Kis‐My‐Ft2・藤ヶ谷太輔、4年ぶりストレートプレイ挑戦 『野鴨』で“正義病”の主人公に
Kis‐My‐Ft2の藤ヶ谷太輔が主演するイプセン作、上村聡史演出の舞台『野鴨‐Vildanden‐』が、9月に東京と兵庫で上演されることが決まった。
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『野鴨』はノルウェーの劇作家ヘンリック・イプセンが1884年に発表した戯曲。イプセンは、納屋を“うそ”、外の世界を“真実”、そして“野鴨”を我々人間に例えることで、自己欺瞞(ぎまん)によって自らを守ろうとする人間の弱さや、独りよがりの正義を振りかざす愚かしさを描き出した。
理想を追い求め、真実こそが正義だと信じてやまない“正義病”の主人公グレーゲルスを藤ヶ谷が演じる。藤ヶ谷は2018年の舞台『そして僕は途方に暮れる』では平凡な青年が突如、孤独と絶望を経験していくという難役に挑み、静かな中にも圧倒的なエネルギーを舞台上で放ち強い印象を残した。それから4年ぶりのストレートプレイ挑戦となる。
そして、妻と娘に恵まれ幸せに暮らしているグレーゲルスの幼なじみのヤルマールを忍成修吾、豪商ヴェルレと関係のあった過去を持つヤルマールの妻ギーナを前田亜季、ヤルマールとギーナの娘ヘドヴィクを八幡みゆきが演じる。
さらに、エクダル老人と過去に確執があるグレーゲルスの父で豪商のヴェルレには大鷹明良。軍の元中尉という過去の栄光から一転、今は落ちぶれてしまったヤルマールの父エクダル老人を浅野和之が演じる。
主演の藤ヶ谷は「僕が演じるグレーゲルスは、“正義病”と言われるくらい正義感が強く、それが裏目に出てしまう役でもあります。彼の信じる正義が物語に大きく関わるのですが、きっと観てくださるお客さまもどこか他人事とは思えないと感じていただけるはずです」とした上、「この作品は、『真実』『嘘』『正義』がキーワードで、現代に通ずることがたくさんあります。お客さま自身にも観て、感じて、考えていただけることがたくさんあると思いますので、僕もしっかりそれを演じ届けられるように頑張ります」と意気込む。
演出の上村は「藤ヶ谷さんの頭の回転の速さ、シャープな立ち姿、クールでありながらもユーモアに満ちた感性におおいに頼らせていただき、ただの“狂気”だけで片付けることのできない、今の私たちの中にある『執念』をしっかりと描いていきたいと思います」とコメントしている。
舞台『野鴨‐Vildanden‐』は、東京・世田谷パブリックシアターにて9月3~18日、兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて9月21~25日上演。
※藤ヶ谷太輔、上村聡史コメント全文は以下の通り