アカデミー賞作品賞受賞の『コーダ あいのうた』、金ローで地上波初放送 作品ファンの宇垣美里が見どころ語る
2022年アカデミー賞で作品賞など3部門を受賞した映画『コーダ あいのうた』が、『金曜ロードショー』(日本テレビ系/毎週金曜21時)にて6月16日に地上波初放送されることが決まった。さらに、本作の大ファンという宇垣美里が見どころコメントを寄せた。
【写真】アカデミー賞3部門受賞の映画『コーダ あいのうた』場面写真
コーダ(Children of Deaf Adults)とは、耳が聞こえない、または聞こえにくい親のもとで育つ子どものこと。本作は家族の中でただ1人の健聴者である少女が、家族やさまざまな問題を力に変えて自らの夢を実現していく姿を描いたヒューマンドラマだ。
2022年アカデミー賞で作品賞、助演男優賞、脚色賞を受賞したのをはじめ、ゴールデン・グローブ賞でもドラマ映画賞、映画助演男優賞を獲得。ハリウッドの映画俳優たちが選ぶ全米映画俳優組合賞でも、最高賞にあたるキャスト賞を受賞するなど、2021~22年の各映画賞を総なめにした。
監督・脚本はシアン・ヘダー。自分以外の家族が皆、ろう者で、常に家族の「通訳」を行い、自分の夢である「歌」をあきらめようとする少女・ルビー役はエミリア・ジョーンズ。手話トレーニングと共に9ヵ月間ボイストレーニングを行い、本作では歌声も聞かせている。
主人公の家族で、ろう者である父・母・兄の3人の役は、実際に耳の聞こえない俳優が演じている。母親のジャッキー役は、マーリー・マトリン。父親のフランク役は、トロイ・コッツアー。本作でアカデミー賞とゴールデン・グローブ賞で助演男優賞に輝いた。兄のロッシ役は、ダニエル・デュラント。
本作の大ファンで、この度、『金曜ロードショー』のアンバサダーを務めることになったフリーアナウンサーの宇垣美里は「この作品は、イキイキとしたろう者を描いた作品でありながら、普遍的な誰もが共感できる親子の話でもあり、青春映画でもあり、音楽映画でもある、万人に刺さる作品になっていると思います」と作品を紹介。
「特に私が好きなポイントは、手話という言語の豊かさです。実際に耳の聞こえないろう者の方が演じているという部分もあるのだと思うのですが、とにかく手話という言語がこんなにもイキイキしているのだということを私はこの作品で改めて知ることができました」とコメント。
おすすめのシーンについては、「ろう者ではない主人公が『どうして歌を歌うの? 歌を歌うときにどんな気持ちになるの?』と先生に聞かれて、言葉では説明できなくて手話で伝えるシーンです。彼女にとって手話は“コーダ”(ろう者の子ども)であるからこそ第一言語で、だからこそ、この気持ちを、『手話なら』表現できるというのが、それだけで伝わってくる…この言葉って何て豊かなんだろうっていうことがわかるシーンでした」と語る。
また「特に皆さんに非常にささるんだろうなと思うのが、音楽発表会のシーンです。観客の前で主人公はじめ、合唱グループのみんなが歌を歌うのですが、そのシーンの中で一瞬無音になるんです。それが主人公の家族が、その瞬間をどのように受け止めているのかっていうのを、私たちにも体験させてくれるシーンになっています」と話している。
そして、「きっと分かり得ないし、完全に理解することはできないとは思うのですが、それでも知りたくて手を伸ばす。その姿勢というのは、こんなにも尊くて美しいんだと思いました。本当に素敵な作品なので、多くの方に見て頂けたら嬉しいです!」としている。
映画『コーダ あいのうた』は、日本テレビ系『金曜ロードショー』にて6月16日21時放送。