徳島県美馬市 ロケツーリズム推進で 「僕らの食卓」ドラマ化支援
徳島県美馬市では、ロケツーリズムによる観光プロモーションプロジェクト推進事業として、三田織さんのマンガ「僕らの食卓」(幻冬舎コミックス)のドラマ化が決定し、今春以降に美馬市でのロケが行われる。
美馬市は、徳島県西部に位置し、清流で知られる穴吹川が流れ、総面積の8割が山間部で、美しい水と緑に富んだ自然豊かな地域だ。町家の両端に本瓦葺きで漆喰塗りの防火壁「うだつ」が見られる江戸中期〜昭和初期の85棟の古民家が建ち並ぶ重要伝統的建造物群保存地区「うだつの町並み」などで知られる。
大滝山から望む
ロケツーリズムは、映画やドラマなどのロケを誘致して、地域のプロモーションを行い、新たなコラボ商品開発やファン層の誘客が狙いだ。過去には、昭和初期に建設された西洋モダン風のデザインと、奈落や回り舞台などを備えた脇町劇場(オデオン座)が、山田洋次監督の映画「虹をつかむ男」のロケの舞台となったことがきっかけで、老朽化による取り壊しを免れ、町指定文化財として創建時の姿に修復された。その後、一般公開され、多くの映画ファンが訪れている。
脇町劇場オデオン座
花道展「うだつをいける」の様子
美馬市では、コロナ禍で落ち込んだ観光需要を回復するため、アフターコロナに向けて、早期の観光誘客が必要と考え、企業版ふるさと納税を活用して、ロケの誘致やロケツーリズムの環境整備を進めることを決定。そこで企画が進められていた「僕らの食卓」ドラマ化きっかけに事業を進めることになった。
川遊びをする子どもたち
「僕らの食卓」は、誰かと食事をするのが苦手な会社員の豊が、昼食を取ろうとしていた公園で出会った兄弟・穣と種になぜか「おにぎりの作り方」を教えることになる。以来、彼らと一緒に食事をすることが増え、いつしか、みんなでご飯を食べるのが楽しみに思えて……という「食」と「家族愛」をテーマにした物語。今春から制作がスタートし、美馬市でのロケなどが進められる予定。
うだつの町並み
古民家にそびえる「うだつ」
ポタリング