『イニシェリン島の精霊』主人公のもう一人の親友“ロバのジェニー”に注目 特別映像解禁
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コリン・ファレルが主演するマーティン・マクドナー監督最新作『イニシェリン島の精霊』より、主人公が飼っている愛嬌たっぷりの“ロバのジェニー”にフォーカスした特別映像が到着した。
【動画】とってもお利口! 『イニシェリン島の精霊』特別映像<ロバのジェニー>
本作は、アイルランド西岸沖に浮かぶ架空の離島・イニシェリン島で暮らす心優しく気のいい男パードリック(コリン・ファレル)と、音楽を愛する初老の男コルム(ブレンダン・グリーソン)という、親友同士である2人が、仲違いしていくさまを描く。
第79回ヴェネチア国際映画祭においてヴォルピ杯男優賞(コリン・ファレル)、脚本賞(マーティン・マクドナー)を受賞し、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞では主演男優賞(コリン・ファレル)をはじめ3部門で受賞、第80回ゴールデングローブ賞では作品賞(ミュージカル/コメディ部門)、主演男優賞(ミュージカル/コメディ部門)(コリン・ファレル)、脚本賞(マーティン・マクドナー)の最多3部門で受賞した。また、先日発表されたアカデミー賞ノミネートでは、作品賞、監督賞(マーティン・マクドナー)、主演男優賞(コリン・ファレル)など、主要8部門9ノミネートを果たしている。
今回解禁されたのは、主人公パードリックが家で飼っているロバのジェニーにフォーカスを当てた特別映像。パードリックの大切な友達でもあるジェニーは、徐々に不穏な流れになっていく本作の唯一の癒しともいえる存在だ。映像では、ジェニーの愛らしい姿を捉えたメイキングや本編映像、コリン、マクドナー監督のインタビューを収めている。
前作『スリー・ビルボード』(2017)でも馬や鹿など様々な動物が重要なシーンで登場し、人間だけでなく動物のディレクションも可能なマクドナー監督について、コリンは「マーティンの脚本には動物の行動まで書かれている。馬や牛、犬やロバの詳細な動きがね。実現は不可能だと思ったよ。でも動物たちは見事にやってのけた」と、監督の手腕と動物たちの演技をたたえる。さらに「動物と子供は積極的に起用すべきだ」と続け、最後は笑顔で「ジェニーに主役を奪われた」とおどけて締めくくっている。
マクドナー監督は、ジェニーが本作に起用されたきっかけについて「私たちはジェニーにぴったりなミニロバを見つけた。しかも実際にジェニーという名前で、ペットとして飼われていた」と運命的ともいえるエピソードを明かす。コルム役のブレンダンは「パードリックは動物が好きで、その純粋性に惹かれている。彼とミニロバは特別な関係で結ばれている。人に変だと言われても、彼は気にせずミニロバを家の中で飼い続けようとするんだ」と、パードリックのジェニーへの愛の深さを語っている。
先日開催されたゴールデングローブ賞の授賞式でも、コリンとマクドナー監督それぞれが、自身のスピーチの際にジェニーや動物たちの名前を挙げてその活躍ぶりを称賛。ジェニーたちが制作チームの一員として大きな信頼を得る存在であったことがうかがえる。
本作にはジェニー以外にも度々動物が登場しているが、雄牛やポニーのミニー、仔牛などは現地の動物から起用。彼らは俳優としてだけでなく、物流面で困難を極めた島での撮影のなかで、移動手段をはじめ様々な面でも活躍したという。ジェニーを筆頭に動物たちがどのように物語に絡んでくるのか、その名演技を劇場で確認したい。
映画『イニシェリン島の精霊』は、1月27日より公開。