ブレンダン・フレイザーvsセイディー・シンクの演技バトル! アカデミー賞2部門受賞『ザ・ホエール』本編映像
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本年度の第95回アカデミー賞で主演男優賞とメイクアップ&ヘアスタイリング賞の2部門を受賞した、ブレンダン・フレイザーが主演するダーレン・アロノフスキー監督最新作『ザ・ホエール』より、ブレンダン演じる主人公チャーリーとセイディー・シンク演じる娘エリーが衝突するシーンを収めた本編映像が解禁された。
【動画】疎遠だった父と娘が衝突 アカデミー賞2部門受賞『ザ・ホエール』本編映像
A24製作・配給の本作は、劇作家サミュエル・D・ハンターによる舞台劇を、ダーレン・アロノフスキー監督が10年以上にわたってあたため、映画化したもの。重度の肥満症となった引きこもりの教師チャーリーが、自分の死期を悟り、疎遠だった娘との絆を取り戻そうとする最期の5日間を描く。
272キロの巨体の男チャーリーになり切ったブレンダンは、プライベートでの不幸が重なり表舞台から長らく遠ざかっていたが、本作で見せたパフォーマンスで賞レースを席巻。ブロードキャスト映画批評家協会賞にて主演男優賞を受賞、全米俳優組合賞(SAG)、英国アカデミー賞(BAFTA)、サテライト賞(ドラマ部門)、そしてついにアカデミー賞主演男優賞を初受賞した。共演は、セイディー・シンク(『ストレンジャー・シングス』シリーズ)、ホン・チャウ(『ザ・メニュー』)らが脇を固める。
主人公チャーリーは、過去に新しい恋人との生活を選択し、家族を深く傷つけてしまったことにずっと胸を痛めていた。そして自身の余命が僅かであることを悟った彼は、自分への怒りと恨みを募らせた娘のエリーと再会することを決意する。今回解禁されたのは、そんなチャーリーが娘エリーと再会するも、彼女と衝突してしまう本編映像。
幼い頃に愛する父から捨てられた経験がトラウマとなり、学校と家庭で多くのトラブルを抱えている17歳のエリー(セイディー)。怒りに身を任せて生きるエリーに、チャーリー(ブレンダン)は、「世界中に向かって怒る必要はない。僕だけに怒れ」とアドバイスをするが、この言葉にエリーは激怒。「私をゴミみたいに捨て、8年後に父親ぶるの? 男のため、私を捨てたのよ!」と責め立て、「でもよかった。大事なことを教えてもらったから。人間はロクデナシだって。感謝してる」と皮肉たっぷりに言い放ち立ち去ろうとする。
ほぼワンシチュエーションの会話劇で構成されている本作は、セリフが重要な役割を果たす。大学でエッセイの講師をするチャーリーは言葉を用いて人々を癒そうとするが、反対にエリーは言葉を反抗するための武器として使う。ブレンダンは、本作の脚本家であり、原作戯曲の作者でもあるサミュエル・D・ハンターが書いた台詞に惚れこんだといい、「サムは現実の生活を詩にする。彼の物語には必ず価値観と目的がある上に、活き活きとしたユーモアあふれる率直な言葉を書く才能があるんだ」と、彼が紡いだ言葉の魅力を語っている。
そして、同シーンでブレンダンと対峙する娘エリー役のセイディー・シンクについて、ブレンダンとアロノフスキー監督は「彼女は将来素晴らしい役者になる」と声を揃えて絶賛。セイディー本人は「実はブレンダンが出演している映画を1本も見たことがなかった」と明かしており、それゆえに撮影現場で緊張せずいられたと振り返っている。
セイディーは、エリーのキャラクターについて「彼女は人生の大半を、父親を悪者にして生きてきた。父がいなくなってから、エリーと母親の人生は負のスパイラルに陥ってしまい、それが今でも続いているから、エリーは父親を傷つけるためにチャーリーのアパートに来たんだと思うの。『見てよ、私はこんなに嫌な人間になっちゃった。あんたのせいよ』と、自分が父親に心を傷つけられたのと同じように彼を傷つけたい。もしかしたら、父親が良い境遇にないのを見て、少しスッとしてさえいるかも。父親が苦しんでいるからといって、優しくする気は毛頭ない。父親に対して言うべきことがあり、それをはっきりと言う芯が通った女の子なのよ」と説明している。
華麗な復活劇を見せたブレンダンと、ベテラン相手に堂々とした演技を披露したセイディーの演技バトルからも目が離せない本作。果たして父娘の絆は取り戻せるのか。その結末をスクリーンで確かめたい。
映画『ザ・ホエール』は、4月7日より全国公開。