アメリカで豪華版聖書を売り歩くセールスマンに密着 メイズルス兄弟の傑作ドキュメンタリー予告解禁
■柴田元幸(翻訳家)
「人間は歴史を作るが、思うようにではない」と昔の偉い思想家は言ったわけだが、この映画を観ていると、「人間は物語を生きるが、思うようにではない」と言いたくなる。その切実さ、その悲哀。
■町山智浩(映画評論家)
「買わないと地獄に落ちる」とほのめかして高価な聖書を貧しい労働者に売りつけるセールスマンたちに密着し、彼らの惨めな詐欺生活を記録した本作は、宗教と資本主義が絡み合う現代社会の縮図である。
■野中モモ(ライター・翻訳者)
スーツの男たちと郊外家族の攻防戦。これまで観てきたアメリカの劇映画やドラマのさまざまな場面が脳裏に浮かんでは消えてゆく。あれもこれもきっとここに撮られている現実があったから生まれてきたものなんだ。
■想田和弘(映画作家)
映画史に欠かせない名作である。僕の「観察映画」も大きな影響を受けた。だけど日本では未公開。そのことを配給会社の東風の人たちに嘆いていたら、なんとノームと協力して配給権を買い付け、今度の劇場公開が実現。凄いことですよ。いまだに信じられない。嘆いてみるもんですね(笑)。