映画ファンから一目置かれる存在感 『イニシェリン島の精霊』バリー・コーガンの本編映像解禁
関連 :
マーティン・マクドナー監督の最新作となる映画『イニシェリン島の精霊』より、アイルランド出身の個性派俳優バリー・コーガンの好演を収めた本編映像が解禁された。
【動画】一筋縄ではいかないキャラクターを好演 『イニシェリン島の精霊』バリー・コーガンの本編映像
本作は、アイルランド西岸沖に浮かぶ架空の離島・イニシェリン島で暮らす心優しく気のいい男パードリック(コリン・ファレル)と、音楽を愛する初老の男コルム(ブレンダン・グリーソン)という、親友同士である2人が、仲違いしていくさまを描く。
第79回ヴェネチア国際映画祭においてヴォルピ杯男優賞(コリン・ファレル)、脚本賞(マーティン・マクドナー)を受賞し、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞では主演男優賞(コリン・ファレル)をはじめ3部門で受賞、第27回サテライト賞では作品賞(コメディ/ミュージカル部門)を含む8部門でノミネート。さらにアカデミー賞の前哨戦として注目される第80回ゴールデングローブ賞では作品賞(ミュージカル/コメディ部門)、主演男優賞(ミュージカル/コメディ部門)(コリン・ファレル)、脚本賞(マーティン・マクドナー)の最多3部門で受賞している。
パードリックのもう一人の親友ドミニクを演じたのは、本作の舞台アイルランド出身の個性派俳優バリー・コーガンだ。ミニシアターから大作まで話題作に立て続けに出演し、映画ファンから一目置かれる存在感を発揮しているバリーは、直近ではDCコミックスのバットマンを実写映画化した新作『THE BATMAN ザ・バットマン』(2022)で人気悪役かつ難役とも言われるジョーカーを演じる。本作においては第90回ゴールデングローブ賞で助演男優賞にブレンダン・グリーソンとともに自身初のノミネートを果たしている。
そんなバリーが演じるドミニクは、マクドナーがバリーに当て書きしたキャラクターで、一見風変わりで空気の読めないようだが、母親が失踪し、地元警官である父親に虐待されながら過ごしているという悲しい一面もまとっている。
マクドナーは「警官の父は本当にひどい人物だからドミニクは深い悲しみと恐怖に苛まれている。前世紀のアイルランドの多くの子供がそうであったように」と説明。続けて「ドミニクには高潔さがある。そして追求したくなる映画的な風情がある。ドミニクはパードリックにとって、コルムとはまた違った親友だ。島一番の秀才とは言えないが、もしかしたら一番わかっているのはドミニクかもしれない。人は他人の内面や本性を知らずに、人物を評価しがちだ。バリーはそのことを見事に、胸が張り裂けそうに、そしてコミカルに演じきる」と複雑なキャラクターを好演したバリーに称賛の言葉を贈っている。
一方で、バリーもマクドナー作品への出演をかねてから切望していたという。憧れのあまり、マクドナーの写真を待ち受けにしていたようで、ニューヨークでのマクドナーとの顔合わせの際に「この待ち受け、消しておかないと、ヤバい奴だと思われるぞ」と慌てたというほほ笑ましいエピソードも。
解禁された本編映像には、ドミニクの登場シーンが映し出されている。ある夜、コルムが自分以外の仲間たちとパブで演奏を楽しむ姿を見つけたパードリック。マスターから「コルムがやろうと言い出した」と聞かされ、パードリックは悲しげに眉を寄せながら離れたところからその様子を見守るが、そこへ勢いよく扉を開けてパードリックのもう一人の親友ドミニクが現れる。しかし、ドミニクは親友のパードリックの孤独な姿はどこ吹く風で、女性がいると聞いて一目散にコルムのもとへ駆け寄っていく。パードリックの悲壮感とドミニクの一筋縄ではいかない独特のキャラクター性がより一層際立ったワンシーンとなっている。
映画『イニシェリン島の精霊』は、1月27日より公開。