リリー・フランキー、『アンダーカレント』で自身をモデルにした役演じる 原作との“クリソツ”カット公開
今泉力哉監督が、世界中でカルト的な人気を誇る豊田徹也の同名漫画を、真木よう子を主演に迎えて映画化した『アンダーカレント』(10月6日公開)。このたび、原作漫画の探偵・山崎のモデルが、映画版で同役を演じるリリー・フランキーであることが発表され、漫画のコマと映画シーンの比較画像を公開。併せて、リリーをキャスティングした経緯や撮影エピソードも明かされた。
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豊田徹也の唯一の長編作品である『アンダーカレント』は、「まるで1本の映画を観ているよう」と高く評価され、2010年に「漫画界のカンヌ映画祭」と呼ばれるフランス・アングレーム国際漫画祭のオフィシャルセレクションに選出された人気漫画。そんな伝説的な作品を実写映画化した本作は、心の奥底に閉じ込めた気持ちを大切に描く、自分自身ととことん向きあうヒューマンドラマだ。
突然夫が失踪してしまった銭湯「月乃湯」の女主人・かなえを真木よう子、夫が失踪したかなえの前に「働きたい」と現れる謎の男・堀を井浦新、失踪したかなえの夫の行方を期間限定で探すことになる探偵・山崎をリリー・フランキー、突然失踪したかなえの夫・悟を永山瑛太、かなえと悟の同級生でかなえに探偵・山崎を紹介する菅野を江口のりこが演じる。監督は、『愛がなんだ』『ちひろさん』などを手がけた今泉力哉。音楽を細野晴臣が担当する。
このたび、原作漫画の探偵・山崎のモデルが、映画版で同役を演じるリリー・フランキーであることが明らかに。失踪したかなえの夫・悟を探すことになる探偵・山崎道夫(リリー)は、カラオケボックスでの調査報告後、ショックを受けるかなえの前で1人熱唱するなど、言動すべてが常識から外れた男。他人の厄介ごとなんて1番苦手と言いながら、かなえに対しては親身になっていく…という役どころだ。
原作者の豊田はこのキャラクターを当時、季刊文芸誌「文藝」(河出書房新社)で特集されていたリリー・フランキーの写真を見ながらイメージを膨らませて描いたという。それから20年近く経ち、実際にリリーが山崎を演じることに。今回公開された、リリー演じる山崎の場面写真と原作漫画のカットを比較する画像では、雰囲気がそっくりなのが見て取れる。
山崎役のキャスティングについて、今泉監督は「豊田先生から『是非リリーさんで』というプレッシャーは全くなかった」と前置きし、「適当な男に見えて、実は1番の切れ者。少し色気もあるという独特のたたずまいが出せる人は、やはりリリーさんしか考えられませんでした」とコメント。
豊田とリリーは、撮影現場で初めて対面。リリーは、自身がモデルであることをその場で直接豊田から聞き「緊張感が出た(笑)」と明かし、「探偵ぽくならないといけない部分となってはいけない部分とのバランスが難しかった。山崎の中でも、かなえとの距離感が縮まっていく感じとか、探偵ではない部分の匂いができるだけ出たらいいと思って演じた」と振り返っている。
映画『アンダーカレント』は、10月6日より全国公開。