カンヌ国際映画祭・75周年記念大賞受賞 ダルデンヌ兄弟監督作『トリとロキタ』、2023年3月日本公開
第75回カンヌ国際映画祭にて75周年記念大賞を受賞した、ベルギーの名匠ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督の最新作『トリとロキタ』が、2023年3月31日より公開されることが決定。ポスタービジュアルと場面写真が解禁された。
【写真】ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督の最新作『トリとロキタ』場面写真
カンヌ国際映画祭で、1999年にパルム・ドールと主演女優賞を受賞した『ロゼッタ』、2005年にパルム・ドールを受賞した『ある子供』、2011年にグランプリを獲得した『少年と自転車』。これまで2度のパルム・ドール大賞受賞をはじめ、世界中で90以上もの映画賞を受賞しているベルギーの名匠、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督。
本作は、これまで数々の傑作を生み出しキャリア35年に到達したダルデンヌ兄弟の最新作。ロシアによるウクライナ侵攻をはじめ分断が進む世界で、アフリカ、中東、ウクライナなどの祖国を追われた人々はどこで安息を得られるのか。いま、世界が直面する人間の尊厳の在り方を突き付けると同時に、ダルデンヌ作品では初めてとなる怒りまでをもにじませた、観客の良心を震わせるシンプルかつ強靭な作品が誕生した。ダルデンヌ兄弟の代名詞とも言える、“BGMなし、演技未経験の主演俳優、削ぎ落された作劇”に加え、先の読めないサスペンスを極め、第75回カンヌ国際映画祭で75周年記念大賞を受賞している。
地中海を渡りヨーロッパへやってきた人々が、大勢ベルギーに暮らしている。トリとロキタも同様にベルギー・リエージュへたどりついた。トリはまだ子供だがしっかり者。十代後半のロキタはビザがないため、正規の職に就くことができない。ロキタは祖国にいる家族のために、ドラッグの運び屋をして金を稼ぐ。偽りの姉弟としてこの街で生きるふたりは、どんなときも一緒だ。年上のロキタは社会からトリを守り、トリはときに不安定になるロキタを支える。
そんな中、ロキタは偽造ビザを手に入れるために、さらに危険な闇組織の仕事を始める。ほかに頼るものがないふたりの温かな絆と、それを断ち切ろうとするばかりの冷たい世界。彼らを追い詰めるのは麻薬や闇組織なのか、それとも…。
ポスタービジュアルは、少年トリと少女ロキタが、互いを見つめ合い腕を引き寄せ合う姿を捉えたもの。中央には「離れたくない、ただそれだけ」というコピーが添えられ、ふたりの強い絆がにじみ出るビジュアルとなっている。
場面写真は、何かを考え込むような眼差しで遠くを見つめるロキタと、そんなロキタを力強く見つめるトリが肩を組むシーンを切り取ったもの。トリを演じたパブロ・シルズ、ロキタを演じたジョエリー・ムブンドゥは、ともに本作が演技初経験ながら素晴らしい名演を見せている。パブロは第39回エルサレム映画祭にて国際映画部門審査員特別賞を受賞、ジョエリーは新進気鋭の俳優が選ばれる本年度のヨーロピアンシューティングスターに最年少で選出されるなど、カンヌ国際映画祭でのワールドプレミア以降、各国のメディアから絶賛を贈られている。
映画『トリとロキタ』は、2023年3月31日より全国順次公開。