ペ・ドゥナ×新星キム・シウンW主演、実話をモチーフにした映画『あしたの少女』本予告解禁
8月25日に公開される、ペ・ドゥナ&新星キム・シウンダブル主演の実話をモチーフにした映画『あしたの少女』より本予告が解禁された。
【動画】無垢な青少年を消耗品のようにこき使う企業の実態をあぶり出す 映画『あしたの少女』予告編
本作は、巨匠イ・チャンドンがプロデューサーを務めた『私の少女』(2014)で鮮烈な長編デビューを飾ったチョン・ジュリ監督の8年ぶりとなる最新作。2017年に韓国で実際に起こった事件をモチーフに、ダンス好きの明るい少女が想像を絶する過酷な労働環境に疲弊し、ついには自死へと追いやられていく様を迫真のリアリティで描く。
2022年に韓国映画として初めてカンヌ国際映画祭批評家週間の閉幕作品として選ばれ、第23回東京フィルメックスでは審査員特別賞を受賞するなど、多数の国際映画祭で高い評価を受けた。
高校生のソヒは、担任教師から大手通信会社の下請けのコールセンター運営会社を紹介され、実習生として働き始める。しかし、会社は顧客の解約を阻止するために従業員同士の競争をあおり、契約書で保証された成果給も支払おうとしなかった。そんなある日、指導役の若い男性チーム長が自殺したことにショックを受けたソヒは、自らも孤立して神経をすり減らしていく。
やがて凍てつく真冬の貯水池でソヒの遺体が発見され、捜査を担当する刑事ユジンは、彼女を自死へと追いやった会社の労働環境を調べ、いくつもの根深い問題をはらんだ真実に迫っていくのだった…。
ユジン役は、日本映画やハリウッド映画でも活躍し、是枝裕和監督作品『ベイビー・ブローカー』も記憶に新しいペ・ドゥナ。前作『私の少女』でもタッグを組んだチョン監督は、当初からペ・ドゥナの起用を想定して脚本を執筆した。一方、ソヒ役にはフレッシュな新進女優キム・シウンが抜てきされた。
無垢な青少年を消耗品のようにこき使う企業の実態をあぶり出す本作。物語は2部構成となっており、ソヒが実習生としてコールセンターで働く前半のパートは、作品のベースになった実際の事件を忠実に再現している。もうひとりの主人公である刑事ユジンが登場する後半はチョン監督の創作で、韓国の労働問題を追及してきたジャーナリストらに触発され、ユジンのキャラクターを構築したという。
本予告は、前半でダンスが好きな学生ソヒが、学校の教師に薦められてコールセンターの実習生として働き始めるが、過酷なノルマを課せられて次第に追いつめられていく様子が映し出される。そして後半では、ソヒが勤めていた会社の実態に迫り、彼女を自死へと追いつめた真相を探る刑事ユジンの鬼気迫る姿が描かれていく。
なぜ、ごく普通の高校生が自死を選ばなくてはならなかったのか。どうして、周囲の大人たちは救いの手を差し伸べなかったのか。社会の今を鋭く見すえ、これらの問いを投げかける本作は、英語題の『Next Sohee(次のソヒ)』が示す通り、ソヒのような犠牲者を二度と生み出すべきではないという願いをこめて作られた。ソヒの“生きた証”がスクリーンに映し出されるエンディングは、この映画にきらめくかすかな希望として、観客の胸を打つだろう。
映画『あしたの少女』は8月25日より全国公開。
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