『ファイナルファンタジーX』名シーンを歌舞伎で再現 尾上菊之助「元気をお届けしたい」
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歌舞伎俳優の尾上菊之助、中村獅童、尾上松也らが2日、都内で開催された木下グループpresents『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』初日前会見に出席。その後に行われたフォトコールでは、ゲームの名場面を再現したシーンを披露した。
【写真】『FF10』の世界観を再現! 名場面続出の『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』フォトコールの様子
本作は、2001年に「ファイナルファンタジー」シリーズの第10弾として発売された人気ゲームタイトルを新作歌舞伎として上演する作品。大いなる脅威『シン』に立ち向かう少年と少女の切ない物語を綴る。
会見の冒頭で、菊之助が「ザナルカンド・エイブスのティーダっす」、獅童が「伝説の剣士、アーロン」、松也が「エボンの老師となりました、シーモアです」とキャラクターを意識した挨拶をして会場を盛り上げると、菊之助は「原作の世界を尊重しつつ、歌舞伎の世界と融合し、ダイナミックで美しく心に響くメッセージが届けられると思っています。世界に向けて、互いを思いやり、愛し、諦めない心、前向きな姿勢、亡くなられた方への鎮魂、そして未来への元気をお届けしたいと思っております」と本作への思いを語った。
そもそも本作は、「60から90時間くらいプレイしている」というほど原作ゲームのファンだった菊之助が自ら企画・演出した作品だ。それだけに菊之助は「コロナでまだ元気がない方、痛手を負ってしまった方、今、苦境にあえいでいる方に対しても、もっともっと前向きに、未来に向けて元気に進んでいきましょうということを、この作品に含まれているテーマを私たち人間が演じることでより深く伝えられるのではないかと期待しています」と本作に懸ける思いは強い。改めて、本作の見どころを聞かれると「1場面1場面、名シーンのオンパレードになっていますので、(見どころを)絞るのは難しいのですが、ブリッツボールの試合とか、マカラーニャの森のシーン、父親ジェクトと心を通わせるシーンはぜひ期待していただきたい」と胸を張った。
さらに、ブリッツボールのシーンについて橋之助は「歌舞伎って、かなりぶっ飛んでいることが多いと思いますが、その歌舞伎のぶっ飛びらしさを面白く使われたシーンになっていると思います」とコメント。獅童は「『ファイナルファンタジー』の世界に歌舞伎の醍醐味である立廻りや踊り、音楽では長唄や義太夫などが融合していますので、歌舞伎を見たことがないお客様、それから歌舞伎の上級者の方にも楽しんでいただける舞台になっていると思っています」とアピールした。
なお、この日のフォトコールでは、オープニング映像、ティーダ(菊之助)とアーロン(獅童)らがシーモア(松也)を更正させようとするが戦いになる「シーモアとの戦い」、そしてユウナ(米吉)の「異界送り」の3シーンが披露された。
また、会見には、中村梅枝、中村萬太郎、中村米吉、中村橋之助、上村吉太朗、中村芝のぶ、坂東彦三郎、中村錦之助、坂東彌十郎、中村歌六も出席した。
木下グループpresents『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』は、3月4日~4月12日にIHIステージアラウンド東京(豊洲)にて上演。