1968年公開『ロミオとジュリエット』俳優2人、ヌードシーンをめぐり児童虐待で製作会社を提訴
1968年に公開され、翌年のアカデミー賞に4部門で候補入りを果たした映画『ロミオとジュリエット』。主演のオリヴィア・ハッセーとレナード・ホワイティングが、ヌードシーンを巡り製作会社を提訴したことがわかった。
【写真】オリヴィア・ハッセーとレナード・ホワイティングが15歳、16歳で主演した『ロミオとジュリエット』
本作は、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』を原作に、2019年に亡くなったフランコ・ゼフィレッリ監督が手掛けた作品。1968年に公開されると大ヒットを記録し、第41回アカデミー賞では作品賞はじめ4部門で候補入りを果たした。
その一方で、ベッドシーンに当時15歳のオリヴィアの胸部と16歳だったレナードの臀部が映っていることから、未成年のヌードを巡り物議を醸してきた。
Varietyによると、これまでオリヴィアは監督を擁護する姿勢を見せていたが、現地時間2022年12月30日、レナードと共に製作会社パラマウント・ピクチャーズを相手取り、性的搾取と青少年のヌードを公開したとして、米カリフォルニア州のサンタモニカ裁判所にて訴訟を起こしたという。
2人は当初監督から、ヌードの撮影はなく、肌色の下着を着用の上、撮影を行うと説明を受けていたそう。ところが撮影の終盤になり、監督がヌードがなければ映画が失敗すると言い出し、撮影を懇願されたそうだ。監督はカメラの位置を示し、ヌードは映ることも公開されることもないと保証したが、監督の不誠実によって、2人は知らないうちに裸を撮影されたと主張している。
これにより、2人は公開以来55年にわたって、精神的苦痛と感情的苦痛に悩まされ、仕事の機会も失ったと訴える。映画は大ヒットし、評価されたにも関わらず、本作以降、2人の演技のキャリアは限定的だとし、5億ドルの損害賠償を要求している。
カリフォルニア州では、2022年12月31日までの期間、児童に対する性的虐待の訴えに関する時効を一時的に停止していた。2人はこれに合わせて提訴したものとみられる。なお、監督のゼフィレッリは2019年に他界している。