビ系にて毎週火曜21時放送。

  • 映画『フォルトゥナの瞳』に出演する神木隆之介にインタビュー

    神木隆之介、“直感を信じた役づくり” 初のラブストーリーでリアルを追求

    映画

     25歳の若さにして20年以上のキャリアを持つ俳優の神木隆之介が、初のラブストーリーに挑んだ最新主演映画『フォルトゥナの瞳』。死に導かれる恋人を救うため、究極の「選択」に身を投じる孤独な青年を見事に演じ切り、役者として新境地を開いた。本作で4度目の共演となる有村架純をヒロインに迎え、「手をつなぐだけでも照れくさかった」と振り返る神木。これまで見たことのない表情や仕草でラブストーリーに命を吹き込んだそのリアルな演技は、どのようにして生まれたのか? キーワードは「直感力」にあるようだ。@@cutter 本作は、『永遠の0』『海賊とよばれた男』などで知られる作家・百田尚樹の小説を『メアリと魔女の花』などの坂口理子が脚色し、『坂道のアポロン』などの三木孝浩監督が映画化した異色のラブストーリー。死を目前にした人間が透けて見える青年・木山慎一郎(神木)が、大切な女性・桐生葵(有村)の悲劇的運命を予知してしまったことから苦悩し、やがて大きな決断を下す姿を活写する。  劇中、「人は朝起きて夜寝るまで9000回何かを選択している」という印象的なセリフが語られるが、この映画は追い込まれたときの「選択」が1つのテーマとなっている。神木自身、決断を迫られたとき、何を基準に、あるいは何を信じて進むべき道を選択するのだろうか? 「僕はもう直感です。最初にいいな、と思ったものをまず選びます。もちろん、その選択が“ちょっと違うな”と思ったときは変える場合もありますが、そこでまた迷いが生じても、やっぱり直感で再び次の道を選びます」とキッパリ。  映画やドラマの現場でも、その「直感」を頼りに役づくりをしているという神木。「テストでやらなかったのに本番でやるとか、テストでやったのに本番でやらないとか(笑)。急にピンと来たものがあったら、本番前でも監督に、“ちょっとここ変えてもいいですか?”と突然相談することもある。見え方とか多少の計算もありますが、ほぼその場での思いつき。ただ、その思いつきが奇跡的につながって最終回への伏線になる場合もあって、そのときは役者をやっていてよかったなと思います。ドラマ『家族ゲーム』(フジテレビ系)なんかは、その代表例だと思います」。@@separator 今回、ラブストーリーに初めて挑んだ神木は、「うわべだけの芝居だけは絶対にしたくなかった」と強調する。「だからこそ、恋人同士が交わす何気ない日常会話に徹底的にこだわった」という神木。「慎一郎がどれだけ葵のことを思っているのか。普段の暮らしの中で培われた愛情が観客の皆さんに伝わらないと、慎一郎に突きつけられる“究極の選択”が生きてこないと思ったので」と役への思いを明かす。  「例えば、ケンカした後に仲直りするところで、“お腹すいたね”“なんか作ろうか?”とたわいもない会話を交わしますが、そういうところに2人の関係性が一番出るので、大事に演じたいと思いました。ある意味、恋人同士の日常会話は、ラブストーリーの一番の醍醐味でもありますから」と熱弁を振るう。さらに、「そういった会話をしながら慎一郎が自然にストレスなく座るとしたら、どんな座り方がリアルなのだろうとふと気になって。鼻をすすったり、眉毛を掻いたり、いろいろ試してみましたが、結局、そこも自分の“直感”を信じて演じさせていただきました」。  慣れないラブシーンにも果敢に挑んだ神木。「キスをするときの表情や手の角度、架純さんの髪の毛の感じとか、映り方とか…こうしてみると、ラブストーリーって考える要素がとても多い。そして何より、撮影スタッフの“いい画を撮るぞ!”というピリピリ感がものすごかった」と改めてその難しさを実感したという。だが、神木が現場で感じた空気感や自身の想像力、あるいは実体験などから生まれる類い稀(まれ)な「直感力」は、有村の魅力を引き出しながら、リアルな恋人同士の姿として確実にスクリーンで生きているはずだ。(取材・文・写真:坂田正樹)  映画『フォルトゥナの瞳』は2月15日より全国公開。

  • アンバー・ハード、『アクアマン』インタビュー

    アンバー・ハード「闘わずにはいられない」 正義への強い思いと責任感

    映画

     映画『ワイルド・スピード SKY MISSION』のジェームズ・ワン監督が放つ、DCコミック原作のヒーロー映画『アクアマン』がついに日本でも公開された。「行動を起こすことが一番大切」。そう語るのは、本作でヒロインのメラを演じるアンバー・ハード。自身も人権活動家として活躍するアンバーが、ヒロインでありながら強く威厳のあるキャラクター、メラについて語ってくれた。@@cutter アンバー演じるメラは、海底国の王女でありながら、渋るアクアマンを焚きつけて、世界平和を守るべく一緒に戦う、強く信念のあるキャラクター。  これまで一度もアメコミを読んだことがなかったというアンバーは、コミックに登場するヒロインは、助けられるのを待つか弱い女の子というイメージがあったとのこと。『ジャスティス・リーグ』でメラ役のオファーを受けた際は、「フェミニスト運動をしている私に、なぜ?」と感じたそう。  しかし、オファーを受けてコミックを初めて手にした際、「ある街をアクアマンと一緒に助けるというシーンで、誰かが『アクアウーマンだ!』と言ったら、『アクアウーマンじゃないわ!名前があるのよ! メラよ!』というセリフがあったの」とアンバー。語るべき自分の名前があるところがカッコいいと思い、メラを好きになったという。「原作にある、強く闘う女性戦士というメラのキャラクターが、ワン監督によって守られ、脚本の中でもきちんと描かれているところが気に入っているわ」と話す。 @@insert1  女性や性的マイノリティ、シリア難民問題等の人権活動家であるアンバーは、国連人権高等弁務官事務所のヒューマン・ライツ・チャンピオンのひとりとして活躍している。「メラは強いし、行動をとる。何か不正があったときに、“正義感で何か行動をとる”というところが一番共感できるところ」と話す。  メラは、助けられるのを待つのではなく、自ら行動を起こし、それがストーリーを動かす。「見て、認識して信念を持つというところまでは、多くの人がたどりつきますが、次の“行動を取る”というところまではなかなか出来ない。でもそこが一番大事で、私は自分の地位を利用して、何が世界の人々のためになるか、何が一番正しいかと考える。そしてそのために闘う事が非常に大切。今、私はそのパワーを持っていて、そのことに責任があると思っている。責任感があって、義務感から行動をとるメラと同じように、私も正義のため、義務があるから闘わずにはいられない」と、メラに共通する熱い思いを語ってくれた。@@separator また、これまでのヒロインと異なる点として、劇中で身に着ける衣装があげられる。世界中を旅する際、メラが着ているのは長袖のブラウスにゆったりしたパンツ。「本作は男性キャラクターの方が露出が高くて、気分が良かったわ。良いバランスだった」と笑って明かす。撮影中のランチでは、アクアマン役のジェイソン・モモアは厳格な食事制限があったが、アンバーは何でも食べられたとのこと。海中で身に着けているグリーンのボディスーツも手足が覆われたデザイン。ちなみにこちらは着心地が最悪で、悪夢のようだったそうだ。 @@insert2  目を奪われてしまう美しさで、正義のためにアクションを起こすことの重要性を熱心に話すアンバー。正義のために突き動かされるメラには、彼女自身の信念が投影されているようだ。(取材・文:寺井多恵)  映画『アクアマン』は公開中。

  • ジェームズ・ワン監督、『アクアマン』メイキングカット

    『アクアマン』が大ヒット 『ソウ』から15年…元宣伝マンがジェームズ・ワン監督を直撃

    映画

     低予算ホラー映画『ソウ』が世界的にヒットし、華々しいハリウッドデビューを飾ったジェームズ・ワン監督。『ソウ』の日本公開時に来日した際、筆者は映画宣伝のスタッフとしてプロモーションに同行したことがある。当時27歳の彼はまだ無名で、希望と野心にあふれた新人監督だった。そんなワン監督は、今やハリウッドの人気監督。15年ぶりに直接話を聞く機会を得て、これまでの足取りと最新作『アクアマン』の見どころを聞いた。@@cutter 本作は、スーパーマンやバットマンなどに代表されるDCエクステンデッド・ユニバースの6作目にあたり、『ジャスティス・リーグ』にも登場した海底人の血を引くヒーロー、アクアマンが主人公。すでに世界68ヵ国で初登場1位を記録し、全米3週連続首位、興行収入は全世界10億ドルを突破するなど、DC映画史上最大のヒットを記録している。 ●『アクアマン』は自由にやりたいことをやれた  『ソウ』ヒット後、ワン監督はメジャースタジオで2本の映画を製作するも、芳しい興収を得られなかった。そこで、原点に返って『ソウ』の脚本リー・ワネルと共に、インディーズの超低予算ホラー『インシディアス』を製作。これが大当たりとなり、続く2013年の『死霊館』で、ついにメジャースタジオ作品を大ヒットさせた。「ワーナーはメジャースタジオであるにも関わらず、『死霊館』を自由に撮影させてくれた。そして『死霊館』シリーズを続けていく中で、僕の商業的な勘や、製作スタイルを信頼してくれたんだと思う」と明かすワン監督。『アクアマン』については、「だから今回も色々と口出しされることなく、本当に自由にやらせてもらえたよ」と振り返る。 @@insert1  ワン監督は、2015年に超大作『ワイルド・スピード SKY MISSION』の監督に大抜擢され、シリーズ最大のヒットへと導いた。『アクアマン』では、キャリアの転機となった『ワイルド・スピード』での経験が大いに活かされたという。「あの映画のおかげで、大掛かりなアクションや巨大なセットがある現場でもビビらなくなったんだ。そして楽しいノリが必要な作品だったし、みんなが楽しめる映画じゃなきゃいけなかった。そういう映画作りを学べたことも大きかったんだ」と話す。 ●過去の名作からのインスピレーション  本作は、最先端のアメコミヒーローものでありながら、スティーヴン・スピルバーグやジョージ・ルーカスの名作を彷彿とさせる大冒険エンタテインメントに仕上がっている。そのことを尋ねると、「その通り! 僕は『インディ・ジョーンズ』や『スター・ウォーズ』などを観て育ち、大きなインスピレーションを受けた。だからこの映画を通して、それを知らない世代に体験してほしかった」と熱っぽく吐露。過去の名作たちに共通しているのは、「豪華なセットや凄い映像があっても、ストーリーは意外とシンプルなんだ」と指摘し、「『アクアマン』でもそれは特に意識したよ」と語る。@@separator@@insert2 ●無邪気な映画少年から、一握りのハリウッドのスター監督へ  『ソウ』で来日した時のワン監督は、取材の休憩時間にはスタッフとの映画トークに気さくに応じ、作品についての質問には真摯に受け答えしていた。彼は当時、『インディ・ジョーンズ』や『スター・ウォーズ』などのビッグフランチャイズ作品の続編オファーに興味があるかと聞かれ、「もちろん! やれたら最高だよね」と無邪気に答えていた。そしてその頃から、「ホラーだけではなく、さまざまなジャンルの作品に挑戦したい」と語っていた。  15年が経過した今、同様の質問をぶつけてみた。すると、「どの作品も僕自身がファンだし、世界中の人に愛されている作品。それほど愛されているものに手を付けるというのは、よほどクリエイティブな面でプラス出来ることを見つけないと無理だと思う」と慎重な回答。この回答こそ、現在の立場の証明である。『ワイルド・スピード SKY MISSION』『アクアマン』と、興収10億ドルを超える作品を2本も生み出した今、彼が気軽に言及すれば企画が動いてしまいかねない。あれから15年、彼がそういう立場の映画監督になったことが非常に感慨深い。  回答こそ慎重になったものの、気さくで真摯な受け答えは当時と全く変わらない。「今は自分の作品がビッグフランチャイズになれるようにチャレンジしたい」と語ったワン監督。その作品が生み出される日はそう遠くないだろう。(取材・文:稲生稔)  映画『アクアマン』は2月8日より全国公開。

  • 映画『ファースト・マン』ライアン・ゴズリング&デイミアン・チャゼル監督インタビューカット

    『ファースト・マン』主演ライアン・ゴズリングと監督 激論で見えた“作る意味”

    映画

     映画『ラ・ラ・ランド』(2016)の最強コンビ、俳優のライアン・ゴズリングと監督のデイミアン・チャゼルが再びタッグを組んだ最新映画『ファースト・マン』。1969年、人類初の月面着陸に成功したアポロ11号の船長ニール・アームストロングの“真の姿”に肉迫した本作では、過酷なミッションを遂行しながらも、父として、夫として、さまざまな葛藤を抱えながら生きた1人の男の半生を浮き彫りにしている。映画の方向性について「激論を交わした」というライアンとチャゼル監督が制作当時を振り返った。@@cutter 本作は、ジェイムズ・R・ハンセンの著書をチャゼル監督が映像化した伝記ドラマ。ニール船長役を務めたライアンは、「ご家族に納得していただけるリアルな演技」を追求するため、史実を徹底的に調べ上げ、さらにはニールの妹ジューン、2人の息子リック&マーク、そしてクレア・フォイ演じる妻ジャネット(全米公開前の2018年6月21日、84歳で死去)からも直接アドバイスを受けた。なお、映画完成後、トロント国際映画祭のプレミア上映で本作を鑑賞したリックとマークは、「父と私たち家族のことをもう語る必要がなくなった。だって“この映画を観てください”と言えば済むからね」と最大限の賛辞を送っている。 ■ ミッション遂行映画か、家族を描く映画かで激論!?  脚本の第1稿が出来上がった段階で、ライアンとチャゼル監督は、映画の方向性について、かなり激論を交わしたという。「最初は喧々諤々だったね。殴り合ったり、家具を投げ合ったり、戦いながらなんとか意見が一致した」とおどけてみせるライアン。これを笑いながら聞いていたチャゼル監督は、「まぁ、それは冗談だけれど、当初私は、この作品をミッション遂行映画として考えていたが、ライアンはニール船長とその家族の喪失感も描くべきではないのか? と意見をくれた。ライアンのフレッシュな観点が、私に“どういう映画を作るべきか”再検査する機会を与えてくれたんだ」。 @@insert1  そしてある日、ライアンから、「キッチンと月」というキーワードを提案され、この映画の進むべき方向性がようやく見えたというチャゼル監督。「宇宙での成功物語でありながらも、この映画は喪失感を抱える家族の物語でもある。その両方のバランスが保たれてこそ、作る意味がある、ということをライアンは明確な言葉で示してくれた」と称賛。これに対してライアンも、「デイミアンは、しっかりとしたヴィジョンを持ちながら、その上でオープンに僕たちの意見をどんどん採り入れてくれる。だから、現場はとても有機的で、一緒に仕事をしていて本当に楽しいんだよ」と相思相愛ぶりをアピールする。  さらに、「あれだけの壮大なミッションに挑む勇猛果敢な宇宙飛行士でも、家に帰ればゴミ出しもするし、プールの掃除もするし、子どもと遊んだり、妻の悩みだって聞いたりする。誰でもありふれた日常が基盤にあるはずなんだ。だから、宇宙というメタファーを使って言えば、家庭生活も同じ軌道上で描くことがこの映画に必要な方向性だと思ったんだ。ミッションを遂行する前にニール船長の人間性や家庭生活をしっかり描く。この映画の最大の魅力は、そこにあると思う」と強調した。@@separator■ 1960年代の空気感を21世紀最新技術で再現  また、本作のもう1つの見どころが、危険と背中合わせの臨場感あふれる宇宙飛行シーン。当時の空気感が香り立つレトロな作り、あるいは描写は、どのようにして生まれたのか。これについてチャゼル監督は、「当時は、もちろん今のような技術がなくて、ガタガタと音がして、“ハンドメイドですか?”と言いたくなるようなルック&フィールだった。そうしたアナログの空気感を捉えるために、今回はデジタル・エフェクトをほとんど使わず、作れる範囲のものはフルスケールで再現し、大きなものはミニチュアを作って、1つ1つ撮影をしていったんだ」と舞台裏を明かす。 @@insert2  こだわりはさらにエスカレート。グリーンバックも一切使わず、実際に見えている風景をLED技術で映し出しながら、全てが撮ったままの画になるというアプローチにもチャレンジしている。「フルスケールも、ミニチュアも、スクリーンプロセスのようなやり方も、昔からある古典的な映画作りの手法。それを今回、“モダンバージョン”で実践したという感じだね。コンピュータが出てくる前の1960年代、特撮的な作り方がこの作品にはピッタリなような気がしたのでトライしたけど、その労力は大変なものだった」とチャゼル監督は述懐している。  タイムスリップしたかのような世界観のなか、宇宙と家庭という2つの現実の狭間で生きたニール・アームストロング。その激動の人生が、さまざまな思いを乗せて日本のスクリーンに着陸する。(取材・文:坂田正樹)  映画『ファースト・マン』は2月8日より全国公開。

  • 『雪の華』W主演の登坂広臣と中条あやみ

    『雪の華』登坂広臣×中条あやみ、2人とも「絶対に末っ子体質!」 撮影を経て実感

    映画

     「なんだか同じ匂いを感じます」と互いの印象を話す登坂広臣と中条あやみ。中島美嘉の名曲を映画化したラブストーリー『雪の華』では、余命宣告を受けたヒロイン・美雪と、100万円と引き換えに1ヵ月だけ美雪と恋人契約を交わす青年・悠輔を演じ、観る者の胸を締め付ける。真っ直ぐに演じた切ない恋愛劇を、終始笑顔で振り返る息ぴったりの2人を直撃した。@@cutter@@insert1  早くに両親を亡くし、妹弟の面倒を見ている悠輔と、一人っ子の美雪を演じる登坂と中条だが、実際には共に姉を持つ2人兄弟。中条は「同じ匂いを感じます。2人とも絶対に末っ子体質!」と撮影を経ての実感を明かす。  登坂も「そうだね、僕もそう思う」とうなずき、「僕はなぜかよく『絶対にお姉ちゃんがいるでしょう』と言われるんです。女性に対する接し方を早くして覚えているらしくて(笑)。悠輔は、美雪がメガネをコンタクトにしてもすぐ言いませんけど、僕はわりとすぐに気づいて言いますし、髪を切っていたら、切ったねって言います」と続ける。「分かります! 登坂さんは荒っぽくないんです」と笑い合う。 @@insert2  さらに中条が「登坂さんは、ちょっとイカつい見た目をしているけれど、実は悠輔と同じピュアボーイなんじゃないかと思うんですよね(笑)。純粋すぎて不器用そう…」と切り込むと、登坂は「バレた?」と照れ笑い。そして「あやみちゃんは本当に愛らしい人懐っこい方で、会う前はクールなイメージがあったんですけど、実際はチャキチャキした女の子でした」と中条の印象を語った。  本作は、夏と冬の2回行われたフィンランドでの撮影も見どころとなっている。中でも夏のロケで撮影された「ふいに手をつないでしまうシーン」が、登坂と中条のお気に入りだという。@@separator 「疑似恋愛で異国の地まで行って、どこか気持ちも通いつつある曖昧な関係な2人なんですけど、余命もあって素直に気持ちを伝えてくる美雪に対し、それを知らない悠輔は『期間限定の恋人契約だから』と素直に乗っかっていけない。そのドギマギしている感じを思い出します」とはにかむ登坂。中条も「ちょっと日が沈みかけたフィンランドの街を、手をつないで恥ずかしがりながら歩く…好きなシーンですね。景色もすごくキレイで」と重ねる。 @@insert3  その上で中条が、「デートを終えた2人が、ホテルの互いの部屋の前で手を放して、寂しそうに自分の部屋に戻っていく場面も好き。現場では、橋本(光二郎)監督が思わず『もう付き合っちゃえよ!』って叫んでいました(笑)」と明かすと、登坂も「確かにそんなに別れ惜しいんだったら、もう付き合っちゃえよって思うよね」と笑顔でテンポよく応じる。  もどかしい関係の美雪と悠輔だが、その始まりは、ひったくりに遭った美雪を悠輔が助けたこと。そのとき悠輔に掛けられた「声出してけよ、声!」というひと言が、美雪を動かしたのだ。 @@insert4  普段は「変に『やらなきゃ!』『うお~っ!』と気合を入れるより、『いつも通りに』と思うほうがフラットになれて、自然と自分の尻を叩ける気がします」というスタンスの登坂と、それにうなずく中条。だが、美雪を演じ終えた中条は「美雪は悠輔の言葉に救われた。そのときの美雪を思うと泣きそうになります」と語る。  登坂も「響く言葉ですよね。悠輔も美雪に言いながら、自分自身に対しても言っているのかなと感じました」と感慨深げ。中条は「日常でもついつい伝え忘れてしまってなかなか言えないことってたくさんあると思うんですけど、ちゃんと声に出して伝えていかなきゃいけないですし、そう気付かされる作品だったなと思います」としみじみと続けていた。(取材・文・写真:望月ふみ)  映画『雪の華』は2月1日より全国公開。

  • エミリー・ブラント、『メリー・ポピンズ リターンズ』インタビュー

    エミリー・ブラント「もう一度戻って来たい」… 『メリー・ポピンズ』“ロス”を告白

    映画

     往年の名作『メリー・ポピンズ』から実に55年の時を経て、待望の続編『メリー・ポピンズ リターンズ』がいよいよ2月1日より公開される。ジュリー・アンドリュースから新たにメリー・ポピンズ役を受け継いだ女優のエミリー・ブラントは、「プレッシャーは大きかったけれど、クランクアップの日は悲しい気持ちでいっぱいになった」とロス状態だったことを告白。本作へのあふれる思いを愛情たっぷりに振り返った。@@cutter●オファーを受けたとき“恐怖”を感じた  子どものころ、ディズニー映画は「特別な存在だった」というエミリー。「最初に観た作品は、確か『王様の剣』。その次が『ライオン・キング』だったかしら。それ以降、ディズニー映画の大ファンになり、もちろん『メリー・ポピンズ』も何度も観ていて、まるで魔法にかかったような感銘を受けたのを覚えているわ。ディズニー映画は素敵な冒険に連れ出してくれるけれど、その中心には深いテーマがあり、子供たちがそれを感じる力を決して見くびっていないところが素晴らしい」と絶賛。そんなエミリーにメリー・ポピンズ役のオファーが届いたときは、「ある種の恐怖を感じたわ。人々の記憶に染み込んでいるキャラクターをどう演じれば受け入れてくれるのか…それが何よりも不安だった」と述懐する。  そして悩んだ末にエミリーは、ジュリーのモノマネにならないよう、「前作を一切見返さない」という方法を取り、原作をしっかり読み直して、「自分にしかできない“メリー・ポピンズ像”を模索する」道を選んだ。凛とした美しさの中に、時おり見せる母性的な優しさ…二面性をより明確に表現したエミリーならではのアプローチは、ジュリーとはまた違った魅力を放ち、メリー・ポピンズに新たな命を吹き込んでいる。ロブ・マーシャル監督は、早くも続編製作に意欲的なコメントを出しているが、エミリー自身も、「彼女を演じ終えた後、別れるのがとても悲しかった。できることなら、もう一度戻って来たい」と本音を漏らしている。 @@insert1 ●お気に入りのシーンはスタントなしの“お風呂アクション”  本作でエミリーは、歌ったり、踊ったり、泳いだり、肉体もフルに使ってメリー・ポピンズを表現しているが、一番印象に残っているシーンについて、「苦労したという点では、9週間におよぶダンスの特訓が一番だけれど、お気に入りのシーンとなると、やっぱりお風呂にダイブするところかしら」と笑顔を浮かべる。「ちょっぴり厳しくて気難しい彼女が、あのシーンで初めて子供たちに遊び心を垣間見せるでしょ? ファンタジックな冒険にワクワクしている表情がとっても素敵なの」。@@separator 撮影自体も楽しかったようで、当時を思い出しながらエミリーの舌はどんどん滑らかに。「浴槽には、実はお湯は入ってなくて泡だけだったんですが、底にステージにつながる穴が空いていて、滑り台が付いていたの。子役たちはもう大興奮! ただ、私の場合は、マーシャル監督から“背中からダイブしてね”って言われたので、一瞬、躊躇してしまったの。“脳しんとうとか大丈夫かしら?”って。だから、最初のテイクは、安全のためにスタントマンにやってもらったんだけど、それを見ていたら、“なんだか楽しそうだなぁ”と思い始めて…。結局、自分でやることにしたわ!(笑)」 @@insert2  さらに、忘れられない思い出となったのが、前作でメリー・ポピンズの親友バートを演じたディック・ヴァン・ダイクの登場シーン。93歳と思えぬパフォーマンスに度肝を抜かれたというエミリーは、「彼は本当にマジカルな存在よ。デスクの上でタップダンスを踊るシーンで、スタッフが介添えをしようとしたら“いらねぇ!”と言ってご自分で飛び乗ったの。私は一瞬、幻覚なのか? と思ったほど。それくらい生命力に溢れていて、元気はつらつ。まさに『メリー・ポピンズ』の魂を象徴している方ね」と感慨深げ。「スタッフ、キャストにとって、最も記憶に残った1日だったわ」と思い出をかみしめていた。(取材・文:坂田正樹)  映画『メリー・ポピンズ リターンズ』は2月1日より全国公開。

  • (左から)橋本環奈&杉咲花、『十二人の死にたい子どもたち』インタビュー

    杉咲花&橋本環奈が挑んだ同世代との演技合戦 互いの存在感に刺激

    映画

     出演作が途切れることがない注目の若手女優・杉咲花と橋本環奈。そんな彼女たちが初共演を果たしたのが映画『十二人の死にたい子どもたち』だ。“集団安楽死”という目的のもと集った若者たちの心の奥底に蠢(うごめ)く闇を、閉ざされた空間で昇華させるという、非常に難易度の高いテーマに挑んだ杉咲と橋本が、作品へ臨むうえでの覚悟や互いの印象などを語った。@@cutter 杉咲演じるアンリは、全身黒い服で腕組みをし、常に怒りを身にまとった非常にエキセントリックな女の子。これまで杉咲が演じてきた役柄とは趣が違うが、本人も台本や原作を読んだとき「共感できる人物ではない」と思ったという。それでも「純粋な思いが強いからこそ、周囲からみたら屈折しているように映るのかもしれないと考えると、とても興味深い人物だと思った」と役への探求心は強かったことを明かす。  一方、橋本演じるリョウコは、マスクに帽子とほぼ素顔を見せない。それは彼女の正体が人気女優だからなのだが、自らを“大人たちに作られた虚像”と嘆く女の子だ。橋本は「私は大人に利用されていると思ったことがないので、自分と共通する部分はほとんどない」と語るが、女優という同じ職業に携わっているからこそ、芸名でいるときの自分と、素の自分との違いを「伝わらないぐらい繊細」なさじ加減で演技分けることにチャレンジしたという。 @@insert1  本作では、ワンシーンを多重カメラで一気に撮るという撮影方法が多用された。ノンストップで40分に渡る長回しもあったというが、杉咲は「同じシーンを何回も繰り返すと、慣れてしまい新鮮味や集中力を欠いてしまう危険性があるので、私的には今回の撮影方法はすごくやりやすかった。とても心地いい時間でした」と撮影を振り返ると、橋本も「あの撮影はすごかった。同世代の目に見えないエネルギーがビシビシと伝わってきて、受け身でいるとついていけない緊張感もありました。そういった空気はちゃんとスクリーンに映し出されていると思います」と自信をのぞかせていた。  12人の若手俳優たちの演技バトルも、本作の魅力の一つ。杉咲は、ミツエ演じる古川琴音と橋本が対峙するシーンが印象に残っているというと「ミツエとのテイクに時間がかかったとき、環奈ちゃんがミツエに対してのお芝居がどんどん強くなって膨らんでいったのをみて『絶対いいシーンにしたい』という思いが伝わってきました。こんな風に向き合ってくれる相手がいたら心強いだろうなと思った」と橋本の芝居に対する姿勢を絶賛。このシーンを経て“もっと頑張っていこう”という空気感が出来上がったと証言した。@@separator 杉咲の言葉に橋本は、杉咲が演じたアンリという人物について「意思が強くて、一瞬でみんなを静まり返らせる激しさと、たしなめるような静かさも持っている非常に難しい役」ととらえていたという。そんななか、新田真剣佑演じるシンジロウと対峙するシーンの杉咲の圧倒的な演技に「感動すら覚えた」と脱帽していた。 @@insert3  杉咲は年末年始、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!大晦日年越しスペシャル! 絶対に笑ってはいけないトレジャーハンター24時!』や『芸能人格付けチェック2019』などのバラエティ番組で非常にコミカルな一面を見せ、大きな話題になった。「すごく楽しかった」と収録を振り返ると「いままでは、自分のなかで“こういう作品だけでいい”という決めつけがどこかにあったのですが、バラエティでのコミカルさ、映画やドラマでもコメディやラブストーリーなどにも挑戦させていただき、自分でも予想できない自分との出会いがありました。いまは“自分はこうなんだ”と決めつけず、まずは一回挑戦してみようという気持ちで取り組んでいます」と目を輝かせる。 @@insert2  一方の橋本も、ここ最近コミカルな役柄で大きな注目を集めたが「リョウコはあまり笑わなかった役どころ」と、また新たな感情表現にチャレンジしたことを明かし「一つ一つの出会いを大切に進んでいきたい」と丁寧に物事に取り組むことを誓っていた。(取材・文:磯部正和 写真:高野広美)  映画『十二人の死にたい子どもたち』は全国公開中。

  • ドラマ『みかづき』高橋一生インタビューカット

    高橋一生、2019年は「どうにでもなれという感じ」 その真意は?

    エンタメ

     数々のドラマ、映画に出演し、人気実力派俳優の地位を固めた高橋一生。2019年は主演を務める土曜ドラマ『みかづき』(NHK総合/毎週土曜21時)でスタートをきる。2019年について「どうにでもなれという感じです(笑)」と語るその真意は? 高橋に作品の話に加え、仕事に対する今の思いを聞いた。@@cutter 本作は、2017年に「本屋大賞」2位になった森絵都の同名小説が原作。昭和から平成に至る塾と日本社会の変遷を背景に、ある家族の50年の歴史を描く。脚本はドラマ『ホタルノヒカリ』(日本テレビ系)を手がけた水橋文美江。 @@insert1  高橋が演じるのは、小学校の用務員でありながら落ちこぼれの子どもたちに勉強を教えていた天才的教師の大島吾郎。高橋は吾郎の50年を特殊メイクせずに演じたが、年齢の変化を外見ではなく内面から表現できたのは「脚本のおかげ」と断言する。水橋の脚本を読み、吾郎は「僕をあて書きしてくれている」と感じたそう。「『あー』って相づちをうつ感じは僕そのもの。水橋さんは初めてですが、おそらく僕のイメージの断片を膨らませてくださって、そのエッセンスを吾郎に入れてくれたんだと思います。水橋さんだけでなく、最近はあて書いてくれているような役が多くて。脚本家の方が思う僕のイメージや求めているものが、台本から透けて見えるのはうれしい」と満足げだ。  高橋が演じる吾郎の信念は「生きる力を授ける教育」。高橋にとっての“生きる力”は何かと聞くと「笑うこと」だという。「大変なことがあっても無理にでもいいから笑うべきだと感じていて。そうしないと心の重心が悲しい世界に寄ってしまうので、楽しい世界にするためにも笑っていたい」とはにかむ。そのことは吾郎を演じていても痛感したという。撮影中に塾講師に話を聞く機会があったそうで、「『笑って教える』だけで子ども達の姿勢が変わるとおっしゃっていて、すごく勉強になりました。授業を拝見していても子どもたちが警戒しないんです。笑顔の効果は強いと実感しました」と振り返る。@@separator 今作は家族を描いたドラマ。高橋は家族を「孤独を共有できる大事な存在」と評し、「自分がこのままでいいんだという力を与えてくれる」とも。一方で、長男の高橋だが、弟たちに対しては「偉ぶる人にはなりたくなくて、常に目線を一緒にしていました。態度や発言が相手に対してどういった印象を与えるか、弟たちに対しても意識していたかもしれないです。何かを言葉にして教えてしまうと、間違って受け止められる恐れもある。言葉よりも普段の生活や行動で見せていこうと思っていました」。 @@insert2  そんな高橋だが、2019年をどんな年にしたいかと問うと、「どういった年にでもなれという年」とほほ笑む。「僕はもう自分で何かをどうこうしようかという範ちゅうの外にいるんです。『お仕事したい』と言ってくださる方々がいてくださる間は、その方々の思いに応えてお芝居をしていくだけ。それは2018年にハッキリ分かりました」と真摯に明かす。  その真意とは? 「仕事でやりたいことは全部叶っちゃったんです。そこから先は自発的に目標を決めてどうしたいと言っていても仕方ない。そうしないといつまでたっても、自分の作った枠の中にいることになってしまう。枠の外に出るためにも周りの方々の意見を取り入れないといけないと思っているので、どうにでもなれという感じです(笑)」。  自分を常に客観的に見て、求められているものに応えていこうとする高橋。本作での吾郎をはじめ、今年も高橋の新たな一面が見られそうだ。(取材・文・写真/高山美穂)  土曜ドラマ『みかづき』は、NHK総合にて1月26日より毎週土曜21時放送。

  • 岡田結実、『私のおじさん~WATAOJI~』インタビュー

    3月に高校卒業の岡田結実、めざすは“バラエティ女優”

    エンタメ

     タレントとして幅広い活躍を続けている岡田結実。一方で、女優としてもテレビドラマや映画に出演し、昨年9月には所属事務所・オスカープロモーションが開催する「記者発表会」で“女優宣言”を行った。そんな彼女の宣言後、最初の作品となるのが、金曜ナイトドラマ『私のおじさん~WATAOJI~』(テレビ朝日系/毎週金曜23時15分 ※一部地域を除く)だ。本作で岡田は連ドラ初主演を果たし、本格的に女優としての第一歩を踏み出したが、多方面で活躍する彼女ならではの大きな野望があるという――。@@cutter 昨年放送された土曜ナイトドラマ『ヒモメン』(テレビ朝日系)で、初のレギュラー出演を果たした岡田は、連続ドラマ2作目にして主演を果たした。岡田演じるのは、恋に仕事に失敗し、人生がけっぷちに追い込まれた新人AD・一ノ瀬ひかり。超過酷なロケで有名なバラエティ番組に配属され、言いたいことも言えない“我慢の毎日”を過ごす中、そこに遠藤憲一扮する自称“妖精”のおじさんが現れ、ひかりの良き理解者になって、難局を乗り越えていく。    岡田は今回の大抜擢について「10代のうちに連続ドラマの主演をやらせていただけるなんてそうそうないことだと思う」と感慨深い表情を浮かべると「演技経験も少なく未熟な私ができることは、自分の持っているものを全部ぶつけて、はっちゃけること」と現場では徹底してテンションを上げて臨んでいるという。  「演じている本人が楽しくないと、視聴者に楽しいものは届けられないと思う。だからとにかく楽しもう」という岡田の姿勢は、遠藤や城田優、青木さやからにも伝わった。イベントでは「いつまでしゃべっているんだろうと思うぐらいハイテンション」と共演者たちは話していたが、岡田のはっちゃけエピソードを語る共演者の表情は、みな楽しそうだった。 @@insert1  撮影前は「連続ドラマの主演というプレッシャーに押しつぶされそうだった」と語っていた岡田だが、遠藤との共演は不安を一掃してくれたという。「以前から遠藤さんの演技を見ていて、とてもやさしいお芝居をされる方だなという印象がありました。今回の作品でご一緒してその印象はさらに強くなりました。とにかく安心してお芝居ができるのは、遠藤さんのおかげだと思っています」。    芸能界に入る前は、女優の仕事に憧れていたというが、デビュー当初は、女優業には積極的になれなかったという。その言葉通り、彼女の知名度を上げたのはバラエティ番組やモデルでの活躍だ。「最初はお芝居のレッスンもしていたのですが、なにもわからない状態だったので、どんどん自分の実力のなさが露呈されるのが嫌で、ちょっと目を背けてしまったんです」。    しかし、中学生のころに父親(ますだおかだ/岡田圭右)から「感動するから」と渡された『ハッピーバースデー』という小説を読んで、物語の登場人物を演じるという俳優の仕事に再度興味を持った。「小説や台本の意図をくみ取りながら、役者さんが表現することって、すごく尊いし格好いいなと思ったんです」と当時を振り返る。@@separator そこからは、バラエティやモデルとして活躍しつつも、演じることへの興味や意識は変わっていった。「ほかの人の人生を歩むのは難しい」とまだまだ課題は多いというが「みなさん本当にやさしく声をかけていただき、支えていただいています」と素敵な先輩に囲まれ、本作では、主演という大役に挑んでいる。    2019年は、3月に高校を卒業する。「通信制なので制服を着る必要はないのですが、とにかく制服を着たい。制服でディズニーランドに行くのが目標」と目を輝かせると、仕事についても「お芝居の仕事にも魅了されていますが、バラエティも大好きなんです。役者の先輩から『バラエティのイメージがつきすぎると、役を演じづらくなるよ』とアドバイスをいただきました。そうなんだろうなと思う一方で、そこの壁を壊せたらなという気持ちもあるんです」と強い気持ちを見せる。 @@insert2  「バラエティも好きですし、演技もどんどん頑張りたい。どっちもやめたくない」と語った岡田。目指すはバラエティでも女優でも一線級で活躍できる人物――「バラエティ女優です」と力強く語っていた。(取材・文:磯部正和 写真:松林満美)  金曜ナイトドラマ『私のおじさん~WATAOJI~』は、テレビ朝日系にて毎週金曜23時15分放送(※一部地域を除く)。

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