ゴールデン・グローブ賞<映画の部> 最多ノミネートは『イニシェリン島の精霊』 湯浅政明監督『犬王』も候補入り
現地時間12月12日、第80回ゴールデン・グローブ賞のノミネートが発表された。映画の部では、マーティン・マクドナー監督の『イニシェリン島の精霊』が作品賞と監督賞(コメディー/ミュージカル)を含む7部門8ノミネートを果たし、最多となった。アニメ作品賞には湯浅政明監督の『犬王』が候補入りしている。
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ノミネート数で次点となったのは、カンフーとマルチバースを融合させた異色作『エブリシング・エブリウェア・ オール・アット・ワンス』で、作品賞(ミュージカル・コメディー部門)含む6部門にノミネート。スティーヴン・スピルバーグ監督の半自伝的映画『フェイブルマンズ』とデイミアン・チャゼル監督の『バビロン』がそれぞれ5部門でノミネートされ、これに続いた。
作品賞にはこのほか『トップガン マーヴェリック』と『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』もノミネートされている。
また同賞では、女性監督の不在が度々問題視されてきたが、今年も女性監督の候補入りはなかった。
ゴールデン・グローブ賞は、例年アカデミー賞の前哨戦として注目されてきたが、昨年、主催するハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)の会員の多様性の欠如と、それによる評価基準の偏りが疑問視され、前回の授賞式はテレビ放映を見送られるなど、非難を受けた。これを受け、HFPAは新たに21人の新会員を迎えるなど、問題に対処する姿勢をアピールしていた。
今年はコメディアンのジェロッド・カーマイケルをホストに迎え、現地時間2023年1月10日に授賞式を開催、米NBCとストリーミングサービスPeacockで放送される。
<映画の部>主な候補者・候補作品は以下の通り。
●作品賞(ドラマ)
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
『エルヴィス』
『フェイブルマンズ』
『TAR(原題)』
『トップガン マーヴェリック』
●女優賞(ドラマ)
ケイト・ブランシェット『TAR(原題)』
オリヴィア・コールマン『Empire of Light(原題)』
ヴィオラ・デイヴィス『The Woman King(原題)』
アナ・デ・アルマス『ブロンド』
ミシェル・ウィリアムズ『フェイブルマンズ』
●男優賞(ドラマ)
オースティン・バトラー『エルヴィス』
ブレンダン・フレイザー『The Whale(原題)』
ヒュー・ジャックマン『The Son(原題)』
ビル・ナイ『生きる LIVING』
ジェレミー・ポープ『The Inspection(原題)』
●作品賞(コメディー/ミュージカル)
『バビロン』
『イニシェリン島の精霊』
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』
『逆転のトライアングル』
●女優賞(コメディー/ミュージカル)
レスリー・マンヴィル『ミセス・ハリス、パリへ行く』
マーゴット・ロビー『バビロン』
アニャ・テイラー=ジョイ『ザ・メニュー』
エマ・トンプソン『Good Luck to You, Leo Grande(原題)』
ミシェル・ヨー『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
●男優賞(コメディー/ミュージカル)
ディエゴ・カルバ『バビロン』
ダニエル・クレイグ『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』
アダム・ドライバー『ホワイト・ノイズ』
コリン・ファレル『イニシェリン島の精霊』
レイフ・ファインズ『ザ・メニュー』
●助演女優賞
アンジェラ・バセット『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』
ケリー・コンドン『イニシェリン島の精霊』
ジェイミリー・リー・カーティス『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
ドリー・デ・レオン『逆転のトライアングル』
キャリー・マリガン『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』
●助演男優賞
ブレンダン・グリーソン『イニシェリン島の精霊』
バリー・コーガン『イニシェリン島の精霊』
ブラッド・ピット『バビロン』
キー・ホイ・クァン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
エディ・レッドメイン『グッド・ナース』
●監督賞
ジェームズ・キャメロン『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
バズ・ラーマン『エルヴィス』
マーティン・マクドナー『イニシェリン島の精霊』
スティーヴン・スピルバーグ『フェイブルマンズ』
●脚本賞
トッド・フィールド『TAR』
ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
マーティン・マクドナー『イニシェリン島の精霊』
サラ・ポーリー『ウーマン・トーキング 私たちの選択』
スティーヴン・スピルバーグ、トニー・クシュナー『フェイブルマンズ』
●非英語映画賞
『西部戦線異状なし』(ドイツ)
『アルゼンチン1985 歴史を変えた裁判』(アルゼンチン)
『Close(原題)』(ベルギー)
『別れる決心』(韓国)
『RRR』(インド)
●アニメ作品賞
『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』
『犬王』
『Marcel the Shell With Shoes On(原題)』
『長ぐつをはいたネコと9つの命』
『私ときどきレッサーパンダ』