カンヌ「ある視点」部門正式出品、倍賞千恵子、磯村勇斗ら映画『PLAN 75』予告編&ポスター解禁
第75回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション「ある視点」部門正式出品が決定した倍賞千恵子主演映画『PLAN 75』より、予告編、本ビジュアル、場面写真が解禁された。
【動画】倍賞千恵子、磯村勇斗ら映画『PLAN 75』予告編
本作は、映画監督の是枝裕和が総合監修を務めたオムニバス映画『十年 Ten Years Japan』の一編『PLAN75』を新たに構築し、キャストを一新した早川千絵監督の初長編映画。75歳以上の高齢者に自ら死を選ぶ権利を保障し、支援する国の制度「プラン75」が施行された社会で、その制度に大きくほんろうされる人々の姿を描く。
主人公・角谷(かくたに)ミチを演じるのは倍賞千恵子。勤勉に慎ましく生きてきたミチだが、失職をきっかけに社会での居場所さえも失いかけることに。それでもなお、自分で立っていたいと自身を追い込んでいく。「プラン75」に携わる側には磯村勇斗、河合優実を配し、このほか、たかお鷹、ステファニー・アリアン、大方斐紗子、串田和美らが顔をそろえた。
予告編は、ホテルの客室清掃員として働くミチ(倍賞)が、「プラン75」のコールセンターから電話を受ける場面から始まる。「75歳以上の高齢者に、死を選ぶ権利を認め、支援する制度、通称『プラン75』が、国会で可決されました」と制度の施行を伝えるニュース音声が流れた後で、「死」の選択を迫られるプラン対象者のミチ、「死」を推奨する役所の申請窓口担当者のヒロム(磯村)、「死」を選んだお年寄りをサポートするコールセンターで働く瑶子(河合)ら、制度にほんろうされる異なる立場の登場人物たちが描かれていく。
働く意志があっても就職先が見つからず追い込まれていくミチ、自らの叔父が「プラン75」の申請に現れ戸惑うヒロム、対象者ミチとの交流により自らが携わる制度に疑問を持ち始める瑶子ら、登場人物たちの気持ちが揺れ動く様子が映し出される。「あなたは生きますか?」という投げかけにより、架空の制度を媒介に「生きる」という究極のテーマを問いかける衝撃的な仕上がりとなっている。
本ビジュアルは、タイトルの下に「それは、75歳から自らの生死を選択できる制度―果たして是か、非か」というコピーとともに、「プラン75」にほんろうされる人々の意味深な表情が切り取られ、制度を迫られる側、選ぶ側、携わる側、それぞれの行く末に想像が膨らむポスタービジュアルとなっている。
映画『PLAN 75』は、6月17日より全国公開。