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カンヌ国際映画祭出品『やまぶき』公開決定 祷キララの眼差しが印象的なビジュアル解禁

映画

 第75回カンヌ国際映画祭ACID部門正式出品作の映画『やまぶき』が11月5日より公開されることが決定。併せて、メインビジュアルと場面写真が解禁された。

【写真】地方に生きる人々の慎ましい抵抗を国際的な視座で描く 『やまぶき』場面写真

 本作は、岡山県真庭市の山間で農業に携わりながら、地方に生きる人々に光をあてて映画製作を続ける山﨑樹一郎監督の長編第3作。陽の当たりづらい場所にしか咲かぬ野生の花「山吹」をモチーフに、資本主義と家父長制社会の歪みに潜む悲劇と希望を描きだす群像劇だ。

 政治的な主題を声高ではなく繊細に描く作風が評価され、今年5月に行われたカンヌ国際映画祭のACID部門に日本映画として初めて選出される快挙を果たしたほか、多数の海外映画祭に招待されている。

 アニメーションパートを担当するのはフランスのSurvivance(シュルヴィヴァンス)との国際共同製作によって完成された。『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』でアヌシー国際アニメーション映画祭で2冠を得たセバスチャン・ローデンバック。音楽はオリヴィエ・ドゥパリが担当。編集協力にはまた、フランソワ・トリュフォーやモーリス・ピアラ、フィリップ・ガレルなど巨匠監督の作品を手がけた、フランス映画の伝説的な編集マンであるヤン・ドゥデを迎える。

 チャンス役を演じるのは、イギリスで演劇を学び、今回初めての日本映画出演となる韓国人俳優のカン・ユンス。山吹役は、『サマーフィルムにのって』や『セイコグラム~転生したら戦時中の女学生だった件~』(NHK)など話題作への出演が相次ぐ演技派俳優・祷キララ。その傍に、川瀬陽太、和田光沙、三浦誠己、松浦祐也、青木崇高らの実力派俳優たちが集結し、田舎町に暮らす人々のほとばしる生を体現している。

 かつて韓国の乗馬競技のホープだったチャンスは、父親の会社の倒産で多額の負債を背負った。岡山に流れ着き、今はヴェトナム人労働者たちとともに採石場で働いている。一方で、刑事の父と2人暮らしの女子高生・山吹は、交差点でひとりサイレントスタンディングを始める。2人とその周囲の人々の運命は、本人たちの知らぬ間に静かに交錯し始めるー。

 今回解禁されたポスタービジュアルは、砂漠らしき場所を背景に、山吹がこちらを射抜くような強い眼差しを向ける姿が映し出され、「太陽をみんなで一緒に見るひまわりじゃなくていい」という彼女の象徴的な台詞がキャッチコピーとして添えられている。右側にヤマブキの花をイメージした蛍光オレンジのタイトルロゴが大きく配置された、シンプルながらインパクトのあるビジュアルだ。

 場面写真には群像劇らしく様々な登場人物の生活の様子が写っており、彼らが紡ぎだす物語に期待が高まる。

 映画『やまぶき』は11月5日より全国順次公開。

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