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山の音

【解説/みどころ】
原作は川端康成が戦後最初に発表した同名小説。とある中流家庭を舞台に、老境に入った男が、同居する若く美しい息子の嫁に抱く複雑な感情を綴っている。下町を愛し、市井に暮らす人々の日常を描いてきた成瀬の作品歴においては異色の題材。だが、日本的なものをめぐる川端独特の美意識は、端正な人物像や画づくりに反映し、また原作の物語展開は成瀬固有の大胆かつ繊細なエロチシズムを導き出して、川端文学の映画化としても、成瀬巳喜男監督作品としても、第一級のものとなっている。俳優たちも持ち味を生かした素晴らしい演技で、とりわけヒロイン・原節子の匂いたつような美しさは忘れがたい。成瀬作品では清純な人妻や未亡人を演じている彼女であり、しばしば性的な含みが持たされるが、この作品ではそうした人妻という存在のなまめかしさが強調され、女学生のような三つ折りソックスをはいた普段着姿が卑猥なまでに官能的である。他に女を囲い彼女を顧みない夫の上原謙、義父役の山村聰もそれぞれ好演。


キャスト
原節子山村聰上原謙杉葉子長岡輝子丹阿弥谷津子中北千枝子
スタッフ
監督: 成瀬巳喜男 脚本: 水木洋子 原作: 川端康成
上映時間・制作年
95分/1954年
制作国
日本
配給
東宝


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