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ウド・キアー主演、実在の人物をモデルに描く感動作『スワンソング』公開決定

映画

 俳優ウド・キアーが主演を務める、実在したヘアメイクドレッサーをモデルに描く映画『SWAN SONG(原題)』が、邦題を『スワンソング』として8月26日より公開されることが決定。日本版ポスタービジュアルが解禁された。

【写真】『スワンソング』場面写真

 本作は、引退したヘアメイクドレッサーが、亡き親友に最後のメイクを施すために旅に出る姿を描くハートフル・ロードムービー。タイトルになっている「スワンソング」は、白鳥がこの世を去る際、最も美しい声で歌うという伝説から生まれた言葉。芸術や匠の技に身を捧げた者たちが、人生の最後に残した作品、最後のパフォーマンス、つまり有終の美を飾ったものが「スワンソング」と表現される。本作はシドニー映画祭にて作品賞を受賞するなど、世界各国の映画祭で好評を博した。

 ヘアメイクドレッサーとして活躍していた現役生活をとうの昔に退き、老人ホームでひっそりと暮らすパット。ある日彼は、思わぬ依頼を受ける。かつての顧客で、街で一番の金持ちだったリタが、遺言で「パットに死化粧を」とお願いしていたのだった。ゲイとして生き、最愛のパートナーであるデビッドを早くにエイズで失っていたパットは、リタの遺言によってさまざまな思い出が去来する。

 すっかり忘れていた仕事への情熱や、友人でもあるリタへの複雑な思い、そして自身の過去と現在…。果たして、パトリック・ピッツェンバーガー、通称“ミスター・パット”にとっての「スワンソング」は、わだかまりを残したまま亡くなってしまった親友であり顧客のリタを、天国へと送り届ける仕事になるのか―。

 主演は、ドイツ出身でハリウッド作品でも多数活躍する世界的名優ウド・キアー。初期の『悪魔のはらわた』から近年のラース・フォン・トリアー作品まで、さまざな作品で怪優ぶりを発揮してきたキアーが、本作でその強烈な個性はそのままに、人生最後の仕事に逡巡する主人公をエモーショナルに表現。時には激しく感情をあらわに、時には静かに哀感を漂わせ、共感を誘う名演技を披露する。共演は『プロミシング・ヤング・ウーマン』のジェニファー・クーリッジ、テレビシリーズ『アグリー・ベティ』のマイケル・ユーリーら。ユーリーはゲイであると公言した俳優兼テレビプロデューサーとしても知られる。

 監督のトッド・スティーブンスは、17歳の時にオハイオ州のゲイクラブで“ミスター・パット”ことパトリック・ピッツェンバーガーが踊っているのを見て衝撃を受けたという。その後映画の道へ進んでからも、いつか同郷であるこの人気ヘアメイクドレッサーを題材にした作品を撮りたいと思い続け、今回その念願をついに叶えた。本作は自身もゲイであるスティーブンス監督が、実在の人物を題材に、エイズが蔓延した90年代から現在に至るゲイカルチャーを真摯に見つめ、社会的な立ち位置や相続問題などのリアルなトピックも取り込みながら誠実に描いた作品となっている。

 日本版ポスタービジュアルは、ウド・キアー演ずるミスター・パットが、ファッショナブルに着飾り愛した男の好きだった煙草をくゆらす姿を切り取ったもの。横には「ゴージャスに生き抜く。華麗に羽ばたく。」という、パットの生き様を表現するキャッチコピーが添えられている。

 映画『スワンソング』は、8月26日より全国順次公開。

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